PCが現在のように職場に入り始めたころ、「ペーパーレス社会の到来」などともてはやされたものだが、最近この言葉は聞かない。
電子黒板にしても、タブレットにしても、教材として用いるものを完全にPC上だけで作成できる先生は、僕はいまだに会ったことがない。どこかで原稿を紙ベースで作成し、それを電子データ(ワープロ、スプレッドシート、プレゼン資料)化する。このルーティーンから、完全にのがれることができている先生はいないのではないか。
生徒に様々な教材を配る、小テストを含めテストを実施する。校長名での文書、クラス担任として保護者あての文書は現在でも印刷物である。メールの一斉配信サービスができても、結局は紙の通知も作らなくてはならない。
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授業のハンドアウト。1人クラス40人として、何枚印刷するだろう。
これだけ印刷機の性能が向上しても、最初の1枚はきれいに印刷できない。試し刷り不要の印刷機はまだ僕たちの現場にはない。どうしても1、2枚は試し刷りになる。これは生徒に配ることはできない。冬期はインクののりがどうしてもよくなく、さらに試し刷りロスが出る。大体どこの学校でもそうだが、これらの試し刷りが、次の試し刷りのために印刷室に保管されている。
きちんと印刷できたものを、40人クラスに配布するとして、大体何枚印刷するか。僕の場合は5%プラスで42枚である。印刷中は気がつかなくても、しわが寄ることもあるし、印刷がはっきりしない場合もある。40人で40枚というのはプロの仕事とは言えない。当然なくす生徒もいる。「なくしたお前が悪い」で済めばいいのだが、そうはいかない。予備も必要なのだ。
現在授業をしているレッスンで、一体何通り印刷物が出ているか、数えてみた。(カッコは予備の枚数)
予習ハンドアウト
教科書本文は4パートに分かれている。パートごとに予習ハンドアウトがある。これは片面印刷である。書き込み可能な学習プリントで、生徒はノートに切り貼りをしていることもあるので、両面印刷にはしていない。
・・・(B4)4種類(2枚*4で8枚)
各パートごとの復習問題
教科書各パートの練習問題に加えて、生徒に配布するもの。
・・・(B5)4種類(2枚*4で8枚。B4で4枚分)
週3回実施の単語テスト
・・・(B5)1種類(2枚*3で6枚。B4で3枚分)
これだけでも、B4で8枚、B5で14枚(B4ならば7枚)である。これが1クラス分なので、かける担当クラス数が、どうしてもロス候補になる。
仮に担当クラス数が3として、僕たちは120枚+α(40×3と予備数枚)のプリントを持ち歩くことはまずない。クラスごとに分けて準備をする。どうしても5%をなかなか減らせない。
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なかなかどうして難しい問題である。