古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

雨がやんだら      椎名誠

2020-01-30 11:38:11 | 小説の紹介
新潮文庫     昭和62年


この作品集は数少ないシーナさんのスーパー・フィクション


であり、感涙のSFである。


シーナさんのあふれでる才能を随所に感じることができる。


小説はおろかSFにまで昇華された作品群は30年以上経った


今も色あせることがなく、みずみすしく、跳ねるような想像力


に、たしかな文章力。


やはり、表題作の「雨がやんだら」が構成といい、プロット

といい、ずば抜けてできがいいようである。


ある少女が書いた地球の未来についての日記がある砂浜に


漂着する、っていう設定などは、なんかそれだけで胸躍る


ではないか……アド・バードも読んでみたなあ、とつれずれに


思いましたね……合掌。
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詩・生きる     鶴岡卓哉

2020-01-29 15:07:10 | 詩・ポエム
考えてみると、ずいぶん長い間詩を発表していなかったなあ、と


思って。意図して発表していなかったというより、なんとなく、


ほかに発表する機会もあるかもしれぬなあ、などとよからぬこ


とを考えていたんだが、思ったより、そういう機会もなかなか


なくて、今日は、なんとなく発表しても良いかな、という気分


なので「不完全な生活2003ー2006」と題する発表する


あてもない詩集があって、そこから、今日は「生きる」っていう


詩を発表したいと思います、では。



「生きる」      鶴岡 卓哉


誰かが言った、僕は聞いてなかった


君のことか、それとも、タバコのことか


僕は甘い密室の中に入ってゆく


投げ出したバッグの中には忘れたいことが


いっぱい入ってる……


僕の信用のない言葉にストーリー


僕のしていることは間違いなのか?


君は白いハトを出したり、消したりしている


僕は微かに笑みを浮かべたんだ
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ひるめしのもんだい   椎名誠

2020-01-22 10:14:22 | 本の紹介
文春文庫      1990年



「ひるめしのもんだい」である。ボクはひるめしというほどのひるめし


を食べないのでよくわからないが、しっかりひるめしを食べるという


人にとってはひるめしをどうするか? は一大問題なようである。



つまり、ひるめしくらいの問題についてはガタガタいうが、政治につ



いてやなんかはそう問題にしないらしい。政治についてとやかく言う


シーナさんなんて見たくない。いや、読みたくない、か。


身辺問題についてあーだこーだ言うのが、ついては世界平和について


語るのと同じくらい重要なことになってゆくのである、それが、文学


というものである、とボクは理解している。


「週刊文春」に毎週書いていた6,5枚のやややや的な枚数をこなして


だされた、本書。良い消化スピードでこなされてゆく。読んでいて、たのしー



ということは文学にとって罪であるのか、ないのか、じっくり考えてみたい



………………合掌。
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猫を拾いに    川上弘美

2020-01-21 11:11:22 | 川上弘美
新潮文庫   平成30年


SFチックな表題作、猫を拾いに。ここでひとつ疑問がある。


猫は拾いに行って見つかるものだろうか。大抵、偶然見つけて



拾っちゃった、というのがフツーではないだろうか。見つかる



はずのないものを探しに行く、旅。それは果たして、旅という


ものになっていくんだろうな。


川上女史の真骨頂はこの短編というものにあるんだと思う。前に


読んだパスタマシーンの幽霊もよかったが、この作品集も随所に


冴えを見せる。想像力の横溢、氾濫状態に文学ってサイコーだな、


と思える。


ボクらは非日常を希求するが、それらをあたえられるってことは


そうにない。しかし、本一冊で夢のような映像と非日常が手に入


ってしまうこの作品集はなんといっても読むドラッグといっていい。


………………合掌。
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ロシアにおけるニタリノフの便座について    椎名誠

2020-01-19 10:37:10 | 本の紹介
新潮文庫    1987年



ちなみに二タリノフとは日本人のニタニタしている人の


コードネームらしきもの。なんかの本で一度読んだことが



ある、という話しが、これくらいシーナさんの本を読んでいると



でてきてしまう。


けど、鉄板の話しなので、いい感じでもう一度読んでいく。



なるほど、何度読んでもおもしろい話しばかりだ。



でも、まつりはいいなあ、はヲタばなし過ぎるし、文章が


イマイチなような気がして、途中下車してしまった。


自動車たいへん記を読んだら、ボクはクルマの免許ないんだけれど、


取ってみたらおもしろいもなあ、と思ってしまった。


教習所も80年代とはぜんぜん違うっていうしねえ………………合掌。
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イスタンブールでなまず釣り     椎名誠

