沖縄 米兵2人のタクシー強盗事件

2020年06月12日 06時33分03秒 | 事件・事故

伊藤宏樹
2018年7月5日 朝日新聞

沖縄県沖縄市で2008年に起きた米海兵隊員の男2人によるタクシー強盗致傷事件で、被害に遭った運転手の家族が米兵に損害賠償を求めた訴訟の判決が5日、那覇地裁沖縄支部であった。後藤誠裁判長は請求をほぼ認め、米兵2人に遅延損害金を含む計約2640万円の支払いを命じた。
判決後、「なぜ事件から10年もかかるのか」と話す宇良宗之さん=2018年7月5日午後2時8分、沖縄県沖縄市の那覇地裁沖縄支部前、伊藤宏樹撮影


 沖縄県沖縄市で2008年に起きた米海兵隊員の男2人によるタクシー強盗致傷事件で、被害に遭った運転手の家族が米兵に損害賠償を求めた訴訟の判決が5日、那覇地裁沖縄支部であった。後藤誠裁判長は請求をほぼ認め、米兵2人に遅延損害金を含む計約2640万円の支払いを命じた。
沖縄はいま
米兵犯罪の補償、「米国頼み」の苦しみ 沖縄復帰46年
 判決によると、08年1月、乗客の米兵2人が運転手の宇良(うら)宗一さんの顔などを酒瓶や拳で殴って重傷を負わせ、運賃2780円を踏み倒した。宇良さんはけがの回復後も心的外傷後ストレス障害(PTSD)や不眠症の後遺障害が残って退職し、12年に63歳で病死した。
(前歯10本を折られ、頭部裂傷で全治1か月)
 米兵らは日本の刑事裁判で実刑判決を受けて服役したが、その後の所在はわからず、民事上の補償は事件から10年が過ぎた今も支払われていない。
 日米地位協定は、米兵の公務外の事件事故で本人に支払い能力がない場合、米政府が補償すると定める。米政府が示す額が実際の損害と開きがある場合、1996年に差額を日本政府が代わりに支払う「日米特別行動委員会(SACO)見舞金」が設けられた。
 家族は09年から沖縄防衛局を通じて米側に補償を求め続けたが、昨年秋に示された額は146万円だった。さらに加害者や米政府への請求を永久に放棄することも支払い条件とされた。
 家族は昨年12月、SACO見舞金の請求に向け、損害額を確定させようと提訴した。判決確定後、防衛局に対し、米側が示した額の見直しと、差額の支払いを求めるという。
 法廷で判決を聞いた宇良さんの長男宗之さん(33)は「父は事件後、ずっと苦しめられ続けた。どうして事件から10年もかかるのか、なぜ家族はつらい思いをしないといけないのか。そういう気持ちが強い」と話した。(伊藤宏樹)

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急転直下の容疑者特定 沖縄の米兵強盗 沖縄県警、身柄要求に諦め感

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事件現場近くの防犯カメラに映る男性2人組=12日午後3時47分、北谷町(提供)

 強盗事件発生から3日。急転直下、事件は解決へと動いた。米軍が容疑者として拘束した米兵ら2人が15日、沖縄県警沖縄署へと連行され聴取を受けた。

県警は過去の事例などに照らし、日米地位協定上の「凶悪犯罪」に該当しないとし、起訴前の身柄引き渡しを要求しない方針。一方、「凶悪」か否かを判断する裁量は米側にあり、捜査関係者の間では“強盗レベル”は要求しても拒否されるだけ、という諦めにも似た了解事項になっている。 この記事の他の写真・図を見る  「こんな事件で身柄引き渡したケースがあるか。過去の例を見たらいい」。

県警幹部は集まった記者団に対し、いら立つように言い放った。  これまで県警は容疑者の身柄を先に押さえた米軍に対し、飲酒ひき逃げ事件(1998年)、連続放火事件(2001年)、暴行未遂事件(02年)などで引き渡しを求めたが、拒否されている。今回と同様にけが人のいない強盗事件では要求をしていない。  

一方、08年に沖縄市で起きたタクシー強盗致傷事件では、容疑者が米軍人の家族だったこともあり、身柄引き渡し要求から4日目で米軍が応じた。  

米軍による身柄拘束で県警側が懸念するのは、容疑者らの口裏合わせといった証拠隠滅の恐れや、聴取の段取りに手間取ったりすること。今回は犯行現場周辺に多く設置された防犯カメラの映像もあり、客観証拠は比較的十分そろっているとみられる。

別の県警幹部は「米軍との協力関係もうまくいっていると聞いている。取り調べも(米軍拘束下で)特に問題ないだろう」と語った。

 

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給付金事業の外注先、経産省も把握できず 受注に20~30社加わる?

2020年06月12日 06時16分36秒 | 事件・事故
2020年6月10日 07時03分
 
国の持続化給付金事業で経済産業省が一般社団法人サービスデザイン推進協議会の外注先となる企業数など、事業の全体像を把握していないことが分かった。本紙の取材に、経済産業省中小企業庁(中企庁)の担当者が認めた。
事業は委託や外注が繰り返され、業務運営の実態が不透明だと批判されているが、国も情報をつかみ切れていないことが裏付けられた。 
 中企庁は野党の求めなどに応じ、元々は公表されていなかった受注関係の全体像を少しずつ明らかにしてきた。だが、法人が八日に記者会見で公表した資料で、より細かい外注が行われていたことが判明した。
 中企庁の担当者は本紙の取材に「資料を見て初めて知った」と話した。その一方で「全ての外注先を国が把握する必要はない。事業が適正に行われているかは協議会を通じて管理すればいい」と強調した。
 法人の資料などによると、電通から外注された電通の子会社四社もさらに外注していた。特に電通ライブは電通から流れた五百九十五億円のうち手元に残るのは八千万円で99%は外注に回していた。九日の衆院予算委員会では、梶山弘志経産相が外注関係を誤解し、電通ライブに残るお金を「百七十九億円」と誤って答弁する一幕もあった。
 法人の公表資料に記載された企業や団体の数は匿名のものもあり、詳細は不明だ。二十〜三十社は受注に加わっているとみられる。法人は会社数について、本紙に対して「取引先の許可が出ていない」と明らかにしなかった。 (森本智之、皆川剛)
◇「持続化給付金」事業に関する情報やご意見を、東京新聞経済部までお寄せ下さい。
 [E-mail]東京新聞経済部

