「おいしいおはなし」所収 高峰秀子・編 光文社文庫
「台所のエッセイ集」と副題がついている。この本に収められている
小品によって、これからは、書いていきたい。
冒頭に高峰女史による、はじめに、と題されたはなしがある。
結婚するまで、なにも(料理の)勉強してこなかったらしい。高峰
女史の本は大抵、読んでしまっている。今回は、編集されているらしい。
はじめは、向田邦子さんの短編か。なかなかのセンスのいいところを
ついてくる。若布の油炒めの描写は名人芸である。長袖を着るんですよ、
とどや顔で、ちょっと言っているところが目に浮かぶよう。ここで
問題になってくるのが、死ぬ前に、なにを食べるのか問題だ。ぼくは
すごくうまいカレーライスか、お茶漬けがいいなあ、ということに
相成った。いや、日本蕎麦もいいなあ、と向田女史のようになかなか
決まらない。けど、マズいものは食べたくはない、ということだけ
は確かなようだ。
(読了日 2022年11・22 19:16)