12月1日、いつものように文部科学省のウェブサイトを見ると、ひとつ気になる報道発表を見つけた。平成27年11月30日付の以下のものである。
東日本大震災により被災した幼児児童生徒の学校における受入れ状況について(平成27年5月1日現在)
東日本大震災の影響により、震災前の居住地とは別の学校で受け入れた幼児児童生徒数について各国立大学附属学校、各都道府県・指定都市教育委員会及び各私立学校を対象として調査したものです。
平成27年5月1日現在の資料なので、学校基本調査のデータだと思う。
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過去複数回、震災関連死のことをブログで取り上げている。学校の先生なのに、この情報には疎かった。資料を読んでみた。
表①
震災の影響により、震災前の居住地とは別の学校で受け入れた幼児児童生徒数である。
今年の5月1日付で19522人(同一県内での受入れ数を含む)である。
表① | '11/5/1 | '11/9/1 | '12/5/1 | '13/5/1 | '14/5/1 | '15/5/1 |
岩手県 | 969 | 1126 | 1147 | 1236 | 1367 | 1127 |
宮城県 | 3980 | 4598 | 4313 | 4094 | 3723 | 3274 |
福島県 | 15471 | 18368 | 18347 | 16850 | 15281 | 13906 |
3県計 | 20420 | 24092 | 23807 | 22180 | 20371 | 18307 |
合計 | 21769 | 25751 | 25516 | 23693 | 21775 | 19522 |
震災直後よりも、2011年の9月の方が多い。全体では徐々に減少しているが、まだ19522人である。
岩手県は4年前よりも増加している。宮城県/福島県は減少しているが、そもそもの数が多い。
上記19522人の中で、被災3県の合計は18307人(岩手1,127人、宮城3,274人、福島13,906人)である。当然だが突出している。特に福島県が顕著である。
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表②
被災3県の幼児児童生徒で、他の都道府県の学校において受け入れた数である。
今年の5月1日付で10271人である。
表② | '11/5/1 | '11/9/1 | '12/5/1 | '13/5/1 | '14/5/1 | '15/5/1 |
岩手県 県外へ |
237 | 313 | 360 | 343 | 285 | 284 |
宮城県 県外へ |
1494 | 1702 | 1587 | 1474 | 1400 | 1258 |
福島県 県外へ |
9998 | 11918 | 12316 | 10986 | 9767 | 8729 |
合計 | 11729 | 13933 | 14263 | 12803 | 11452 | 10271 |
被災3県の各県から、それ以外の都道府県への転園転校した幼児児童生徒数。
他の都道府県が受けいれたのは、岩手から284人、宮城から1258人、福島から8729人である。合計10271人が県外に移ることを余儀なくされたことになる。
[注]被災3県間(岩手~宮城のような転園転校)を含む。
岩手は宮城から131人、福島から100人、宮城は岩手から30人、福島から874人、福島は岩手から1人、宮城から7人受け入れている。
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表③
被災3県で各県内で転園転校した幼児児童生徒の数である。
今年の5月1日付で8036人である。
表③ | '11/5/1 | '11/9/1 | '12/5/1 | '13/5/1 | '14/5/1 | '15/5/1 |
岩手県 | 732 | 813 | 787 | 893 | 1082 | 843 |
宮城県 | 2486 | 2896 | 2726 | 2620 | 2323 | 2016 |
福島県 | 5473 | 6450 | 6031 | 5864 | 5514 | 5177 |
合計 | 8691 | 10159 | 9544 | 9377 | 8919 | 8036 |
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中長期的に見ると、被災3県の若年人口の震災による減少が深刻なことがはっきりしていると思う。
どうすればいいのだろう。
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震災発生から4年9ヵ月経過である。以下は、警察庁緊急災害警備本部による『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の被害状況と警察措置』(12月10日更新、閲覧可)のデータによる。
〇亡くなった方
15893人(H.27/10/9付の人数と変化なし。)
〇行方不明の方
2565人(H.27/10/9付の人数から2人減。)
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来年3月には震災発生から丸5年になる。
今月も募金は継続。