歴歩

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佐久市・西近津遺跡群 「美濃国」刻印の須恵器が出土

2010年01月21日 | Weblog
 長野県埋蔵文化財センターは19日、佐久市長土呂の西近津遺跡群の出土物のうち、奈良時代8世紀前葉(1300年前)の須恵器から「美濃国」と刻印されていたとみられる破片が見つかったと発表した。
 「美濃国」の刻印土器の出土例は6府県の計55地点(今回を含む、県内8例目)だが、今回の須恵器の生産窯とされる佐久市から約170km離れた老洞(おいぼら)古窯跡(こようせき)(岐阜市)から最も北東に位置する。県内では松本や飯田、岡谷の各市から出土しているが、古代の道「東山道」を通じて流通したとみられる。
 今回の刻印片は、中部横断道の建設工事予定地(畑)から2006年6月に見つかった土器片(縦5・6cm、横7cm、厚さ1cm)。上部に「濃」の文字と「美」の下端、その左上に「国」が読み取れる。口径14~15cmの茶碗のような食器の底の一部とみられる。
 美濃国と刻印された須恵器は8世紀初めに作られ、大和朝廷に貢いだり、美濃国が管轄する機関や寺院に配ったりしたことが、これまでの研究で分かっている。
 西近津遺跡群からは、佐久郡衙が近くにあった可能性を示す「郡」と刻書された須恵器もみつかっている。
 この須恵器は23日~2月7日、北佐久郡御代田町の浅間縄文ミュージアムで展示される。
[参考:信濃毎日新聞、朝日新聞]

2010.2.20
 3月13日~5月9日に開催される「長野県の遺跡発掘2010」(県立歴史館:千曲市屋代)で、で展示される。[長野県考古学会HP]

過去のニュース・情報
 佐久市 西近津遺跡群 現地見学会 2008.9.7
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