歴歩

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韓国統一新羅時代「昌寧火旺山城蓮池出土人形木簡」は病気治癒目的説

2010年01月04日 | Weblog
 金昌錫・江原大歴史教育学教授は、慶南昌寧郡火旺山城(화왕산성)の池から出土した人形木簡(사람형상 목간)は祈雨祭(기우제)でなく患者の治癒を祈る祭祀のために作ったという論文を作成した。
 2002~2005年に火旺山城池から出土した木簡7点のうち、片面に「龍王」の字があり、反対面には女性を描いて6ヶ所に小さい刃物で突き刺した木簡長さ49.1㎝、幅10.6㎝が発見された。「龍王」の文字と貯水池に投げたという点などから祈雨祭と関連したと解釈された。
 しかし論文では、龍王は水と関連するが、龍の権威はそれにだけに限定されず、病気をはね除ける役割に注目した。
 新羅時代の「処容説話」で、疫神をはね除ける能力を整えた処容が龍神の子供と設定されていることをあげて、当時は龍が病気治癒の権能を持った神秘な存在として認識されており、人々は伝染病を予防するために、龍の現身だと信じる処容の形を門に貼り付けたという。
 木簡の文字は「□古□仗□剖六用廿九歳真族龍王開祭」と判読した。
 木簡は予め作っておき、祭祀過程で木簡に刃物を刺す行為を行い、龍王に患者を引き渡すという意味で、池に木簡を投げ入れた可能性が大きいとした。
 金教授は15日ソウル市立大で開かれる韓国木簡学会定期発表会で発表する予定。
[参考:2010.1.2聨合ニュース]

過去のニュース
 2009.8.15 韓国統一新羅時代「昌寧火旺山城蓮池出土木簡」から、祈雨祭祭物木簡を確認
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