〈備忘録〉
再掲
選挙前予測では、単独過半数は危ぶまれていた保守党・自民党連立政権。保守党が庶民院(以下「下院」)650議席中331議席を獲得した。自民党は8議席と激減。連立政権がどうなるかはわからないが、保守党が政権を引き続き維持することは間違いない。
これは、今回のイギリス総選挙のことではない。2015年の選挙結果についてである。
あの時は予想を覆し、保守党が躍進、連立政権の自民党は壊滅的に激減した。イギリス国民は「保守党」、「労働党」、「スコットランド国民党」の3つの政党を選択した。
その後Brexitがあり、キャメロン首相が退陣。テリーザ・メイ新首相の元でイギリスはEUからの離脱をすすめることになる。
EUとの外交交渉を力強く進めることを目指し、さらなる政権基盤の盤石化をもとめて、メイ首相は任期を3年近く残す庶民院を解散、総選挙を実施した。事前予想は保守党有利。以下選挙結果である。
政党別増減はこうなった。
政党 | 議席 | 増減 |
Conservative | 318 | -13 |
Labour | 262 | +30 |
Scottish National Party | 35 | -21 |
Liberal Democrat | 12 | +4 |
Democratic Unionist Party | 10 | +2 |
Sinn Fein | 7 | +3 |
Plaid Cymru | 4 | +1 |
Green Party | 1 | ±0 |
Others | 1 | --- |
保守党(Conservative)は過半数割れ。労働党(Labours)が30も議席を増やした。これじゃ、何のために選挙をしたかわからない。
前回大躍進(6→56)したスコットランド国民党(Scottish National Party)も、21減。
BBCのウェブサイトで、メイ首相のインタビューを見たが、”obviously wanted a different result”とのこと。当たり前だ。かつて連立を組んでいた自由民主党からは、政権を維持することを”ashamed”とも言われている。
保守党(政権)は、北アイルランドの保守系地域政党で議席数10の民主統一党と連立を組み、政権を維持することになるようだ。
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BBCの記事を読むと、a wafer-thin majority(ウエハースのような過半数)という表現を見つけた。僅差の表現である。
・・・おもしろい。
今後イギリスの政治がどうなるかわからない。でも、前途多難は、間違いない。