未明のひき逃げ事件は“現場に落ちていた左のドアミラー”で容疑者特定…41歳会社役員の男逮捕

2020年06月12日 06時07分45秒 | 事件・事故

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男性がはねられた現場 名古屋市中区

 名古屋市中区で11日未明、横断歩道を歩いて渡っていた男性を車ではね、ケガをさせそのまま逃げたとして会社役員の41歳の男が逮捕されました。

 逮捕されたのは、熱田区の会社役員・井上理容疑者(41)です。  井上容疑者は11日午前1時半前、中区大須3丁目の矢場町南交差点で、横断歩道を歩いて渡っていた男性(51)を乗用車ではねたまま逃げた疑いが持たれています。  

男性はろっ骨を折るなどの重傷です。  警察は現場に落ちていた左のドアミラーから、井上容疑者を特定しました。  

井上容疑者は容疑を認めていて、警察はどちらかが信号を無視した可能性が高いとみて事故の原因を調べています。

東海テレビ

 

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つくばのセブン店員 新型コロナに感染 茨城県内確認者に含まず

2020年06月12日 03時34分51秒 | 事件・事故

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セブン-イレブン・ジャパン(東京)は10日、つくば市大砂の「セブン-イレブンつくば大砂店」の店員が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。
茨城県によると、本県への届け出はなく、県内感染確認者には含まれない。
同社によると、感染が確認されたのは9日。
この店員の最近2週間の勤務は5月31日の1回で、発熱などの症状はなかったという。 同店は9日夕から当面の間休業し、消毒作業を実施している。
従業員らは全員出勤停止とした。 県疾病対策課は「患者発生届を県内で受理しておらず、詳細は分からない」としている。

茨城新聞社

 

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検査やれや、コラ」PCR検査を断わられ…医師を脅迫した疑い 組員を逮捕

2020年06月12日 03時22分26秒 | 事件・事故

06/11 16:39 KTV

「お前、責任とれんのか。どうなってもしらんぞ」と脅迫

新型コロナウイルスのPCR検査を断った医師を脅迫したとして、特定抗争指定暴力団・山口組系の組員が逮捕されました。

強要未遂の疑いで逮捕されたのは、滋賀県大津市に住む暴力団組員の男(46)です。

警察によると、男は5月24日、発熱があって大津市内の病院を受診しました。

そして、PCR検査を断った男性医師に対し、「このまま帰れって言うんか。お前、責任とれんのか」「検査やれや、コラ。お前、どうなってもしらんぞ」などと脅迫した疑いが持たれています。

警察の調べに対し、男は容疑を否認しているということです。


「早く仮眠とりたかった」バイクに“あおり運転”…1.7mまで接近か トラック運転手を書類送検

2020年06月12日 03時22分26秒 | 事件・事故

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バイクを降りて抗議した男性に暴行も…

バイクに乗った男性にあおり運転をした上、暴行した疑いで、66歳のトラック運転手が書類送検されました。 脅迫と暴行の疑いで書類送検されたのは、東大阪市に住むトラック運転手の男(66)です。

警察によると、男は3月31日午前2時半ごろ、大阪府寝屋川市内をトラックで走行中、バイクに乗った男性(32)にあおり運転をして脅し走路を開けさせました。

そして、バイクを降りて抗議してきた男性の胸倉をつかむなど暴行を加えた疑いが持たれています。 警察がトラックのドライブレコーダーを調べたところ、男は約11秒間あおり運転をしていて、バイクに最も接近した時の距離は1.7メートルだったということです。

警察の調べに対し、男は「仕事を早く終わらせて仮眠を取りたかった。車を近づけて怖がらせれば、よけると思った」などと話しています。

関西テレビ

 

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落ちていた携帯電話持ち帰り自宅に放置、30代男性教諭を懲戒処分

2020年06月12日 03時14分24秒 | 事件・事故

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滋賀大(滋賀県彦根市)は11日、携帯電話を盗んだとして、教育学部付属特別支援学校の30代男性教諭を停職6カ月の懲戒処分にした、と発表した。処分は10日付。 【写真】拾った石でネコ、辞書、野菜…  
同大学によると、教諭は3月20日、滋賀県草津市内の路上に落ちていた携帯電話1個を自宅に持ち帰り、4月23日に滋賀県警草津署に取り調べを受けるまで自宅に放置していたという。  教諭は「学校の児童生徒の信頼を裏切り、学校や大学に迷惑をかけて申し訳ない」と話しているといい、位田隆一学長は「一人一人が法令を遵守し、職業倫理を高めていくよう努める」とのコメントを出した。
 

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「なんで夫と2人で釣りに行ったんや」同僚女性から100万円脅し取る 容疑で夫婦逮捕

2020年06月12日 03時09分30秒 | 事件・事故

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京都府警宮津署は11日、恐喝の疑いで、京都府宮津市、無職の女(54)と、会社員の夫(58)を逮捕した。  
逮捕容疑は2人が共謀し、昨年12月から今年4月にかけ、会社員の夫の同僚女性(25)に対し、京都府宮津市内の自宅や職場で計4回、「なんで夫と2人で釣りに行ったんや」などと因縁を付け、女性から現金計100万円を脅し取った疑い。
 

