<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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犬の墓参りをするために斎場へ向かう狭い府道を走っていたら不意に黒い車に抜かれた。
そのすばしっこさはまさしく「おじゃま虫」なのであった。

「危ないやないかい!」

この斎場を通り山側にある国道へ向かう道は狭いにも関わらず交通量が少なくない。
制限速度は40km/hなのだが、そんなにゆっくり走る車はいないし、私とて法律厳守してってのはあまり好みではないが、その倍速以上で走るのもどうかと思ってる。
おじゃま虫の様な車は周辺住民はもちろんのこと、たまに自転車でここを走る私のようなサイクリストには至極危険で迷惑な存在だ。

案の定、その先には農作業へ向かうと思しき軽トラックが走っているのでスピードは減。
反対車線からも車が来ているので今度は抜かすわけにはいかない。
あっという間に私も追いついた。

「なんじゃい、こいつは」

と黒いつつ「おじゃま虫」の後ろを見てみると、そこにはピカッと輝くPorscheのエンブレムが。
まさしく、府道の道を走り抜けてく真っ黒なポルシェ♪といったところなのであった。
しかし真っ赤なポルシェなら往年の山口百恵の歌を連想するものの黒のポルシェだと本心は「お〜じゃまじゃまじゃま〜♪」と言うのが本心ではある。
とはいえポルシェは高級車ではある。
安易に私には買えない高級スポーツ車だ。
しかし瞬発力が良かろうがスピードが出ようが価格が高かろうが、たいしたことはない。
ポルシェなんぞいくらがんばったところで私の愛車マツダ・デミオスカイアクティブには燃費では勝ち目はないのだ。

などと考えつつ、ふと思ったのがでこのスポーツタイプの車。
いわゆるスポーツカー。

なんで「スポーツカー」というのだろうか。

別段この自動車を運転すると有酸素運動ができて健康にも良い、というのではない。
実はペダルが付いていてそれを漕ぐと走るとう、映画「ダウンタン物語」のギャングカーかアニメ「チキチキマシン猛レース」のギャングセブンの「野郎ども、走れ!」といって自動車の下から足を出して走るものでもあるまい。
走るのは内燃機関の力であり、人が操作するのはハンドルとギアとペダルだけである。
近い将来はそれすら無くなりそうだ。

自動車の形状が流線型で空気抵抗が少ない、ということもできるかも知れないが、日本の公道ではスピードは出せても時速120kmまで。
流線型にする必要はない。
だいたい新幹線もあの形状をしているのは時速300km以上で走り狭いトンネルとくぐったり複線で相対速度時速600km以上ですれ違うからであって自動車の時速120kmなんて、東海道線の新快速よりも遅い。

「ポルシェなんだから時速200km/hは出まっせ」

と言われるかも知れないが、例えば新東名を時速200km/hで走ると、即逮捕。免許取り消し、場合によってはムショ送り、となるので現実的ではない。

ポルシェ以外にも様々な「スポーツカー」と呼ばれるものがあるが、「荷物は運べない」「二人しか乗れないものがある」「燃費は悪い」など負の要素を散りばめた条件がスポーツカーなのか。

例えば身長165cm、体重110km、26歳、逆上がりのできない男、が運転していたとしてもスポーツカーなのか。

謎なのであった。









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