能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

社長は、何時間働くべきか?社長は何時間勉強をすべきか?社長のためのランチェスター式学習法

2016年02月23日 | 本と雑誌

今、「1日36万円のかばん持ち(ダイヤモンド社)」という本を読んでいます。

著者は、名物社長の小山昇さん。

株式会社武蔵野の社長さんです。

カバン持ち(生徒)が小山社長のカバン持ちになり授業料として一日36万円払うというものです(笑)。

その心得31に、

勉強しない社長はダメ社長!自分だけ勉強する社長は、もっとダメ社長

と喝破されています。

社長と社員がいっしょに学ばなければ、会社はよくならないと指摘します。


経営、マネジメントをめぐる知識・・・知っているのと知らないのでは天地の違いがあります。

経営管理、財務会計、営業戦略、オペレーションマーケティング、人事労務管理・・・

法律やコンプライアンスなど経営していく上での学びは、とても重要です。

 

社長のためのランチェスター式学習法 

竹田陽一著

あさ出版 1500円+税

 

著者の竹田さんは、ランチェスター戦略を専門とした経営コンサルタント。

会社は全て歩合制、経営力の二乗の勝負、会社は粗利益で生きている・・・。

ランチェスター戦略を中心にコンサルティングや講演を行っている九州・福岡在住のコンサルタントは述べます。


1 県単位、営業活動エリアでナンバーワン

2 市場占有率26%以上

3 2位との間に10対6以上の差がある


この3つの条件を具備すれば、自己資本比率が上がり、資金繰りが楽になるという市場占有率の法則です。

わたしも学生時代、はじめてランチェスター戦略に凝ったことがありました。

田岡さんの本を読みながら第一法則、第二法則を実際のケースに当てはめて研究したことがあります。


同書は、「社長の学習法」がテーマ。

経営トップは、何を、どのように、どのくらい学べばよいかを指南します。


まずは、働け!

実戦、実践から学べ!ということです。

一般の労働者の就業時間は、年間1850時間。

社長であれば、必勝型で3200時間圧勝型で3700時間働くべき、朝は7時30分に出社して働きなさいと説きます。

すごい!

要は、社員の倍、働きなさいということです。

本田宗一郎さんや稲盛和夫さんは年間5000時間働いたそうで、

スティーブ・ジョブズも年間4500時間働いたそうです。

これを、日曜日祝日を含めて365日で割ると・・・たいへんです。

天才経営者と呼ばれている方々が、さらに大量の時間を仕事に投入する・・・まさに勝負あったです。

社長が3200時間労働を5年間続ければ結果が出る・・・

最低でも15年やればエクセレントカンパニーになるとのこと。

(社長は、体力が必要なんですね。フツー過労死しちゃいます。冒頭の小山社長は67歳・・・体力的には20歳代ではないかと思わせるバイタリティです)

なるほど、そのとおりです。

業績のイマイチな企業は、重役出勤という言葉があるように9時半~10時ころに社長が出社、夕方には早く退出・・・。

これでは、勝負にならないと思います。

また、興味深かったのが、社長は何時間、勉強すべきか?という切り口。

企業規模別の勉強時間というのも、とても面白い切り口です。


従業員10人未満 ・・・ 年間144時間

従業員10名~29名 ・・・ 年間216時間

従業員30名~100名 ・・・ 年間288時間


社長であれば、1日最低30分から一時間は勉強しなさいということでしょうか。

年間3200時間働いて、なおかつ1日一時間は勉強する・・・。

これまた大変です。


企業規模が大きくなるほど勉強時間を増やすべきという指摘です。

規模が拡大すればするほど経営も複雑化していくため、当然と言えば当然。

このままではまずい、何かしなければならない・・・

という問題意識、危機意識を持たれている経営者の方々に、ぜひ一読いただきたい一冊です。


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電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気配り・・・広告マン1年生 新入社員時代を思い出します

2016年02月23日 | 本と雑誌

いつもは、スルーする文庫本売り場で、ふと目に留まったキーワード。

ホイチョイ・プロダクションズ

えっ、懐かしい~。

イノベーティブな本「見栄講座」、マンガ「気まぐれコンセプト」、映画「私をスキーに連れてって」「波の数だけ抱きしめて」「彼女が水着にきがえたら」・・・。

全部見ました、読みました・・・。

1980年代のバブル期に、世のトレンドを創り出したクリエイター集団。

そのホイチョイが、文庫本、それもビジネスマナー本を出しました(笑)。

電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気配り

ホイチョイ・プロダクションズ  講談社+α文庫  460円+税

 

帯には、「博報堂はなぜ電通を越えられないのか」とあります・・・笑。

博報堂の人は怒るんだろうなあ。

小職が代理店にいた頃、本社の場所で電通は「築地」、博報堂は「神田」と呼んでいました。

その後、築地は「コミュニケーション・エンセレンス」、神田は「マーケティング・エンジニアリング」というCIを展開していきます。

小職のいたところは、「日本橋」。

いまや電通より大きな米国の代理店オムニコムグループの傘下にある外資系広告代理店になっています。

 

