歴歩

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高松市・船岡山古墳 四国最古級の円筒埴輪が出土

2012年03月17日 | Weblog
 高松市教委は、徳島文理大学と共同で発掘調査を続けている同市香川町の「船岡山古墳」(全長45mの前方後円墳)で、四国最古級のものとみられる円筒埴輪が大量に見つかり、前方後円墳の形状などから、古墳時代前期の3世紀後半のものあると発表した。
■ 前方後円墳は全長44mで、前方部が3世紀後半の特徴である三味線のばち状に開いた形をしている。
■ 東側に比べ、西側が石を列状に並べて裾を区画する精巧な造りで、集落があった西側からの眺望を意識していたとみられる。 構造は平らに削った土地に盛り土をした後、石を積み上げ、その上にさらに盛り土をしており、讃岐地方で主流の「積石塚」と、畿内などで一般的な盛土だけの古墳とを併せた様式の可能性がある。
■ 円筒埴輪は高さ60cm以上、直径30cmほどと推定され、透かし穴の形は三角形や巴形で、突起で区切った段ごとに4つ以上並ぶ。 透かし穴が円形で1段に二つ並ぶ4世紀のタイプと異なる。
■ 同時期の石清尾山古墳群(同市峰山町など)とは古墳の特徴が異なることから、高松平野には有力者の勢力が二つ以上あったと考えられる。
 現地説明会は20日(火祝)午前10時~正午に開かれる。 雨天の場合、24日に延期。
[参考:2012.3.15 NHKニュース、2012.3.17毎日新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2009.9.26 高松市・船岡山古墳 全長45mの前方後円墳ともう一基からなる古墳群と判明
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赤穂市・有年牟礼・山田遺跡 兵庫県内最大級の方形周溝墓が出土

2012年03月17日 | Weblog
 赤穂市教委は16日、同市有年牟礼(うねむれ)の「有年牟礼・山田遺跡」で、弥生時代後期末~古墳時代初頭(2世紀後半~3世紀前半)の方形周溝墓2基が見つかったと発表した。 弥生中期以降の方形周溝墓は岡山県内ではほとんど見つかっておらず、また、同遺跡から西約1・1kmの有年原・田中遺跡では23年前に、弥生時代後期(2世紀頃)の円形状の大型墳丘墓が見つかっており、近畿で盛んに築かれた方形周溝墓と中四国でみられる円形状墳丘墓が近くに位置するのは、この地域が文化交流あるいはせめぎ合いの拠点であったのではないかとしている。 さらに、田中遺跡で見つかった円形状の墳丘墓は前方後円墳のルーツとも考えられ、方形周溝墓よりも以前に造られていることから、有年周辺の墓制が、弥生時代後期末以降は近畿の様式に変わっていった可能性があると考えている。
 今回発見された方形周溝墓2基のうち規模の大きい1基(19・5m×15・4m)は、県内では洲本市の寺中遺跡(じちゅういせき、長辺20・9m)の方形周溝墓に次ぐ大きさという。 周溝は幅2~2・6m、深さは20~50cmで、中からは盛り土を補強していたとみられる人頭大の石が多数出土した。下層からは新たに、墓と同時代の甕などの土器片4点が見つかった。
 また、86~88年の発掘調査で同遺跡から見つかった土器を復元したところ、3点の内2点は讃岐、河内(生駒西麓)産の壺だったことも新たに判明した。
 現地説明会は20日(火祝)午後1時半から開かれる。
[参考:赤穂民報、神戸新聞、読売新聞]
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