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「横田めぐみさんは生きている」北朝鮮の元工作員・金賢姫が明かした拉致被害者の生存情報/聞き手・黒田勝弘――文藝春秋特選記事【全文公開】

2020年06月12日 03時01分55秒 | 事件・事故

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金 ご無沙汰しております。今日は、懐かしい写真を2枚持ってきました(と言ってバッグから取り出す)。
黒田 これは懐かしい(写真裏の日付は1990年6月20日)。
金さんが事件から3年後、はじめて外国人記者団に向けて記者会見を行った日に撮影された写真ですね。こちらはマイクに向かって喋っている金さん。もう1枚のほうは、人差し指を立てて質問している私が写っていますね。あの日、「あなたは日本語が上手だと聞いているが、次の質問は日本語で答えてほしい」と私が韓国語でお願いすると、金さんは「あのォ」「それでですね」などと、実に自然でこなれた日本語を披露されました。 金 いやあ……そうでしたかねえ。
黒田 あの事件から今年11月がちょうど30年ということで今回はインタビューを御願いしましたが、韓国語、日本語、どちらでやるかを事前にお尋ねしたところ「日本語でやりたい」と言っていただきました。
変らずお上手ですが、今も日本語の勉強はなさっているのですか。
金 いいえ。日本語を聞く機会は普段ありませんから、単語などは結構忘れちゃっていて。
勉強というほどではありませんが、日本語の本を読むことはあります。村上春樹さんの小説は好きですね。
黒田 しかし、こうして写真を見ると、金さんは当時、ふっくらとした顔でしたね。それが最近は、お痩せになったように見えます。これまで大変な気苦労やストレスがあったせいではないかと心配です。
金 大丈夫です。私は元々、太りにくい体質なのです。でも、ストレスがなかったと言えば、嘘になるかもしれません。
黒田 30年という歳月は、長かったですか。それとも、あっという間でしたか。
金 本当に長かったです。振り返れば、辛い出来事ばかりでしたから。かつての私は、自分が「革命戦士」だと信じていました。
祖国を統一するため、テロの正当性を疑ったことはなかった。しかし、実際は、無辜の人々の命を奪ってしまっただけでした。その事実が消えることは決してありません。あの事件は一生背負っていかなければならない十字架だと思っています。

本文:11,358文字

写真:4枚

元水着モデルの姉が17歳の妹を殺害…事件10年目の深層

2020年06月12日 02時55分55秒 | 事件・事故

6/11(木) 13:02配信
FRIDAY

送検された田代恵里子。裁判では無罪を主張したが控訴は棄却された

忌まわしい事件が起きたのは2010年のことだった。元水着モデルの姉が内縁の夫と17歳の妹を殺したのだ。日常的に暴力が振るわれカネをせびる……。事件から事件の全容にノンフィクションライターの小野一光氏が迫る。

猛暑のゴミ部屋で愛児を餓死させた “ホスト遊び”美人ホステスの素性

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10年11月16日、大阪府警は同年6月に大阪府門真市の派遣社員・田代久美子さん(仮名、当時17)に殴る蹴るの暴行を加えて重傷を負わせたとして、姉の田代恵里子(逮捕時21)と、内縁の夫である無職・梅崎大吾郎(同30)を傷害容疑で逮捕した。

この件だけであれば、姉と内縁の夫(以下、姉夫婦)による妹への傷害事件ということになる。だが、被害者の久美子さんはその事件後の同年9月11日夜に、ふたたびケガをして自宅玄関前で倒れているのを発見され、病院に搬送されたが、翌12日未明に死亡が確認されていた。久美子さんの全身には無数の痣があり、死因は背中を強打されたことによる心臓挫傷だった。

ふたりの傷害容疑での逮捕の背景に、9月の妹の死亡が関係しているとの情報を受けて現地入りした私は、大阪府警担当記者から次のような話を聞く。

「姉夫婦と妹は完全な主従関係にあり、久美子さんは梱包作業で月に約18万円の収入がありましたが、それはすべて恵里子名義の口座に振り込まれていました。姉夫婦による妹への暴行は約3年前から繰り返されていて、体重が40㎏を下回るほどに痩せた久美子さんは、丸刈りにされた頭や折れた歯、それに顔の痣を隠すため、外出する際はいつも帽子を被り、マスクをつけていました。

彼女は常に姉に怯えた様子で、逮捕容疑となった6月に暴行された際も、全治9週間の重傷で入院したにもかかわらず、数日後には恵里子らに命じられて自宅に戻っていたそうです」

同記者によれば、姉夫婦は犯行を隠すため、久美子さんに対し、ケガの原因について聞かれた際には、「車にぶつかった」や「階段から落ちた」と言うように強要していたという。6月の傷害事件のときに、久美子さんが救急車で運ばれるのを目撃した近隣住民は語る。

「午後7時半頃に、ジャージ姿でマスクに帽子姿の久美子さんが、自宅の前でエビのように背中を丸めて倒れていました。すぐに救急車がやって来たんですが、久美子さんは『大丈夫、大丈夫』と言って、最初は病院に運ばれるのを拒んでいました。

これは後になって聞いた話ですが、その場に呼ばれてやってきた彼女のお母さんは、『恵里子がやったんや。(救急車に)乗って行ったら恵里子に怒られる』と口にしていたそうです。結局、久美子さんを乗せた救急車が病院に向かったのは午後10時頃でした」

前出の記者の説明では、恵里子と梅崎は出会い系サイトで知り合っており、交際を始めると間もなく、恵里子が家族と暮らす門真市内の家に、梅崎が出入りするようになっていた。

当時、恵里子は両親と兄、そして妹の久美子さんとの5人で住んでいたが、両親がふたりの交際に反対すると、恵里子は梅崎とともに暴言を吐くなどし、梅崎が母親に暴力を振るうこともあったようだ。

