古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

白い罌粟(けし)   立原正秋

2015-12-29 13:29:51 | 小説の紹介
串田と言う不思議な目をした男に魅入られ、寺石は




保証人になり、串田は次々にお金を借りていく。




法廷内での串田に耐えられなくなり、訣別……




そして、にっちもさっちも寺石はいかなくなる。




教師の仕事もできなくなり……そして、串田を




憎むこともできない……そして、夏の日、頭痛を



持って、寺石は罌粟の花ー咲いているはずのない花ー



を見る。そうだ、寺石は狂ってしまったのだ……。
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調整班   P・K・ディック

2015-12-26 15:03:34 | 小説の紹介
Adjustment team. 1954.浅倉久志・訳(「悪夢機械」所収)



世界が砂のように崩壊するのを体験したエド・フレッチャー。




それは、世界を機能させるための調整だった。その後の世界は




微妙に違っていたのだ。それを司る調整班に、説明され、口外



しないとフレッチャーは誓う。社長の開発話しでそれにのらない



と、世界は一つの方向に向いて行かないのだ。



そして、妻にはそのことを話してしまったのだが……いったいど




うなりますことやら、というようなお話しです。


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グッド・バイ  太宰治

2015-12-24 12:55:00 | 小説の紹介
1945年~1948年   新潮文庫。


(薄明、苦悩の年鑑、十五年間、メリイクリスマス、眉山、女類、



グッド・バイ 他)



太宰の後期の作品16編が収められている。晩年よりもさらに鋭利に、



シャ-プになっている。それだけ、歳をとったということだが、感


性は衰えてはいない。戦争が終わり、焼け出され、疎開する様子が



描かれていいたり(薄明、たずねびと)することが多く、その戦後の




混乱のさまが良くわかる。思想的にも、底辺には死というものがあり



ながら、更に、ブルジョワ、民主主義、女などへの懐疑とともに、自



己否定を絡めて、それによってさらに昇華されようとする、意志が感じ



られる。最後のグッド・バイで、太宰はこの世とさよならした。
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正月飾り作り!

2015-12-23 11:40:20 | カフェ、ギャラリー
藁を用意して、一本一本丁寧に仕分けして、編み込みます。



松は見立山でとりましたが、今年最後でしょう、全部枯れ



ていました。ウラジロはありました。藁も今年で最後かも



しれないということなので、もう来年は作れないかもしれ



ませんね。



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亻愈盗(ちょうとう)   芥川龍之介

2015-12-23 09:47:55 | 小説の紹介
1917年 大正六年 25歳の時の作品。



今まで読んだ中では羅生門に次いで好きな作品。やっぱり、全体が




引き締まっていて、肉の匂いと血の匂い、息遣い、嘆きや怖れ、無



頼漢の非情さが克明に描かれている。この世界観はどこから生まれい




出るのだろう。その死体が放置され、目を動かすところなんかゾクッ



としてしまう。蛆の湧くようなその爛れた世界。暴力の描き方、学ぶ



ところはたくさんあり、流石としか言いようがない。
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ジェリー・ビーン  S・フィッツジェラルド 村上春樹訳

2015-12-22 16:02:06 | 小説の紹介
ジェリー・ビーン(のらくら)と呼ばれる青年ジム。ナンシー



に恋心を抱いているがパーティーでのガムが鞜にくっついたの



をクルマのガソリンを抜いたのを使って取ってやっただけ。そ



して、ナンシーはカミソリ会社の息子と結婚してしまう。



フィッツジェラルドの解き放たれた、しかし、精緻な筆致




そこには正確な抑制と伸びやかな文体がある。二十歳ちょっとで



書いたとは思えない完成度の高い、早熟さを垣間見せる作品だ




と思う。


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年末・年始のお休みのお知らせ!

2015-12-22 10:26:36 | カフェ、ギャラリー
今年も大変たくさんの方々にお世話になりました。



ご愛顧ありがとうございます。




年末年始のお休みですが12・28(月)から1・4(月)





までとさせていただきます。




27日(㈰)まで通常通り営業いたしますのでよろしく




お願いいたします(^^)/。
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想起装置    P・K・ディック  友枝康子訳

2015-12-20 09:47:22 | 小説の紹介
精神分析医ハンフリーズと患者ポール・シャープ。




シャープは高所恐怖症で、その原因を探りに分析



を依頼する。荒廃する世界を再建する仕事をシャ




ープはしている。想起装置によると、それは過去




に起因するものではなく、未来から来るらしいこ




とが分かる。誰かに高いところで殺されるらしい




というのだが……。
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訪問者   P・K・ディック

2015-12-18 13:10:31 | 小説の紹介
Planet for transients(1953).

核兵器で破壊されて300年経った地球。そこで唯一



と思われる人間が部品を求めて人間を探す旅に出る。



そこにはアリ人間や、放射線でミュータントになっ



た生物がいっぱい生きている。人間は人間と会うが




それは、ほかの惑星から来た訪問者だった。そして、



……。地球はミュータントの世界になってしまった




のか……?




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マルタの鷹     ダシール・ハメット 小鷹信光訳

2015-12-18 12:57:49 | 小説の紹介
The Matese falcon。



探偵サム・スペードの元にワンダリーと名乗る若い女が、妹の




駆け落ち相手ザーズビーを尾行して、妹の居所を突き止めてほ



しいと依頼してくる。しかし、尾行したサムの相棒、マイルズ・



アーチャーは殺されサーズビーも殺される。この殺しに関連して



鷹の置物が現れる。これは騎士団の作った宝物で破格の値打ち



があるらしい。そこにGというガットマン、鷹を取り戻せば、二



万ドル渡すと取引を持ち掛けてくる。カイロもそれに加わり、オ



ショーネシー(ワンダリー)との間でサムは立ち回るが……。



悪女の暗躍する、サムスペードの行動はすべて正しかったのだ、



と感じさせる傑作と謳われる一作!。
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