古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

あやしい探検隊 北へ    椎名誠

2020-03-27 12:00:10 | 本の紹介
角川文庫    84年

この「北へ」はシーナさんの隠れた名著であると読んで

確信した。

なんとしても南の島へと心と体で浮気し、ウスラ沢田さん

なんかが困ってしまうっていうところがなんともよかった。

そうだよ、シーナさんは演歌じゃなきゃダメなんだよ。

おもしろいエピソードに満ちているし、文学好きは近づい

ちゃいかんというが、ボクからしたら、これは文学以外の

なにものでもないですよ。

ドレイっていう制度も、なんかいいんだよねえ。イヤな仕事

はドレイに押しつけちゃえ、っていう子供じみたところ。そう

いえば、どこかしら厨二病的なニオイをシーナさんから感じ

るのはボクだけだろうか。大人になりかけの、あやうい人たち。

それこそ、あやしい探検隊である.......合掌。

                   (鶴岡 卓哉)






















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詩・種(ジミとホールと僕)    鶴岡卓哉

2020-03-26 10:56:19 | 詩・ポエム
傾斜するロッカーの鍵をこじ開けたのはジミ

出来損ないの日干し煉瓦を積み重ねて家を作ったホール

猛烈に暑い砂漠で死んだ蛙はジミ

腐臭を放つパイナップルを囓って吐き出したのはホール

そして、僕はというといつになくヘンな恰好をして踊るオレンジの種なのさ
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世界のヘンな肉     白石あづさ

2020-03-24 08:55:45 | 本の紹介
新潮文庫   2016年

世界のヘンな肉という切り口からの世界放浪エッセイ

である。

うーん、文章もうまいし、ナイ×インティラ×ミなんかより

ぜんぜんうまいぞ。あの人はもう六年くらい文章修行

した方がいいと思うぞ。

っていうこの本は、キリン、ラクダ、ビーバー、トナカイ、

バッファロー、羊の脳みそ.....世界っていうのはこうい

うことなんだな、いえいえ、ボクはいいです、豚、牛、鶏、

で充分です。それ以上は何も要りませんと、断言しちゃ

います。

けど、あのキリンまで......うへっ......凄い女もいたもんだ。

でも、この本を絶賛している丸山ゴンザレスって誰? ボ

クが知らないだけかしらん?......うーん、世界は広いなあ

......合掌。
































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ぶっかけめしの午後      椎名誠

2020-03-20 11:59:43 | 本の紹介
文春文庫   2001年

やたらご自分のことを空気頭だとかおっしゃるが、

それを読んで喜んでおるわしは真空頭ですな。

まあ、宇宙ってやつですよ、とはいってみるものの

19年前の本を持ち出して、それについて書いておる

わしって大丈夫なんだろうか、と一抹の不安がよぎるが

、いいんである。超絶にシーナさんを支持しちゃってる

んである。

ああ、わしも少なくとも日本を旅する日は来るんだろうか、

ぜーーんぜん、昔見た歳相応の大人になれていない自分に

辟易してくるのであるが。

AV世代のわしにとって「ぶっかけ」といったら、やっぱりアレを

ぶっかけるのをイメージしてしまうのですが、フラチすぎでしょ

うね、やっぱり、チーン......合掌。




































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まだふみもみず      檀ふみ

2020-03-16 16:53:46 | 本の紹介
幻冬舎文庫  平成15年

ご自分をチガイのわからない女とおっしゃるが、頭が

いいのは文章を読めばおのずとわかる。

牡蠣の腐ったのをたべても、カニシチューの腐ったのを

たべても、腹を下さない女。うーん、またくすごい女だね。

さすが、檀師匠の娘だ。

檀一雄さんが病床で、「願わくは 花の下にて春死なむ 

そのきさらぎの望月のころ」はすごくキレイで、ボクもギャ

クジョーして暗誦してしまった。こんな美しい句が頭でこ

だましている人になりたい。

子分の使い方もわかる、いとおかしな本であった......合掌。

                 (鶴岡  卓哉)























