「サックス博士の片頭痛大全」(ハヤカワ文庫)をやっとのことで読了した。
読みはじめたのは今月第1週。
医療エッセイ読破の困難さを改めて体験した3週間なのであった。
別に面白くなかったわけでは決してない。
どちらかというと面白い部分が少ないないエッセイなのだったが、なんといっても専門用語や、イメージしにくい様々な症例が登場し、読書の進行に時々大きな壁となって立ちふさがったのだった。
思わず読んでいるうちに片頭痛が起こってしまいそうな状態に陥ってしまいそうになった。
ともかく、片頭痛という聞きなれた病気の本質はどうやら今もって謎に満ちているらしい。
かくいう私も中学生、高校生の頃は片頭痛持ちなのであった。
天気がどんよりと曇っていて湿度が高く陰気な日中は、かなりの頻度で頭痛が発生した。
その頭痛は頭を揺らしただけで、脳天からこめかみにかけて「ズッキン、ズッキン」するほど猛烈な痛みと不快感を伴うものであった。
毎回バファリンを飲んで暫く横になり痛みを緩和させなければ、歩くのも困難になるほど、大変な頭痛なのであった。
「これはどこか悪いに違いない。大変なことになった。」
とある時心配になって、かかりつけのお医者に診断してもらったことが一度だけあった。
だが、先生は
「片頭痛やで、心配せんでええ」
のひと言で片づてしまい、頭痛薬と胃薬が処方されただけで「ハイ、おしまい」なのであった。
頭痛薬はありきたりのアスピリンだった。
今回「サックス博士の....」を読んで最も驚いたのは「中華料理店症候群」なる病気が存在することを知ったことであった。
なんでも中華料理に含まれる大量のグルタミン酸ナトリウムが作用して発生する頭痛などを諸症状があり、それを「中華料理店症候群」と呼ぶのだという。
私は高校生の時、中華料理が大好きで関西では有名な中華料理チェーン店、仮に餃子の飛車と呼ぶことにすると、その餃子の飛車を訪れては、「餃子」「天津飯」「中華丼」「ラーメン」「チャーハン」などを大量に食べていた。
さすがに、
「餃子10人前を制限時間以内に完食したら無料」
というような無茶なキャンペーンには小遣いの上からも健康の上からもおかしいのではないかと思い挑戦することはなかったが、野球部のO君はそのキャンペーンに挑戦し、見事クリア。
翌日、学校の授業中「頭痛いし」と言っていたのはもしかすると中華料理店症候群を起因とする片頭痛であったのかもわからない、と今になって考えるのだ。
ということで、片頭痛に関したエッセイも、アスピリンをラムネ菓子の如く食べ続けるアメリカ人だからこそ書き得た文章なのではないか、と思えるものなのであった。
今では中華料理を食べる頻度も量も減り、そのおかげかどうかわからないが頭痛が発生する頻度もほとんど無くなった。
尤も、ビールをジョッキに3杯と焼酎をロックで5杯、仕上げにハイボールを2杯ほど飲むと、数時間後に頭痛が発生するが、これは片頭痛とは違うようだ。
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