・・・本日も マンション管理士試験に関して・・・
『区分所有法の66条は 眼をとおす気にもなれないほどの行数で イヤニナリマス』
という言葉は 受験者さんから 度々 聞かされます
たしかに 圧倒的な 姿で登場しています
(建物の区分所有に関する規定の準用)
第六十六条 第七条、第八条、第十七条から第十九条まで、第二十五条、第二十六条、第二十八条、
第二十九条、第三十条第一項及び第三項から第五項まで、第三十一条第一項並びに第三十三条か
ら第五十六条の七までの規定は、前条の場合について準用する。
この場合において、これらの規定(第五十五条第一項第一号を除く。)中「区分所有者」とあるのは
「第六十五条に規定する団地建物所有者」と、「管理組合法人」とあるのは「団地管理組合法人」と、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・読み替えるものとする。
読み替えのことのスタートあたりにも(第五十五条第一項第一号を除く) と あったりしていますが
これはどういうことなのでしょう ?
どんなチョットシタ文言も気になると 前に進めない ? という雰囲気を持つ方からの質問があったり
したことがありました
自身の理解ですが(一応調べたのですが そこらあたりをあらたまって解説しているのはみつけられなかった です スミマセン)記してみます
(解散)
第五十五条 管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
一 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、
その共用部分)の全部の滅失
二 建物に専有部分がなくなつたこと。
三 集会の決議
は
(解散)
第五十五条 団地管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
一 土地等(これらに関する権利を含む)の全部の滅失
二 土地等(これらに関する権利を含む)が第65条に規定する団地建物所有者の
共有でなくなったこと
三 集会の決議
と読みかえられることになります ので
「区分所有者」とあるのは「第六十五条に規定する団地建物所有者」と
読み替えるまでのことはない という 意で (第五十五条第一項第一号を除く)とワザワザこと
わりをいれているのでは との理解もできるのでは・・・
ということで ≪団地≫の章 は 苦手という方の多くは 66条の圧倒的文字数の多さにも
よるのでは ? と思われるのですが 実は 緑字 で示されているところが準用される条文
を示していて その後のことは ソコノトコロ は コノヨウニ 読み替えてくださいね
といっているだけのことなので( たしかに 55条のように 団地の知識を掴んでいないと
単純な読み替えという感覚ではないところもありますが・・・)
なぜ 準用がされないものがあるのか というあたりも
第3節の[敷地利用権 22~24条]が準用されないのも 団地内の戸建てについては分離処分
を禁止するわけにはいかないから とか それぞれの理由があるから
※ 参考までに 分離処分の禁止 といっても
〔専有部分と共用部分の持分との 15条〕 も
〔専有部分と敷地利用権との 22条〕 も あります
ということで 文字数の多さは テイネイに ? 読み替えのところを詳しく一つ一つ述べている
からにすぎない とでも理解してしまうと いいのでは と 思います
≪団地管理組合法人≫ に適用するための法文を ≪管理組合法人≫ という文言のまま
使うことは いかにも 不自然で都合が好くないことは 当然 だと思えますので
さて 本日の 気になる 過去出題問 平成29年 問 10
<内容は同じですが 体裁を変えさせていただいています>
〔問 10〕 一団地内に、専有部分のある建物であるA棟、B棟及び附属施設である集会所
が存在し、A棟及びB棟の団地建物所有者が土地及び附属施設である集会所を共有している。
この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 集会所は、当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管
理組合における団地共用部分となる。
2 A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合は、当然に
集会所の管理を行う。
3 A棟については、A棟の区分所有者だけによる管理を行うものとしたまま
で、B棟については、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地
管理組合が管理を行うものとすることはできない。
4 A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及び
B棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理につい
て、規約で異なる内容を定めることができる。
手強い内容を含む問題です 正解は 1 です
当然に 団地共用部分となる というところが 間違いです
たしかに この集会所は この団地を団地と捉え得るための核になっていて
当然の管理対象です が
そのことから当然に団地共用部分になる というわけではありません
(団地共用部分)
第六十七条 一団地内の附属施設たる建物(第一条に規定する建物の部分を含む。)は、
前条において準用する第三十条第一項の規約により団地共用部分とすることができる。
この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗するこ
とができない。
3 第十一条第一項本文及び第三項並びに第十三条から第十五条までの規定は、団地共用
部分に準用する。
(共用部分の持分の処分)
第十五条 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離
して持分を処分することができない。
団地共用部分とはされていない段階では 共用部分の管理等に関する17条から19条
までの条文は準用されますが(66条)15条は準用されていないので 分離処分がで
きないということではない状態のまま ということになり 附属施設である建物の共有
持分と専有部分との分離処分も可 となってしまっています
2 については
A棟及びB棟の団地建物所有者が土地及び附属施設である集会所を共有している
とありますので
当然の管理対象 です
3 については
(規約の設定の特例)
第六十八条 次の物につき第六十六条において準用する第三十条第一項の規約を定めるには、
第一号に掲げる土地又は附属施設にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につき
それぞれ共有者の四分の三以上でその持分の四分の三以上を有するものの同意、
第二号に掲げる建物にあつては その全部 につき それぞれ 第三十四条の規定による集会
における区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議があることを要する。
4 については
ソレゾレの区分所有建物の用途と構造等により その個性によって管理内容が異なること
も あり得て 規約に異なる内容が登場することは可
『こんなメンドウな知識 実務で登場する場面など あり得ないでしょう ? 無駄な知識を
試験問題にするなんて それこそ 意味アリマセンヨネ・・・』
そうでしょうか ?
『この団地の集会所は 売ってしまうことだってあり得るんでしょうかね ?
理事長の知識として具えておきたいのですが どんなふうな流れになるんですかね ?』
というような質問をされたとき 顧問としてのあなたなら どのように 答えますか ?