そうしたことが原因で、田代家では家庭不和が起きて08年に両親が離婚。母親は近所に住み、久美子さんは父親と兄と一緒に元の家に住んでいた。恵里子は梅崎と近くにワンルームマンションを借りて住んでいたが、3人が暮らす実家の母屋に隣接する離れに、頻繁にやって来ていた。

◆「彼氏と同棲するから事務所を辞める」

恵里子と梅崎の過去を辿ると、次のようなことがわかってきた。

恵里子は高校時代に大阪市内で撮影会の水着モデルをやっており、身長166㎝、B84、W56、H86(事務所プロフィールより)と抜群のスタイルで、所属事務所でも一番の人気モデルだったという。当時の事務所スタッフは取材に対し、以下のように説明している。

「ポーズの注文とかにも、素直に『はい』と返事ができる人気の子だったんですが、高校3年の夏頃に電話で『彼氏と同棲するから事務所を辞める』と言ってきました。同じ理由で学校も辞めると話すので、もう少しで卒業だから我慢すればいいのにと諭すと、『学校には行ったり行かなかったりだから、べつにいい』と答え、なおも説得していたら電話を突然切られました。

それきり連絡が取れなくなったので、彼女の母親に電話を入れ、連絡をくれるように伝えてもらうことにしましたが、母親も同棲や退学に反対したことを口にしていました。ただ、強く反対して駆け落ちでもして、音信不通になることを心配したようで、最終的には同棲を認めていたそうです」

一方の梅崎は、大阪府箕面市の中学を卒業後、同豊中市の定時制高校を1年で中退している。恵里子と交際後はふたりで生活保護を受け、毎月計約15万円を受け取っていた。

また、彼らは久美子さんから月給を取り上げるだけでなく、父親の持つ通帳を久美子さんに盗ませて現金を引き出すなどしていた。こうして得たカネは生活費の他に、ゲーム機を買ったりするなど、遊興費として使っていたことがわかっている。

10年12月7日に傷害罪で起訴されたふたりは、11年1月27日に久美子さんへの傷害致死容疑で再逮捕された。それにより判明したのは、10年9月11日の犯行の際には、ふたりが久美子さんの顔を木製の椅子で殴り、うつ伏せに倒したあと、背中に向けて椅子を何度も振り下ろし、椅子が壊れるまで殴り続けていたということ。

この暴行に至った理由について、彼らは数日前から体調を崩して足元がフラフラになっている久美子さんに対して、「嘘やろ」と詰問。仮病を使われたからだと説明している。

また、この再逮捕の段階で、久美子さんは08年5月頃からふたりの暴力を日常的に受けており、10年6月の久美子さんへの傷害事件では、恵里子が拳にはめる鉄製の「メリケンサック」や折り畳み椅子などを使用して、彼女に暴行を加えていたことも判明した。

12年3月8日に大阪地裁で始まった、ふたりに対する裁判員裁判では、罪状認否でいずれも「自分は暴行していない」と無罪を主張。弁護側はそれぞれ「もう一人の被告が暴行した」と主張するなど、互いに罪をなすりつけ合っている。

こうした”泥仕合”の末、同年3月29日に開かれた判決公判では、恵里子に懲役13年(求刑懲役13年)、梅崎に懲役14年(求刑懲役15年)の判決が言い渡された。

(文中敬称略)

取材・文:小野一光
1966年生まれ。福岡県北九州市出身。雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーライターに。アフガン内戦や東日本大震災、さまざまな事件現場で取材を行う。主な著書に『新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』(文春文庫)、『全告白 後妻業の女: 「近畿連続青酸死事件」筧千佐子が語ったこと』(小学館)、『人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー』 (幻冬舎新書)、『連続殺人犯』(文春文庫)ほか

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最終更新:
FRIDAY

なぜ北朝鮮は「横田めぐみさんは死んだ」とウソをつき続けるのか

2020年06月12日 02時45分22秒 | 事件・事故

6/11(木) 15:16配信
プレジデントオンライン

トランプ米大統領との面会を終え、記者会見する横田めぐみさんの母早紀江さん(左)ら=2019年5月27日、東京都千代田区 - 写真=時事通信フォト

■「横田滋さんの娘を拉致したことが、北朝鮮の最大の失敗だった」

 めぐみさんと再会させてあげたかった。だれもがそう思ったに違いない。

【写真】トランプ米大統領との面会を終え、記者会見する横田めぐみさんの母早紀江さん(左)ら=2019年5月27日

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(当時13歳)の父親、横田滋さんが6月5日、老衰で亡くなった。87歳だった。拉致被害者の家族会に参加し、拉致被害者の救出活動で先頭に立って家族会を引っ張ってきた。被害家族の象徴的な存在だった。

 新潟市の中学1年生だっためぐみさんがバドミントン部の練習の帰りに行方不明になったのが、1977年11月。北朝鮮の工作員による拉致だった。あれから42年余り。その間、横田滋さんは決してあきらめることなく、拉致問題の解決を訴え続け、政府関係者をして「滋さんの娘を拉致したことが、北朝鮮の最大の失敗だった」とまで言わしめた。

 横田滋さんは生きて娘と再会できなかったが、めぐみさんら拉致被害者全員が無事に帰国できることを願う滋さんの魂は消えない。

■娘に対する熱い思いが横田滋さんの原動力だった

 2002年10月15日の羽田空港。政府チャーター機のタラップから地村保志さんや蓮池薫さんら5人が降り立ち、親や兄弟と抱き合った。拉致被害者の喜びの帰国だった。しかし、そこには横田めぐみさんの姿はなかった。

