父の命日の数日前
「こんなん出てきた」と母より預かったのは
『地元情報』と
父の字で書かれたクリアファイル
中には地元の小学校、お寺、神社に関する記事が
集められていた
丁寧に切り取られているのが
なんとも父らしい
かなり昔の記事もあり
興味深く読んでいると
ふと
「こんなん書いてたんや・・・」と
見入る夫
そこには
父のこの地への想いが綴られた文章と
見慣れた景色が描かれていた
跨線橋の上から見たその景色は
私も何かしら思ったことのある景色
同じ場所でふと足を止めていたんだなぁと思うと
感慨深い
私が嫁いで来た頃には
もう病がちで口数も少なくなっていた父
一緒に過ごした想い出はあんまりないけど
この古い家に住んでいると
お父さんも会ったことのないおばあさんさえも
なんだか身近に感じることが多い
父も眺めていたであろう
庭の石蕗の花と
好物の外郎を作ってお供え
〜 静かなる月日の庭や石蕗の花 (虚子) 〜