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9月入学、9月新学期のメリットとデメリット

2020年05月01日 | 学校経営
 9月入学、9月新学期を求める声が上がっているそうだ。

9月入学というのは、海外ではポピュラーとのことである。

 9月入学とすれば、新型コロナウイルス対策で休校になっているが、学んでいない分の学習ができる。

 学力保障ができるというわけである。

 もう1つメリットがある。

 高校や大学での留学はしやすいだろう。また、切れ目が諸外国と同じになるので、優秀な教官を確保するのも(少しは)都合が良いかもしれない。

 メリットは、「学力保障」と「諸外国との足並みが揃う」ということになるだろうか。



 では、デメリット、というか課題となる点は何だろう。

 現場の教員としては、困るというか戸惑う点はいくつか上げられる。

その1
保護者の扶養が半年延びる。(家計の負担は増える)

その2
企業の採用が半年延びる

その3
幼稚園(保育園)は、半年分多くカリキュラム(教育の計画)を新たに作成しなければならない。

その4 
入学する児童の年齢は変えるのか?
 今は、4月生まれ~3月生まれで区切って入学する。学年の区切りは4月から3月のまとまりである。
 9月入学となれば、その区切りは変えるのだろうか?

 学力保障がねらいならば、約半年送らせて入学となるのだろうか。(つまり、これから先は、生まれてから6歳5ヶ月になった子が9月入学?)

 それとも、9月生まれから8月生まれまでで1学年の集団を形成するのだろうか?

(でも、今の4月~8月生まれの子達はどちらの学年に所属するのか?という問題も生まれるだろう)

その5 
小学校でのカリキュラム(教育の計画)の大幅な変更が必要となる

 教育は積み重ねていくものが多い。
 今は、春の行事から始まって夏秋冬と少しずつレベルアップするように計画を作っている。計画は、季節の行事や地区の行事と関わらせながら、スモールステップで作っている。

 4月から順々にレベルアップするように作っていることが多い。

 9月開始となると、今までとは違う計画作りが必要となる。

 例えば、社会科である。
 5年生では、米作りの学習をする学校も多いだろう。

 4月始まりならば、春の苗作り、田植えに始まって、草取り、収穫まで一連の流れを体験できる。

 9月入学となれば、稲刈りから学習し始めることになるだろう。学年の前半で収穫を体験した後、学年の後半(春になってから)苗作りや田植えを学習することになる。

 例えば、国語科である。
 4月始まりを想定して、季節に合わせて学習内容を設定している単元が多い。

 年度当初は、「春の河」「春のいぶき」という教材文を準備する。

 これらは春に関わる内容であり、学習が進んで行くにつれて、夏、秋に関わる内容が出てくる。



 1つ1つは、細かい問題かもしれないが、どの教科においても、季節と関わらせた学習内容が多くあるだろう。
 
 それらの変更をするのは、時間がかかるだろう。




9月に新年度を始めるのは、メリットよりもデメリットの方が(今のところ)多いような気がする。
コメント
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