 この1カ月ほど前の9月17日、小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮を訪問し、金正日(キム・ジョンイル)総書記(当時)=2011年12月17日に70歳で死去=と初の首脳会談に臨んだ。この会談で北朝鮮はそれまで全否定していた拉致の事実を認めて謝罪した。だが、北朝鮮は5人の生存を認めたものの、めぐみさんら8人については「死亡した」と説明した。「めぐみは本当に死んだのか。信じられない」。横田滋さんは絶望の淵に立たされた。

 その後、北朝鮮はめぐみさんの遺骨の一部を日本に提出したが、日本側のDNA鑑定によって別人のものと判明した。滋さんは記者会見で「めぐみの生存の可能性が強くなった」と語り、拉致被害者の救出活動に力を注ぐことを誓った。そこには父親の娘に対する熱い思いがあった。
■めぐみさんの娘にも会ったが、めぐみさんの消息は不明のまま

 小泉首相の訪朝後、めぐみさんの娘だという少女(当時15歳)が現れた。現在32歳になるとみられるキム・ウンギョンさんである。日本のDNA鑑定によって彼女がめぐみさんと血のつながりがあると証明されたが、横田滋さんは北朝鮮が拉致問題の幕引きに利用する恐れがあると考え、訪朝してウンギョンさんに会うことを止めた。

 滋さんがウンギョンさんと会ったのは2014年3月だった。日本政府が北朝鮮と交渉して第三国のモンゴルで面会した。女の子のひ孫とも会えた。しかし、めぐみさんの消息は分からなかった。

 めぐみさんは生きているのか。生きているとしたら、なぜ北朝鮮はめぐみさんを日本に帰さないのだろうか。

■韓国紙は「精神安定剤の過剰投与で死んだ」と報道したが…

 2014年11月7日付の韓国紙の東亜日報が突然、「めぐみさんは精神安定剤や睡眠薬を過剰に投与されて1994年4月に50歳で死亡し、病院近くの山に埋められた」と報じた。しかし、日本政府はこの記事を「事実関係と異なる部分が少なくない」とすぐに否定した。

 少しこの記事に触れてみよう。東亜日報は日本政府の拉致問題対策本部が2014年9月に韓国の「拉北者家族会」の代表と共同で脱北者の調査を行ったときの報告書を入手したと報じ、記事はその報告書がもとになっている。

 記事によると、2人の脱北者が東亜日報に証言した。2人はめぐみさんが入院していた北朝鮮の平城にある国家安全保衛部の病院に勤務。めぐみさんの朝鮮名「リュミョンスク女」と書かれた診療記録を見たことがあり、そこには「1964年10月5日生まれ。1977年に日本で北朝鮮につかまって連れてこられた」と記載されていた。さらに2人は「めぐみさんは1994年4月10日に死亡した」と話し、「死因は睡眠剤などの過剰な投与だった」と述べたという。

 この東亜日報の記事は事実なのか。韓国の「拉北者家族会」は「東亜日報の報道は欺瞞(ぎまん)に満ちている」と全否定している。どうやら東亜日報が工作をたくらむ北朝鮮にのせられた可能性があるというのが一般的な見方のようである。
■めぐみさんは金正恩委員長の日本語教師の可能性がある

 拉致問題を精力的に報道し、日本新聞協会賞も受賞している産経新聞は、2017年11月29日付紙面でこんな記事を掲載している。

 記事は「乗客乗員115人を乗せた大韓航空機が1987年に爆破されたテロ事件から29日で30年となる」と書き出し、同事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員が韓国国内で産経新聞のインタビューに応じ、横田めぐみさんについて「生存情報を確認している。めぐみさんは生きている」と証言。北朝鮮が帰国させない最大の理由は「めぐみさんが金正日一家の秘密を知ったからだ」と語ったと報じている。

 産経の記事によると、金元工作員は1984年6月ごろ、同僚工作員の日本語教育係だっためぐみさんに会っている。金元工作員は「めぐみさんは韓国人拉致被害者の夫との間に女児を出産したが、工作員教育に関わったうえに公にできない『秘密』を知ってしまった。それで北朝鮮は死亡したことにしている。一番は金正日一家との関わりだ」と話した。

 金元工作員は、「めぐみさんは離婚した後、金正日一家の日本語教師をしていたとの情報を得た」とも話した。産経の記事は、金正日の息子で現在の最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が幼少時に日本語を学んでいたことから「金一家の子供たちが対象だった可能性もある」と指摘している。

■北朝鮮が公にできない「秘密」とは何なのだろうか

 北朝鮮が公にできない秘密とは一体、何なのだろうか。さまざまな情報や推測が飛び交い、謎は深まるばかりだが、北朝鮮にとってよほど国際社会に知られては困る秘密があるのだろう。

 そもそも日本から無理やり連れてきた13歳の少女がいかにして北朝鮮の最高指導者一家に信頼され、家庭教師という側近中の側近にまで上り詰めたのだろうか。めぐみさんは「必ず日本に帰れる。優しい父が助けに来てくれる」と固く信じ、北朝鮮で相当な努力を続けたはずだ。あの横田滋さんの娘であることから考えると、賢くしっかりした女性に成長したことは間違いない。

 滋さんは体が弱り、2017年4月の拉致被害者の救出を求める国民大集会を欠席した。そのときにこんなビデオメッセージを寄せている。

 「めぐみちゃん、お父さんですよ。ここら辺で必ず解放されると信じています。いま、めぐみが隣の部屋で待っているような感じがしています。もうすぐ会えるかもしれませんが、体だけは気をつけてください」

 このメッセージをテレビのニュースで見て目頭が熱くなったのを覚えている。北朝鮮の金正恩委員長も見ていたと思うが、彼に人の心というものがあるのなら、めぐみさんたち拉致被害者全員を早く帰国させてほしい。
■横田滋さんは講演の依頼を断らない人だった

