長野県埋蔵文化財センターは17日、佐久市長土呂、塚原の「周防畑(すぼうばた)遺跡群」と、長野市桐原の「浅川扇状地遺跡群」の奈良時代の両遺跡から、8世紀後半に作られ、当時の役人が使っていたとみられる硯(すずり)がそれぞれ1点出土したと発表した。遺跡所在地の近くに役所が置かれ、地域の中心地だったことを示す貴重な資料としている。
2006年7月に「佐久市周防畑遺跡群」から発見された硯は長さ11cm、幅7cm、高さ3・9cmの須恵器の破片で、底の部分に獅子をかたどった脚が1本付いていた。復元すると長さ17・5cm、幅17cm、高さ3・9cmの「獣脚風字硯(じゅうきゃくふうじけん)」と呼ばれる硯になるという。
獣脚の付いた硯は7世紀までに見られるが、8世紀以降には出土していない。また、国内では8世紀後半~9世紀前半には硯の形が「風」の字に似ている「風字硯」が一般的。 硯は窯に入れる際、上にすると灰などの釉薬がかかるため、表面を下に向けて焼くのが一般的。今回の硯は表面に釉薬がかかっており、当時の佐久郡の役人が地元の窯に発注し、試行錯誤して作ったのではないかと推測している。
一方、長野市桐原の「浅川扇状地遺跡群」の竪穴住居から昨年4月に出土した硯は、直径約16cmの円形で筆を立てるための穴が空いている。
出土品は、5月13日まで県立歴史館(千曲市屋代)で開かれる企画展「長野県の遺跡発掘2012」(中日新聞社後援)で展示している。
[参考:信濃毎日新聞、中日新聞、読売新聞、毎日新聞]
過去の関連ニュース・情報
2010.1.21 佐久市・西近津遺跡群 「美濃国」刻印の須恵器が出土
2008.8.12 佐久市 西近津遺跡群 現地見学会 9/7
2006年7月に「佐久市周防畑遺跡群」から発見された硯は長さ11cm、幅7cm、高さ3・9cmの須恵器の破片で、底の部分に獅子をかたどった脚が1本付いていた。復元すると長さ17・5cm、幅17cm、高さ3・9cmの「獣脚風字硯(じゅうきゃくふうじけん)」と呼ばれる硯になるという。
獣脚の付いた硯は7世紀までに見られるが、8世紀以降には出土していない。また、国内では8世紀後半~9世紀前半には硯の形が「風」の字に似ている「風字硯」が一般的。 硯は窯に入れる際、上にすると灰などの釉薬がかかるため、表面を下に向けて焼くのが一般的。今回の硯は表面に釉薬がかかっており、当時の佐久郡の役人が地元の窯に発注し、試行錯誤して作ったのではないかと推測している。
一方、長野市桐原の「浅川扇状地遺跡群」の竪穴住居から昨年4月に出土した硯は、直径約16cmの円形で筆を立てるための穴が空いている。
出土品は、5月13日まで県立歴史館(千曲市屋代)で開かれる企画展「長野県の遺跡発掘2012」(中日新聞社後援)で展示している。
[参考:信濃毎日新聞、中日新聞、読売新聞、毎日新聞]
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