古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ひなびたごちそう  島田雅彦

2024-06-29 09:17:34 | 本の紹介
ポプラ文庫   2010年

島田氏のお作品を読んだのは、初めてだが、

文章は頭の上に蓋をされたような圧迫感の

ある文章だが、読んでいるうちに気にならなく

なった。

初級編、中級編、上級編、応用編で構成され

ていて、結婚当初は奥さんが料理をされてい

たが、遅いうえ、まずかったので、自分でつくり

はじめたらしい。牡蠣をギョーザの皮で包んで

揚げて食す、というのは、やってみたいな、と

思った。

あまり粋じゃないな、と思ったのは、お店に

長居したがる、長っ尻を好むところだ。

江戸っ子たる者、さっと食べて、さっと去る、

っていうのが、いかすのに、って、おれ、江戸っ子

じゃなかったわ、チーン。

(読了日 2024 4・24(木)21:30)





































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ロバに耳打ち    中島らも

2024-06-28 00:58:36 | 中島らも
双葉文庫   2003年

ぼくはなにを隠そうらもフリークで、らも

作品のでものがあれば、その都度買って

未だにちまちまと読んで楽しんでいる。

この本は2003年なので、晩年の本だが、

この頃はけっこう盛んに本を出していた

ようである。

どこかで読んだ内容のものが必ずあるのだが。

今回の収穫はタイに行ったときに、裸の象に

乗り、蚤に刺されて、足が二倍に腫れて、入院

した話だ。スカ××ジッ×・ホスピタルという

章が汚くて、強烈だった。汚いので、お上品な

ぼくは説明はしたくない。らも氏は基本、下品で

あり、品がそれほどない人だ。それが、面白くて、

ぼくなんかは読んでいるのだけれどね。

(読了日 2024年4・24(木)0:40)









































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自分をさがして旅に生きてます   吉田ルイ子

2024-06-26 00:37:44 | 本の紹介
講談社文庫    1983年

結局、このルイ子さんは愛をさがし、愛について

描いているのだと思う。女性がセックスが好き、

とはなかなか言えなかっただろう70年代に、

女性のセックスについて語るというのは勇気の

いることだ。

アメリカの女性の悩みや、日本の女性の悩みに

対峙していく勇敢さ。そもそも、ぼくは女という

ものは、本でしか知らない。エッセイで女性と

言うものを知り、太宰に教えてもらった。でも、

太宰の女性の見方って正しいのかな。よく、眠ると

か?

ルイ子のルイは人類愛のルイなのだそうだ。黒人

ハーレムに関わって、多くの写真を撮った。この

本にはそのアメリカの写真が載っている。かっこいい、

イケてる写真(なんてチープな表現!)にぼくは

彼女の人への愛を感じた。でも、ぼくは人間嫌いだか

ら、彼女に嫌われちゃうかもね、チーン。

(読了日 2024年4・22(月)18:30)
                (鶴岡 卓哉)












