 横田滋さんの死去については新聞各紙が一斉に社説で取り上げた。6月7日付の朝日新聞の社説はこう指摘し、滋さんの死を弔う。

 「滋さんは、拉致被害者家族連絡会の代表に就き、妻の早紀江さんとともに全国で1400回以上の講演に駆け巡った」
「やさしい表情で親の情を貫徹する姿を通じて、北朝鮮問題の現実を知り、被害者に思いを寄せた人々は数知れない。重く、つらい人道問題の象徴的な存在だった」

 滋さんは講演の依頼を断らなかった。その講演で話す、滋さんのめぐみさんを思う心根に感動した人は多かったはずだ。沙鴎一歩もその1人である。

 朝日社説は「2月には有本恵子さんの母、嘉代子さんが亡くなった。未帰還の政府認定被害者の親で生存しているのは、(横田)早紀江さんと有本恵子さんの父の明弘さんだけになってしまった」と高齢化の問題も指摘する。安倍政権はこれまで以上に全力で拉致問題に取り組んでほしい。

 最後に朝日社説は「日朝間には、(2002年9月の小泉首相訪朝の際の)平壌宣言を踏まえて6年前に結んだ『ストックホルム合意』がある」と指摘し、こう主張する。

 「当時、横田さん夫妻がモンゴルで孫娘と面会したことで機運が生まれ、この合意ができた。滋さんの遺志を引き継ぐためにも、安倍政権はこの合意にもとづく交渉を再開させるよう全力を注ぐべきだ」

 この朝日社説の主張は正しいと思う。なぜなら安倍政権は、日朝平壌宣言とストックホルム合意を有効に利用していないからである。

■安倍首相は就任前から「拉致問題解決」を使命とするが…

 毎日新聞の社説(6月7日付)は後半で安倍政権に発破をかける。

 「会談に官房副長官として同席した安倍晋三首相は拉致問題での強硬姿勢で存在感を高めた。政権に就いてからは自らの手で解決する決意を繰り返し語ってきた」

 会談とは、小泉首相訪朝の際の金正日総書記との会談のことである。安倍氏は首相に就く前から拉致問題解決を自らの使命に挙げている。政治的に利用するのはまだ許せるが、一度ぐらいは解決に政治生命をかける強い意志を示し、その結果を私たち国民に見せてほしい。

 毎日社説も指摘する。

 「ただ取り組みは、ほとんど実を結んでいない」
「14年のストックホルム合意では北朝鮮に再調査を約束させたが、何も得られないまま終わった」
「その後は核・ミサイル問題と同時に解決を図ろうとトランプ米大統領の『最大限の圧力』路線に同調したが、昨年5月には一転して無条件の首脳会談を金正恩朝鮮労働党委員長に呼びかけた。北朝鮮が前年に米韓との対話路線に転じたことを受けたものだが、いまだに反応はない」

 要は、金正恩氏は安倍首相を相手にしていないのだ。金正恩氏はトランプ氏と直接交渉できればそれで十分だからである。安倍政権は前述したように、拉致問題の包括調査などを盛り込んだストックホルム合意などを駆使して国際社会に日本の立場を主張して北朝鮮に圧力をかけていかなければ、秘密のベールに覆われた拉致問題の解決はできない。
■「最重要、最優先課題である」と繰り返してきた安倍首相

 次に6月7日付の産経新聞の社説(主張)を読んでみよう。他紙とは違い、大きな1本社説である。

 その産経社説は「改めて、拉致誘拐という北朝鮮の国家犯罪に怒りを新たにする。北朝鮮は拉致を認めて謝罪した後も再調査の約束すら反故にしたままだ」と強調した後、安倍首相に要望する。

 「怒りを国民全ての思いとして結集し、これをぶつけるべき相手は北朝鮮であり、独裁者である金正恩朝鮮労働党委員長である」
「そして国民の怒りを突きつけ、被害者全員の奪還を実現させるのは、日本政府の責務である」
「とりわけ安倍首相は拉致問題の解決を政権の『最重要、最優先課題である』と繰り返してきた。なんとしても自身の手で、めぐみさんらの救出を果たしてほしい」

 拉致問題の解決は安倍首相の手腕にかかっている。問題はそれを安倍首相自身がどこまで自覚しているかだ。安倍首相はどんなに忙しくとも、産経新聞の社説だけは読むと聞いたことがある。今回の産経社説の「自身の手で、救出を果たしてほしい」との呼びかけに即時に応えてほしい。

■安倍首相には日朝間の膠着を打開する義務と責任がある

 産経社説は「拉致問題は膠着(こうちゃく)状態に陥っている」とも指摘し、こう書く。

 「5月19日の閣議で報告された『外交青書』は拉致の解決を『最重要課題』と位置づけ、安倍首相が昨年5月に『条件を付けずに金正恩朝鮮労働党委員長と会い、率直に話をしたい』と表明したことを盛り込んだ。だがその表明からも、すでに1年を過ぎている」

 繰り返すが、結局、安倍首相は金正恩氏に馬鹿にされているのである。しかも米朝首脳会談は2度の開催でストップし、北朝鮮は今年に入って短距離弾道弾ミサイルを何度も発射してアメリカをはじめとする国際社会を挑発している。国際社会が経済制裁を緩和しなければ、核・ミサイルの開発を続行するという挑戦状である。

 産経社説は訴える。

 「安倍首相は滋さんの死去に『痛恨の極み』と言葉を詰まらせ『チャンスをとらえて果断に行動し、(拉致被害者の帰国を)実現したい』と強調した。だが、待っていてもチャンスはやってこない。政府は自ら膠着を破る行動を起こすべきだ。拉致の解決なしに北朝鮮は未来を描けないと理解させる、交渉の原点に返るべきだ」

