先週、卒業式があった。 現在勤務する学校で、僕は放送部の顧問を仰せつかっている。卒業式放送業務は、いくつかある学校行事中、最重要業務のひとつだ。 |
当日の担当(2年生、1年生)にリハーサルであることを問いかけた。
『今回のお仕事の最重要事項は何だ。
『・・・
『卒業式の放送部の仕事で、何を一番に考える。
『・・・(いろいろ話し合い)・・・
僕の言いたいことをきちんと言ってくれたのは2年生である。
『担任の先生方が自分のクラスの生徒の名前を呼ぶ時、ちゃんとマイクが生きていること。
『その通り。
当たり前だと思うだろうか。そんなことと思うだろうか。
・・・違うのだ。
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卒業式のハイライトは何か。それは卒業証書授与である。でも、卒業生全員に手渡しで卒業証書を授与している学校は少ない。通例クラス代表に授与である。
卒業式に出席しているほとんどの保護者は、自分の子どもが卒業証書を校長先生から直接授与されるのを見ることはない。だから、担任の(卒業証書授与の)呼名は大事なのである。自分の子どもが名前を呼ばれる。高校3年間を終え、卒業の日を迎える。どれほど進学が多くなっても、高校卒業18歳の春は、節目として重要なのだ。放送ブースから見ても、子どもが呼名されている保護者は、なんとなくわかる。卒業式のザ・ハイライト。それが呼名なのだ。そんな場面でもしマイクが生きていなかったら、突然死んだら、一大事である。
吹奏楽部の厳かなBGM、校長式辞、来賓の祝辞、送辞、答辞、校歌や式歌斉唱。どれも卒業式の大事な要素である。でもそれは、保護者の一番耳にしたいものではない。担任の呼名を超えることは絶対ない。担任の声を生徒と保護者に届ける。これは絶対達成しなくてはいけないミッションなのだ。
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どんなに準備をしても事故は起こるのだ。そのつもりで準備する。
今回、有線マイクを3系統、緊急用ワイヤレスマイクを2系統準備した。
①ステージ上マイク
②MC・呼名マイク
③送辞のフロアマイク
④緊急用ワイヤレスマイク(②のわきに置く)
⑤ 〃 (ステージ下手に準備)
何も起きなかった。担任の先生の声は、体育館ステージ下手で聞いていても全部明瞭に聞こえた。呼名に答える生徒の返事もちゃんと聞こえた。
何も起こらなくて、ホントによかった。Mission accomplished!!!
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一部脚色を含みます。