人口減少×デザイン 地域と日本の大問題を、データとデザイン思考で考える
筧祐介著 英治出版刊 1800円+税
著者の筧(かけい)さんは、ソーシャルデザインの世界では第一人者の一人。
日本の人口減少という課題に対し、国立社会保障人口問題研究所、厚生労働省、内閣府などのデータを駆使した解析、分析を同書の中で展開していきます。
日本の人口・・・2010年を100名と仮定すると、
2015年には、99名。
2030年には、91名。
2050年には、76名。
2100年には、39名になる・・・とのことです。
このまま行くと、ニッポンも大変です。
江戸時代は鎖国で自給自足ニッポンの人口3000万人・・・そこから100年足らずで1億2000万人に増加します。
そして、また、100年かけて、また、もとに戻る傾向。
全国1800の市区町村の半分が、2040年頃には消滅可能性都市となると言われています。
◆目次
第1章 人口減少への16の疑問とキーデータ
第2章 人口減少のメカニズム
第3章 人口減少要因で見る地方自治体5タイプ
第4章 提言:人口現象問題ヘのアプローチ
第5章 人口現象問題解決の7ステップ
前半では、都道府県レベルの分析、結婚、出産、男女の出会い、不妊などの課題について言及。
一般的に言われている疑問について、データで解説していきます。
同書のメインは、第4章。
「提言:人口現象問題ヘのアプローチ」を具体的に展開していきます。
提言1 女性中心の小さな経済をつくる
提言2 縁を深めるローカルシステムを築く
提言3 会社員女性をハッピーに
提言4 ふるさと愛を最大化する
提言5 非地位財型幸福をまちづくりのKPIに
やはり中心となるのは女性・・・女性活躍推進、ダイバーシティに向けての活動を展開していくことが、人
口減少を回避する方法論であるようにも思います。
公開されたデータから、ここまでの提言が導き出せることに、感慨をおぼえた一冊でした。