 大賛成だ。安倍首相には膠着状態を打開する義務と責任がある。「拉致の解決なしに北朝鮮は未来を描けないと理解させる」には何が必要か。やはり、トランプ氏に頼らず、既存の日朝平壌宣言とストックホルム合意をうまく使うのがベストだろう。

ジャーナリスト 沙鴎 一歩

 

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アンジャ渡部の不倫騒動 SNSでは無関係の人への攻撃も 「お門違い」「中傷リプの方が問題」の声

2020年06月12日 02時33分03秒 | 社会・文化・政治・経済

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複数の女性との不倫が報じられたお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建は10日、謝罪コメントを発表した。
一方で、SNSでは不倫騒動と無関係の人への攻撃も起きている。
【映像】アンジャ渡部 不倫相手特定の動きも  「今回の報道に関しましては、私の不徳の致すところであり、家族を深く傷つけ、また、普段お世話になっている仕事関係の皆様、応援をしてくださる皆様に対し多大なご迷惑をおかけしたと大変猛省しております。妻にも説明し、謝罪しました。誠に申し訳ございませんでした」  
所属事務所を通じてこう謝罪し、芸能活動を当面の間自粛することを発表した渡部。
11日発売の『週刊文春』は、妻・佐々木希と交際していた当時から複数の女性と関係を持っており、結婚後も不貞行為を繰り返していたと報じている。
また、渡部が不倫相手の女性に電話した際、妻の佐々木が電話に出て事実確認をしたという。
 

妻・佐々木希との間には1児も

 当面の活動自粛の発表を受け、対応に追われているのがテレビ局や契約中のCMスポンサーだ。日刊スポーツによると、渡部が出演する番組について、テレビ各局は出演見合わせや出演部分のカットなどで対応する予定だという。また、夫婦で初共演し話題となったCMの公式ホームページからは、渡部の画像が削除された。CMの放送は先月中旬で終了しているが契約は残っているそうで、担当者は「今後については事実確認をして検討していく」と話しているという。  渡部の不倫スキャンダルは意外なところにも飛び火している。ネット上では、渡部への批判の一方で、不倫相手の女性にも責任があるという指摘が相次いだ。一部報道で、不倫相手はセクシー女優であるということが伝えられていたため、その人物を特定する動きが始まったのだ。

不倫相手特定の動きに批判の声

 そんな中、不倫相手として疑われたとみられる女性は「『佐々木希に謝れ』ってDMきます。不倫相手は私ではないです」

「私じゃないよ~ 一度もお会いしたことないし、あまり誰かをたたかないで…」と次々と疑惑を否定。

そうしたSNS上での行き過ぎた言動には、「不倫は当事者の問題でしょ…」「赤の他人が口を挟んで不倫相手に『謝れ』など言うのはお門違い」「心無い中傷リプが飛びまくっていることの方が問題」批判の声もあがっている。  

夫・渡部の不倫報道について、佐々木の所属事務所は「夫婦間のプライベートなのでお答えする立場にありません」とコメントしている。 (ABEMA/『けやきヒルズ』より)

 

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豪首相「脅しには屈しない」 中国との関係悪化で

2020年06月12日 02時33分03秒 | 社会・文化・政治・経済

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オーストラリアのモリソン首相(写真)は6月11日、中国との関係が悪化していることについて、脅しには屈しないと述べた。写真は2月、シドニーで撮影(2020年 ロイター/Loren Elliott)

[シドニー 11日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は11日、中国との関係が悪化していることについて、脅しには屈しないと述べた。

【写真】中国商務相、豪州と連絡取り合っていることをアピール 両国関係は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源に関する独立調査を呼び掛けたことなどを受けて悪化している。 中国は豪州産牛肉の輸入を制限。豪州産大麦に追加関税を課したほか、豪州への留学を検討している中国人学生に対し、新型コロナの発生で中国人を含むアジア人を差別する動きが見られるとして慎重に判断するよう促した。

新型コロナ感染を巡る人種差別と暴力を理由に豪州への渡航自粛も勧告している。[nL4N2DN1OK] モリソン首相は2GBラジオに「豪州は開かれた貿易国だが、どこかに強制されて自分たちの価値観を売り払うことはしない」と発言。 3AWラジオとの別のインタビューでも、新型コロナでアジア人が差別されるとの中国側の主張について「馬鹿げた断定だ。中国指導部の見解ではない」と述べた。

同首相は2GBラジオに「豪州は世界最高の教育と観光サービスを提供している」とし「中国国民は実質的に自分自身の決断で豪州に来ることを選んできた。私は豪州製品・サービスの魅力に強い自信を持っている」と語った。

中国外務省の華春瑩報道官は11日の定例会見で、モリソン首相の主張を一蹴し、留学などを巡る警告は事実に基づくものと説明。オーストラリアに中国市民の安全を守るよう求めると述べた。 *中国外務省の発言を追加しました。

 

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iPSで「網膜色素変性症」治療 神戸の病院の計画了承

2020年06月12日 02時27分54秒 | 社会・文化・政治・経済

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人工多能性幹細胞(iPS細胞)から目の網膜のもとになる細胞を作り、「網膜色素変性症」という難病の患者に移植して治療する神戸市立神戸アイセンター病院の臨床研究計画について、厚生労働省の作業部会は11日、実施を了承した。年内にも最初の移植手術が行われる見通し。
【図でみる】iPS細胞による再生医療研究  網膜色素変性症は視野が狭くなり、視力低下や失明につながる進行性の病気。目が感じた光を電気信号に変える網膜の視細胞が徐々に死滅し、失われる。遺伝的要因で発症するとされ、根本的な治療法は確立されていない。国内患者数は約4万人で増加傾向にある。  
計画によると、対象は20歳以上でほぼ視力を失った重い患者2人。京都大が健康な人から作って備蓄しているiPS細胞を使い、視細胞のもとになる細胞を作製。直径約1ミリのシート状に加工して患部に移植し、正常な視細胞に成長させ、光を感じられるように改善を目指す。移植後、1年間にわたる経過観察で安全性や有効性を確認する。  
同病院には計画の事前審査を行う機関がないため、昨年11月に大阪大の有識者委員会に審査を申請。2月に了承されて同月、厚労省に申請していた。  
計画を主導する同病院の高橋政代研究センター長は、理化学研究所のプロジェクトリーダーだった平成26年、「加齢黄斑(おうはん)変性」という別の網膜の病気の患者にiPS細胞を使った世界初の移植を実施した。
 iPS細胞を使って目の病気を治療する研究は、大阪大も昨夏、角膜が濁り視力を失う「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者に移植を実施。同病院で実施されれば3つ目の病気となる。
 