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あの娘(こ)は石ころ   中島らも

2024-06-23 23:32:38 | 本の紹介
双葉文庫 1999年

らもさんは生前、楽器ヲタクだったらしく、

世界中の弾けもしない謎の楽器を集めていて、

それらについて、短い文を寄せている。

楽器好きが最後にはどうなるかと言うと、

自分で作ってしまうわけですね。らも氏

も庭にできたひょうたんで作ったひょー

たりんという琵琶に似た楽器を作っている。

その他にも、この本にはらもさんが十代の

頃に書いた歌詞も載っている。ラストには

リリパット・アーミーという劇団でやった、

くだらない台本も載っている。全編B級感

に満ち満ちたスカした本だ。すかしまくって、

スカスカだってね。でも、楽しかった。

























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ゼロから始める都市型狩猟生活   坂口恭平

2024-06-21 18:11:06 | 本の紹介
角川文庫  2010年

ぼくは基本、完読しないとその本について

何かを書いたりしないのだが、この本は

そのひどさ故、半分ほどしか読まなかった。

まず、段ボールハウスというのについては、

コンクリの上で段ボールで家らしきものを

作るのだが、寝返りも打てないうえ、段ボール

を敷いただけなので、硬くて決して熟睡できない

だろう。それを快適この上ないみたいな言い方

をするのは甚だ問題があるのではないだろうか。

それにトイレはどうするのだ。公園でホームレスが

ひとりだけいたが、そのトイレはいつも滅茶苦茶に

汚れていて、不快極まりなかった。

ぼくは十年以上前だが、お総菜屋でバイトして

いたが、お弁当を廃棄するそれをホームレスが

食べたがるのだが、いつも食べ散らかして、大層

問題になっていたってこともある。

ホームレスもある人が風呂に入れてやると、お風呂に

二センチくらい垢が浮いていたという。この本に

あるように、そううまくは絶対にいくはずはない。

少しはまじめに生活することを考えたらどうだ、と

言いたくなった。






































































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パワー☆オブ☆ドリーム   前田日明

2024-06-18 00:23:08 | 本の紹介
角川文庫   昭和63年

併読で白洲正子を読んでいたのだが(挫折)、その

一万倍おもしろかった。

ゴロツキ同然の高校生時代に田中先生と出会い、

空手に目覚めてゆく。相当、若いころは苦労さ

れたようだ。毎日、チキンラーメンを食ってい

たらしい。ご飯に塩をかけていたり、そこから、

一級下の田中先生の手引きもあり、新日本プロ

レスに入る。

伝説の始まりだ。でも、意外に前田日明氏を

知らない人は多いらしい。日明氏のジャーマ

ン・スープレックスはゴッチ式で、プロレスも

ゴッチ式のガチンコ、セメントがほとんどら

しく、プロフェッショナル・レスラーと

自負していたらしい。

UWFの設立に関わり、新日に吸収され、解体

されてしまう。そして、あの長州への顔面

キックという事件を起こしてしまい、追放

される。そこまで、日明(あきら)氏三十歳の

人生を振り返っている。格闘王の異名をとった

日明氏の本、絶版らしいので、ぼくはよろこび

勇んで古本で買って、夢中で読んだ次第。

男なら誰しも夢見る強さを追求する姿に惚れること

間違いなし?





















































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パソコン購入! 概観+アジアの誘惑 下川裕治

2024-06-13 12:57:29 | 本の紹介
買ってしまいましたね、パソコン。その

動作の早いこと。こんなことなら、もっと

早く買っていれば、膨大な時間が節約でき

たのに、と悔やまれる。

それはそうと、このブログも十年を迎え、

存続しようか、やめてしまおうか、と逡巡

しておりますが、まあ、今は、このブログの

裏テーマでもある作家デビューまで、続けて

みようか、と思っています。どうぞ、よろしく

お願いいたします。僕の遊びに付き合ってもら

って非常に恐縮です。

今日は下川氏ですよ。

講談社文庫   1995年

大方30年前の本。20年前のことも書かれて

いるから半世紀前のことも書かれている。

今もアジアは刻刻と変わっているのだろ

うなあ。全くつまらない街になっているのか、

それとも、変わらないのか……。

バンコクでバスをつかって旅する話、蚊の

話し。アジアの夏は過酷なので、分速30

メートルで歩くとよい、と書いている。

アジアの風景をこよなく愛し、歩いてきた

下川氏が、タイを中心に貧乏旅行の在り方

を描いているのだが、その混沌といった

らいいのか、アジア的コンフュージョンがぼくに

は羨ましく、大体において、暑い国というのは、

いい加減なところがあるらしい。

広島人も東京人に比すると大らかというか、のんびり

したところがあって、いい意味でアジア的である

ところが好もしいなどと思っているぼくであった。

(読了日 4・14日 18:55)


















































































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発狂した宇宙    フレドリック・ブラウン

2024-06-09 04:49:26 | 小説の紹介
稲葉明雄・訳 ハヤカワ文庫 1977年

SF好きにとって必読書を今更ながら古本で

読みました。多元宇宙ものの決定版であり、

ブラウン氏のベストとも言われる本書。

SF好きなら夢中で読むこと間違いなしだ。

なにせ、SFヲタクの妄想する異世界に飛んじ

ゃうのだから、月への旅行や、火星、金星へ

ジャンプして飛んでいくのは勿論、月人とか、

月ジュースとか、その小道具も面白い。

装丁もいい。〈驚異の宇宙〉というベティ・ハ

ドリーと思われる女性の短パン、ブラジャー姿

のイラストが表紙の雑誌。この雑誌、本書でも

キーとなるのだが、それが宇宙服の顔の部分にある。

バックは砂漠だ。WHAT MAD UNIVERSE. なんて

狂った宇宙だ、にある通り、狂った世界が描かれて

いるが、これぞ、70年代のSFといえるものだった。

70年代好きにもたまらん一冊。

























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目玉と脳の大冒険   荒俣宏 

2024-06-05 20:35:07 | 本の紹介
ちくま文庫  1987年

古本市で絶版のこの本を見つけたとき、喜び

勇んで買い求めた。この本は究極の知に対する

冒険である。人間の知るということに対する

希求に答えるべく博物学と言うものがあると

したら、それを行って来た人間の営みが詰ま

っている。

貴重な図版も入っているし、ドキドキワクワク

が止まらん。金魚というものは始め、上から

見るものだったという。水槽が発明されて、

初めて、横から見るようになったという。

そういうことも書いてあるし、ダーウィンの

進化論への考察や、日本人の南方における

博物学への挑戦的考察もおもしろい。

正直、よくは分からない。よくは分からないけど、

好奇心は満たしてくれる良書だった。

絶版とは、日本人の博物学に対する処遇の在り方

が分かるような気がしてくる。



































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