世界でもトップクラスの規模にある広告代理店電通。

そこで日々立ち回る電通マンのビジネスルール、ビジネスマナーを、電通マン36名(本当はもっと多いとのこと)から聴き取り、一冊にまとめた本。

「鬼」気配りの「鬼」とは、電通の中興の祖、吉田秀雄さんが残した「鬼十訓」からきていると思います。

 

鬼十訓

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない
2.
仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3.
大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4.
難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5.
取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……


6.
周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる
7.
計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8.
自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9.
頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ
10.
摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

 

結構、ベタです(笑)。

これは、広告ビジネスだけではなく、多くのサービス業、営業に共通するビジネスコンセプトだと思います。

同書に出てくる36の「鬼」気くばり・・・小職は35個をクリア!合格!さすが元広告マンです・・・笑。

学校を卒業して、200倍の倍率を突破して、憧れの代理店に入社。

それも、あるマンガを読んで、自分の進路を決めたりしています・・・バカ、単細胞。

http://blog.goo.ne.jp/tomitomi111/e/5ed573cd98713190034f30db43d77dbc

 

そこで待っていたのは、体育会系で、お客さまは神様で、年功序列、義理と人情の世界・・・。

先輩諸氏から、広告界で生きていくための、しきたり、掟(おきて)をたたき込まれました。

飲んでも酔わない、カラオケのレパトリーはクライアントを凌ぐ、話題のネタの宝庫・・・。

(みんな、オトコ芸者と自嘲していました・・・それにしても、何で新宿で朝の7時にカラオケのマイクを持っているんだ・・・チミは・・・始業時間は9時半・・・あと2時間だぞ・・・笑)

ものの本には、AE(アカウント・エグゼクティブ)などと書かれていました・・・NYのマジソンアベニューを目指していました・・・。

 

それは、ビジネスマナーであり、ビジネスルール。

ほかの業界でも、圧倒的に差異化できるものです。

それは、いまだに役立っています。本当にありがたいなあ。

 

36の「鬼」気配りとは・・・。

 

1 安物の同じボールペンを必ず2本持ち歩く

2 お詫びやお礼をメールだけで済まさない

3 名刺は1ミクロンでもいいから、相手より下から出す

4 得意先の吸っているタバコを常に携行する

5 トヨタの人を接待して送るときはトヨタ車のタクシーを拾う

 

6 ビジネスメールには極力、人間の体温を残す

7 どうでもいい小さい仕事ほど、すぐに片づける

8 3日後に100%の答えを出すより、翌日、60%の答えを出す

9 会議中に携帯電話を受けるときは、事前に「途中、一本電話を受けてもよろしいでしょうか」と断る。

10 接待の席には、相手の家族向けのおみやげを用意する

 

11 見送りはタクシーが角を曲がるまでおじぎを続ける

12 得意先にタクシーで行くときは、100メートル手前で降りて歩く

13 得意先の建物に入る前コートは脱ぐ

14 宴会やゴルフには、写真係を置く

15 ゴルフは消しゴムを持ち歩く

 

16 葬儀用に、白黒の名刺を用意する

17 葬儀は必ず最後まで参列する

18 人事情報はどこよりも早く掴む

19 得意先からかかってきた電話でこちらの要件をいうときは、「いただいた電話で恐縮ですが」と言う。

20 接待では、相手の行きつけの店を予約しこっちが払う。

 

21 メールを送ったら必ず電話で確認する

22 土下座は、相手の怒りのピークではしない。一晩置いて、翌日みんなでする。

23 メールでCCは多用しない。相手の文面は要約して送る

24 服は自分のために着るものではない。得意先のために着るもの

25 常に爪を手入れしておく

 

26 宴会のために揃いのハッピを作る

27 いただいた名刺は、しまう前に一文字残らず読む

28 会議室は最後に出る。建物は最初に出る。

29 クリップは絶対に相手の社名や「御中」にかけない

30 口が裂けても、逆接の接続詞は口にしない

 

31 得意先とエレベーターに乗るときは先に乗ってボタンの前に立ち開閉操作をする

32 書類に上司と並んでハンコを押すときは、上司より下に斜めに傾けてつく。

33 ビール瓶は、ラベルが得意先に見えるように置く

34 得意先とタクシーに乗るときは必ず助手席に座る。

35 得意先の前では、「仕切る」「にぎる」などの業界用語を使わない

36 常に面白い話題を持っている

 

一般的なビジネスマナーやビジネスルールもそうなのですが、そうすることの理由は必ずあります。

36の、一見、理不尽な気配りも、その理由があるわけです。

アドマンになりたい人も、サービス業、営業にかかわっている人も、読んでいただきたい一冊です。

わずかワンコインで、広告マンが入社半年間で体得する知恵を買うことができます。

 

同書の締めくくりは、「プランニングや調査より、気くばり」。

「鬼」気配りで、業績アップ、間違いなし!です。


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