珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

アナログ導入、その後

2012-08-17 20:36:28 | オーディオ
アナログ導入から、早くも3カ月が過ぎました。これまでデジタル一辺倒だったオーディオに、新しい楽しみが加わりました。当初、プレイヤーの強いオーラに戸惑いも覚えましたが、時を経てメインシステムにすっかり馴染みました。以前の記事でも紹介しましたがアナログを聴く比率は全体の3割~4割程度でしょうか。デジタルも最近、ちょっとした進展があって、双方いずれも楽しんでいます。両者には同じ軸では収まらない固有の面白みがあると感じています。


デジタルに慣れた耳でアナログを聴いた印象ですが、ざっと以下のようなものです。
・予想より低音の押し出しが強い
・空間の広がりはデジタルと同等
・ヴォーカルがリアル
・全般に音の粒がたつ、彫が深い
です。私が聴くジャンルを考えるとこれは、望ましい第一印象と言えます。

ただし、問題もあって、盤のコンディションや、トラックの位置(外周、内周)に影響はやはり気になるものです。ハマった時の音は胸騒ぐものがりますが、ばらつきがあります。ばらつき含めてアナログだと割りきるのは嫌なので、やはりレコード磨きやアナログ装置の調整に、これから入っていくのだろうと思います。先日、町田のレコード店PAMで話好きの店主に洗浄を教わってきました(超音波洗浄等、レコードのコンディションにこだわっているお店です)。

アナログの神髄は調整ですので、時間のとれた夏季休暇を利用して少々踏み込んでみました。一時、ベルトが外れて回らなくなり焦りましたが、自力で復旧できると経験値が上がります。トーンアームも内周優先にしました(付属のSMEのプロトラクターを使うとこうなります)。こうすることで、A面1曲目のパフォーマンスは若干落ちるのでしょうが、曲間のばらつきは減ります。理屈上とはいえ、曲が進むにつれトラッキングエラーが減るのは、心理的にも落ち着けます。


複雑な構造のSMEのトーンアームも実際に自分で動かしてみると、親近感がわきます。実際、プロトラクターの指示する条件を出すには、ベースの取り付けから見直しが必要でした。見た目にはどう動かしていいのか分からない状態でしたが、英語のマニュアル片手に挑戦です。あれこれ弄っている間に、概ねの機構は動かし方を理解できました。元々A面2曲目あたりがベストの設定になっていたようで、内周の歪は軽減しました。


アナログを導入して、逆に認識したのは、デジタルの良さです。同じ曲を聴くと大人しさを感じますが、すっきり感、S/N感の良さで上回っているとも言えます。パフォーマンスの安定感、再現性はデジタルの利点です。したがって音としての課題は、アナログはばらつきの低減、デジタルは全体的な底上げ(アナログが持つ、稠密感の追求)、となります。

ただ、冒頭でも書きましたが、アナログの魅力は音だけに留まらないですね。レコード店を回ってみると、アナログ全盛の70~80年代の盤が各ジャンル共に充実していることがわかります。当時何処ぞで存在していた”モノ”が、年月を経て手元にある不思議さがあります。自分が重ねた30年を眼前のレコードの溝も重ねていたわけです。今後10年、20年は共に過ごすことになるでしょう。そこにはCDでは得難いノスタルジーがあります。
コメント (4)
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