歴歩

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京畿烏山 16世紀中頃朝鮮時代前期の服飾が完璧な、正6品官吏一族夫人のミイラを発掘

2010年05月14日 | Weblog
 西京文化財研究院(華城市)は13日、京畿烏山(경기 오산)の調査でミイラが安置された灰槨墓(회곽묘)を発掘したと発表した。灰槨墓は木棺を覆う木槨をセメントに似た石灰をこねて作った墓。墓構造と服飾などから壬辰倭乱(임진왜란、文禄・慶長の役のこと、1592-98)以前の朝鮮時代前期16世紀中頃の女性とミイラとみられる。
 雲亞翣(운아삽、棺に描かれた花模様)をはじめとして士大夫(官吏)の葬儀習俗がわかる葬送遺物がほとんど完全な状態で出土した。
 灰槨墓の中の木棺蓋の上には「宜人驪興李氏之柩」という文字を書いた銘旌(명정、銘旗)が確認された。宜人という称号を受けた驪興(れいこう)李氏一族女性の死体を安置した棺という意味で、宜人という称号は、正6品の官職品階である。
 木棺内外では白瓷有蓋壺、雲亞翣、木櫛、銘旌、後簪(뒤꽂이)等遺物約10点が出土している。
 ミイラは各種殮襲衣(殯用重ね着)26点に包まれ、身長は朝鮮時代成人女性平均の154㎝程度であった。腋注音袍(액주음포、腋の部分にひだを付けて作った上着)の衣服など、また完全なヘアースタイルを整えた状態は、壬乱(壬辰倭乱)以前の朝鮮時代前期の女性の服飾や頭形状を研究するのに多いに役立つとしている。
[参考:聨合ニュース]



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