ひょうひょうとした性格に見えながら、過去の事故のトラウマを抱えている高校2年生の塔野カオル。ある日彼は、中に入ると欲しいものが手に入るという「ウラシマトンネル」の存在を知る。一方、東京からの転校生でクラスで浮いている花城あんずは、ある出来事をきっかけに、カオルと共にウラシマトンネルを探索する約束を交わす。 |
これくらい予備知識なしで見ることもめずらしい。主人公花城あんずのCVを飯豊まりえさんがつとめている。これがきっかけである。
ものがたりとしてのお約束
これは、原作を知らないと、置いてきぼりにされる。「ウラシマトンネル」という名称、存在である。ものがたりのかなり早い部分、カオルが「これがウラシマトンネルか」とわかってしまう。存在も現象も理解している。観客の僕はわからない。ここはちょっとつらかった。
カオルは事故で妹を亡くしている。妹が亡くなったことにより、両親は離婚。父親と二人暮らしになる。父親は酒浸りになる。転校生のあんずは自分にないものを手に入れようと考えている。彼女もカオルとは違う重い過去に苛まれている。
カオルとあんずはウラシマトンネルの探索に入る。二人がそれぞれ欲しいものとは何か。それは手に入るのかを縦軸(?)に、カオルとあんずの関係の変化を横軸(?)にものがたりは進む。
SFとしての詰めは
ウラシマトンネル滞在時間とトンネル外の時間の流れが違うこと。’05年にものがたり世界が設定され、(以下ネタバレ)最初は17歳の二人が、ラストでは17歳と30歳の差になっている。
カオルは長期行方不明により、死亡宣告されていてもおかしくない。あんずは漫画家として成功を手にしている。その二人がトンネルの中で再会し、お互いの気持ちを確かめ合い、現実社会で生きることになる。そうとう「力わざ」のエンディングである。
青春ラブストーリーなのかな。
再会したときに、あんずは30歳の女性として、17歳のままのカオルをどう見れるのか。17歳のカオルは30歳のあんずをどう見れるのか。心も体も過ごした時間も違う二人の運命は...
原作、読んでみようかな。
絵の印象
なんだか、作画も制作会社も別なのに、「打ち上げ花火、上から見るか? 横から見るか?」の印象とかぶった。不思議な感じだ。
背景は...
もはや「きれいに、細密に」は日本アニメの潮流なのだろう。
何となくだけど
これ、実写でTVシリーズ向けでは?