砂糖業界が「砂糖は脳に必要」とか「砂糖は筋肉に良い」という宣伝しているのをよく見かけます。これは半分真実の巧妙な表現です。脳がグルコースを利用しているのは真実であり、筋肉の発達にも不可欠ですし、だから「砂糖は良いですよ」と砂糖会社は言っているわけです。砂糖はあらゆる「精製」食品に含まれています。砂糖の問題は砂糖だけにとどまりません。本来直接吸収的な糖であれば、それが三温糖であれ黒糖であれ同じです。砂糖は数ある食品の中でも最強に近い毒であるといえるでしょう。
糖化(glycation)についての弊害についてはいろいろいわれています。糖はコレステロールに影響を与え粥状動脈硬化を作り出すとされます。この糖化は活性酸素を生み出し過酸化を誘導し、糖化が進むと体内ではAGE(糖化最終生成物)が生成され、それが粥状動脈硬化を助長します。砂糖のような直接糖は細胞を崩壊させやすくなり、ウイルスや細菌にも感染しやすくなり、アトピーなどアレルギーにもなりやすくなり、いわゆるメタボの主原因となり、癌にもなりやすくなり、精神的にも人を狂わせます。
ブドウ糖がダメだからといって近日は果糖(フルクトース)が宣伝されたり使用されています。しかし実は果糖のほうがブドウ糖よりもさらに害が大きいのです。ブトウ糖も果糖も、要は糖なのですが、身体機能に及ぼす影響はまったく異なります。百年前の人々のように野菜や果物からだけフルクトースを得るならば、一日に15グラムほど摂取するだけであり、それほどの危険はないのです。野菜や果物で摂取する場合、繊維やビタミン、ミネラル、酵素、有益な植物栄養素と一緒になっているため、フルクトースのマイナスの代謝効果を緩和してくれると考えられます。繊維などは糖の吸収をゆっくりにしてくれます。
現在、食品や飲料の製造に使われている甘味料の55%は、コーンを原料としており、アメリカのカロリー源のナンバーワンは、HFCS(高フルクトース・コーンシロップ)の形態です。これは日本でもその傾向が強くなってきています。多くの人が体重を落とそうとして頼りにしている低脂肪ダイエット食品に、実は、往々にしてフルクトースが大量に入っていますが、そうした加工食品では繊維が除去されているため、糖分が吸収されやすく健康に害があるのです。
またスーパーで食品の成分表示を見ると、実に広範な食品に「異性化液糖」というものが入っています。この異性化液糖はたとえば清涼飲料水やスポーツドリンクの中にかなり入っています。スポーツドリンクなどはかなり健康的で体に必要であるかのようにCMしていますが、医学的に考えれば今のスポーツドリンクは、異性化液糖などの含有量が非常に多いうえ、危険な人工甘味料なども加えられており、かなり体に悪い飲み物です。またその名称の通り、大半がトウモロコシを原料として製造されていますが、このトウモロコシがほとんど遺伝子組み換え食品なのです。
これらが体に悪いことはわかっているのに、それでも体にいいと嘘や偽りが並べられながら、市販品や加工品に入っているのは、その裏にアグリビジネスや食品業界の利益優先主義があるということです。