2020-01-18 10:20:59 | 本の紹介
文春文庫    1984年



なんておまぬけな本なんだ。イスタンブールまで行って、なまずを



釣ろうと糸を垂れるも結局釣れず、どこで釣っても釣れず、おぬしらは



なにがしたいんだ、といいたくなるが、それがシーナ風でいかにも



ヌケ感というか、大もの釣ったでぇー、ではない、しのびわらいで


クククク風の面白さがあった。


団子を食いに東京を這いずり回って、タクシーの運転手まで巻き込んで



食いまくるが、その感想の薄さたるや、おぬしら、文学をなめてんの



ちゃうのか? というくらいだ。


西ドイツに行き、ひたすらビールを飲んだりの旅や、帝都縦断101


キロ、1520円の旅をカンコーしてみたり、どっかん波をみにいったり、


ナラタケモドキを狩りにいく、ではキノコを採りに行って、キノコ鍋を



タンノーしたりします。


シーナさんのうしろについていったら、おもしろいことが次々おこって


たのしそうである。でも、ボクはヒロシマの街を散歩するくらいでよろ


しいかなあ………………合掌。 
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二度寝とは遠くにありて想うもの    津村記久子

2020-01-12 11:46:06 | 本の紹介
講談社文庫      2015年


シーナさんばかり読んでいて、女のひとも読んでみたいものだ、


と思って読んでみた。


津村さんは小説の方もよく読むし(この作品はエッセイ)、前作


やりたいことは二度寝だけ、もここで書いてみたと思う。


津村さんはよく道を聞かれるというが、ボクもよく道を聞かれる


それも外国人に聞かれる。この前はイスラエルの人に道を聞かれた。


NYに行ったときも、黒人に、なんとかなんとかなんとか、といって


いるのだが、道を聞いているらしかった。おじさんか外人が圧倒的に多い


のだ。


そういうボクだが、友達は昔からいない。いたときもあるが、ごく短期間だ。


大人になってからは友達の存在の意義さえもよくわからなくなってくる。


第一、ものすごくわずらわしいことに気づいてしまうのだ。はじめはそう



じゃなかったよね、という感じで、思っていたのとはずいぶん違って見えて



きたりして。親しくなればなるほどウソ野郎であることが明らかになってく


るので、ほんとに友達なのか? ととほほな気分になってくる。



二度寝をしたいかと聞かれれば、ボクの寝方は特殊で、五度寝くらいしてる




からねえ………………合掌。
    
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長く素晴らしく憂鬱な一日    椎名誠

2020-01-11 15:00:41 | 小説の紹介
角川文庫    1988年


内容とは関係ないのだが、この作品の中で……が三つしかない。


今では六つ点を打つのがよかろう、ということになっている


らしいので、読んでいて気になった。この時代には三つでも


許されたのだろうか。



時代を感じさせるのは、宅急便を隣の家に預ける、というやつだ。



いつからあれやらなくなったんだろう。ご近所づきあい、というのが


消失したひとつのきっかけかもしれない、と思ったり。



それと、この作品にはおうど色というのがよくでてくるのだが、この



作品をあらわしていると思う。でも、ボクは基本的におうど色はなんとも


気色悪くて嫌いである。あと、カ行的笑いというのがあるが、考えてみると


コココココ、というのだけがつかえないのだな、という地味なしょーもない


発見をしてしまった………………合掌。
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さよなら、海の女たち      椎名誠

2020-01-10 14:04:02 | 小説の紹介
集英社     1988年



海にまつわるエピソードをつづる。海の女たち、というの


だから、海に関係している女たちだ。うーん、その女たち


の魅力的なことといったら。


ボクが特に気に入ったのは七面鳥ホテルの水商売のキョーコ


ちゃんとバンドウクミコだ。ボクは昔からクミコって名前に


惹かれるんだよねえ。


バンドウクミコは子持ちのなんだかわけありっぽい感じの女


である。ちょっとだらしのないところも魅力なんだよねえ。



ああ、ボクの人生に欠落しているのは、二十代後半から三十


代半ばの魅力的女性なのだ、とひしひしと感じた。そのために


は、魅力的なステキな男にならないとダメじゃん、で、ステキな


男になるためにはどうしたらいいのだろう? と路傍に佇み虚空を


睨むボクであった………………合掌。
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干支にちなんでネズミ作りする生徒さん募集中!

2020-01-09 12:16:59 | カフェ、ギャラリー



ネズミの大行進。


手作りです。つくりたい方は古民家ギャラリーうしたまで



まずは連絡お願いします。



材料費込み、スペシャリティ・コーヒー付き 1000円。



都合によって、やりたい日にち自由で大丈夫です。



たか先生がだれにでも優しくお教えしますよ。
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