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ある偽作家の生涯     井上靖

2020-03-13 23:46:51 | 小説の紹介
新潮文庫   昭和31年

「ある偽作家の生涯」と「澄賢房覚え書」だけおもしろく読ませ

ていただいた。

「ある偽作家~」は原芳泉という桂岳の偽作をつくって売り飛ば

していた桂岳の友人のことを井上氏が興味を持ち、フィールド

ワークでもってしらべてその人物像を浮かび上がらせていく、

じつにキョーミ津々的な話しだった。

「澄賢房~」はある古本屋で見つけた古本に「般若理趣経俗詮」

というのを書いたという澄賢という人物について書かれた短編

である。

古いだけあって漢字がめっちゃ多いので、今風な本しか読んで

いない人にはきついかもしれない。読みづらくて。ボクもこの二篇

以外はよう読めへんかった。

けど、この二篇だけで充分満足できた。いただいた本ですしね。

あっ、そうなの? って、そーなの、もらった本なのよねえ......合掌。




















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いまこの人が好きだ!      椎名誠

2020-03-11 17:26:16 | 本の紹介
新潮文庫    81年~82年

もうこの本に出ている人の全部が引退か死んでいるだろう、で

もいいのだ。

ボクは思うんだけど、生きたことで、今現在のボクらに何らかの

影響を与え、いま、ボクが生きていることで、過去に生きた人たち

にさえ影響を与えているのかもしれん、ということだ。

ボクらは名にも考えないでは生きられない。しかし、根本の部分

ではなーんにも考えていないとも言える。でも、考えていようと

考えていまいと、誰かにどこかで影響を与えているのだ。

四十代の人にとってドラえもんと言えば大山のぶ代だ。あの

どこからだしとんねん、という声がなんともドラえもんのふしぎ

さを演出していた。

インタビューに逃げないで、文章で勝負しているというのも、

この本の拍手パチパチな部分だ。

山下洋輔さんのシーナ化した解説を読んで、そーだ、そーなのだ、

とはげしくうなづいたのだった......合掌。


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むはの断面図     椎名誠

2020-03-10 14:37:52 | 本の紹介
角川文庫   1986年

「むははは日記」の続編。沢野ひとし氏の意味不明なブキミ的なマンガイラスト

がおかしい、おかしい、と言う言い方はヘンか? なら、おもしろい、ですね。

映画の評論あり。これで、二億三百六十回目に読むことになるシベリア旅行の

はなしもある。二億なんたらというのはもちろんウソね、けど、ふしぎと飽きない

のね。うふうふと薄ら笑いさえ浮かべちゃうんですね。

全体的に日記的記述が多いですね。ボクも日記を文学に昇華させてゆくべく

頑張ってみたんですが、それはどうなるんですかねえ、わかりまへん。

運が良ければ、読んでいただける日も来るかも、ですが、どうですかねえ

......合掌。













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敦煌    井上靖

2020-03-08 13:49:01 | 小説の紹介
新潮文庫   昭和40年

この文庫の初版でたのが55年前くらいである。読み継がれている文学の

面白さ、強さ、を読んでいて感じた。

趙行徳という男の目を通しての中国の戦争の歴史の一端が垣間見えて

くる。

そのストーリーの奇抜さは群を抜いている。初めの5ページを我慢して

読めば、あとはその作品の面白さに身を委ねれば良いのだ。

それにしても1000年ころの中国人というものは、戦いに明け暮れている。

そんなに殺し合いが好きなのだろうか。人が多いので、殺し合って、人を

減らしているのだろうか、とさえ思えてくる。

それにしても、趙行徳という男は不死身とも言える強運の持ち主として

描かれるが、なんとも魅力に溢れた男たちで物語は語られてゆく。

ボクがこの時代に生まれていたら、カップラーメンを待っている間に

殺されていただろうな。あっ、カップラーメンないか?......合掌。




























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むははは日記     椎名誠

2020-03-07 20:00:20 | 本の紹介
角川文庫   1984年

36年も前のものを読んで果たしてボクの感性は古くならないのだろうか。

うらしま太郎的老いというものになりはしないか、とふと思うのであるが、

ぜーんぜんこの本は古くないのである、と言い切ってしまおう、ホントか?

雑誌評も、2年にわたってされているが、懐かしいものばかりだ。FOCUS

とか太陽とか。

ボクは古いものが好きという一面も作用しているのか、とも思うのだが。

古いもの、こと、というものに凄く惹かれる、かといって歴史物までいっち

ゃうと興味は失われていく。

たぶん、人間がアナログにできているのだろう。YOUーTUBEでblackpink

のPVを見つつ、たまに、じぶんに違和感というか、いいのか? これで? 

的に思ってしまう自分がいる。

ボクらもいつか歳をとり、人生を振り返るだろうときに、少しはむははは的な

笑いができるように人生を歩んでいきたいものである......合掌。

                 (鶴岡卓哉)            




















































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