彼方の森へ

soliloquy 文披月act.8 Flidais ―another,side story「陽はまた昇る」
遠く近く、波の聲。
漣きらめく光ふる彼方、その森はあると言う。
遠い記憶の優しい夜、語られたお伽話の女神は今も、海の彼方に住んでいる?
Flidais
古き秘密の神の名は、遠い彼の地で異端とされた。
けれど、滅びない呪文の名前は、きっと樹木に隠され生きている。
ほら、梢ゆらす風は女神の囁き、密やかな聲。
ほら、ごらん?木立の緑に走りゆく鹿は、女神の使い。
ほら降りそそぐ天の梯子、緑に黄金に輝く木洩陽の、光の粒は女神の息吹。
その息吹まばゆい巨樹の根元、純白に咲く花は女神の涙、祝福のなぐさめ。
月明の銀髪、暁闇の黒髪、翳すのは鹿角と花の冠。
深く祈り映した瞳は星の燈火、なめらかな肌の薔薇色あわく、しなやかな体は軽やかに奔らす。
従わす牡鹿の角に天火を灯らせ、梟の知らせに時を読みながら、真柱の大樹に凭れて微睡み安らぐ。
深き森の眠らす静謐、その帳くるます光の夢に、森の鼓動は息づいていく。
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ほら、梢ゆらす風は女神の囁き、密やかな聲。
ほら、ごらん?木立の緑に走りゆく鹿は、女神の使い。
ほら降りそそぐ天の梯子、緑に黄金に輝く木洩陽の、光の粒は女神の息吹。
その息吹まばゆい巨樹の根元、純白に咲く花は女神の涙、祝福のなぐさめ。
月明の銀髪、暁闇の黒髪、翳すのは鹿角と花の冠。
深く祈り映した瞳は星の燈火、なめらかな肌の薔薇色あわく、しなやかな体は軽やかに奔らす。
従わす牡鹿の角に天火を灯らせ、梟の知らせに時を読みながら、真柱の大樹に凭れて微睡み安らぐ。
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