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有機フッ素化合物 地下水など37地点で国目標値超え 自然界で分解されず

2020年06月12日 02時22分21秒 | 社会・文化・政治・経済

6/11(木) 21:32配信
毎日新聞

米軍普天間飛行場から近くを流れる宇地泊川に流出したPFOS含有の泡消火剤=沖縄県宜野湾市提供

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)について、環境省は11日、全国計171地点の地下水などの含有量を調査した結果を公表した。1都2府10県の37地点で国の暫定的な目標値(1リットル当たり50ナノグラム)=ナノは10億分の1=を超え、最大で目標値の約37倍に達しており、在日米軍基地や工業地帯の周辺の地下水などが広く汚染されている実態が浮き彫りになった。【鈴木理之、信田真由美】

 ◇米軍基地や工場から排出か 環境省、初の全国調査

 環境省によると、2物質の汚染状況を把握する全国規模の調査は初めて。化学的に安定し水や油をはじく性質があり、泡消火剤や調理器具、半導体などに幅広く使われてきた。汚染原因の特定はできていないが、基地や工場などから排出され河川や地下水に蓄積した可能性があるといい、今年度はさらに範囲を広げて調査し、実態の把握を目指す方針。目標値を超えた地点の地下水と湧き水はいずれも現在は飲用水として使われていないが、誤飲しないよう井戸の所有者らに注意喚起する。

 環境省は昨年度、これまでの自治体の独自調査などを基に、2物質が排出された可能性が高い施設周辺の地下水、河川、湧き水、湖沼、海域で水質を調べた。

 米軍嘉手納基地の近くを流れる沖縄市のダクジャク川では、目標値の約30倍の1リットル当たり1508ナノグラムを検出。米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市の「チュンナガー」など湧水(ゆうすい)3カ所でも168~1303ナノグラム検出された。横田基地に隣接する東京都立川市の地下水や、厚木基地が所在する神奈川県大和市の河川でも目標値を超えた。

 大阪府摂津市の地下水からは目標値の約37倍の1855ナノグラムを検出。今回の調査で最も高かった。化学メーカーの工場などが集まる首都圏や阪神地域、三重県四日市市などで高濃度で検出される傾向があり、東京都内は広範囲で目標値を超えた。

 2物質は自然界でほぼ分解されず「永遠の化学物質」と呼ばれる。人体に蓄積する性質もあり、国際がん研究機関(IARC)はPFOAを「発がんの可能性がある物質」に分類。PFOSも、動物実験で健康影響が認められたとの研究報告がある。ただ、人体への健康被害に関し十分な医学的知見はない。今年4月には普天間飛行場からPFOSを含む泡消火剤が大量に流出。周辺の水路などから高濃度で検出され、住民から健康影響を懸念する声が出ている。

 PFOSは2009年に、有害化学物質を規制するストックホルム条約の規制対象になり、日本は18年に国内製造・輸入を全面的に禁止した。PFOAは19年に同条約の規制対象になり、政府は全面的な製造禁止の検討を進めている。環境省と厚生労働省は5月までに、2物質について水道水や地下水などに含まれる暫定的な目標値を設定。健康影響の知見集積を進める「要監視項目」に位置づけている。

 ◇環境省調査で目標値を超えるPFOSとPFOAが検出された37地点

(値は1リットルあたりに含まれる合計量、単位はナノグラム)

自治体名(カッコ内は地点名) 検出値

埼玉県本庄市(新泉橋)    51.8

千葉県白井市(名内橋)   349.2

   柏市(下手賀沼中央) 191.0

   市原市(雷橋)    128.6

東京都立川市(地下水①)  337.2

      (地下水②)   67.7

   国立市(地下水)    84.4

   練馬区(地下水①)  108.4

      (地下水②)   93.0

   日野市(地下水)    94.1

   府中市(地下水)   301.8

   調布市(地下水)   556.0

   渋谷区(地下水)   154.2

   大田区(地下水)   135.1

神奈川県

   大和市(福田一号橋) 213.3

      (山王橋)   248.5

   藤沢市(六会橋)   110.5

      (下土棚大橋) 126.8

      (秋本橋)   107.0

      (富士見橋)   91.5

名古屋市港区

   (荒子川ポンプ所)  107.7

三重県四日市市(海蔵橋)  102.3

京都府八幡市(地下水)    85.3

大阪府摂津市(地下水)  1855.6

神戸市西区(玉津大橋)   145.6

   (上水源取水口)   105.4

兵庫県加西市(地下水)    73.1

奈良県生駒市(芝)      64.4

福岡県築上町(川尻橋)   145.9

大分市(別保橋)      142.6

沖縄市(元川橋)      475.0

   (ダクジャク川)   1508.1

沖縄県宜野湾市(チュンナガー)1303.0

   (ヒヤカーガー)   168.8

  (メンダカリヒーガー) 815.3

   嘉手納町(シリーガー)1188.0

   北谷町(インガー)   63.2

※環境省資料より。「地下水」の地点名は公表していない

 

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