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ゴールデン・リタイアーズ

S20年生、後期高齢ゾーン、人生最終コーナー「遊行期」の
徒然残日写真録

141126 プロフェッショナルとは何か、俳優高倉健、それは「なりわい(生業)です!」

2014年11月26日 | アフターセブンティ

 俳優の高倉健さんが83歳で死去、その寡黙さ、ストイックな生き様というイメージでその死が惜しまれている。結構現場ではユーモアがあり話好きだったらしいが。遺作となった「あなたへ」は劇場で、TVアーカイブスで「動乱」、昨夜は「ホタル」をみた。

 (大宰府、戒壇院入口の紅葉)

NHKの高倉健特集。204本の映画の主役。大学をでて、食わんがために役者の世界にはいった。どうらんを塗りたくって人前に自分をさらす。落ちるところまで落ちたと思ったという。やくざの世界の任侠伝、網走番外地が大ヒット。なぜこんな映画に大衆は喜ぶのか。時代の反映だったのだろう。45歳で会社をやめ独立。「八甲田山」や「幸せの黄色いハンカチ」「鉄道員(ぽっぽや)」などで新境地を開いた。厳寒の八甲田死の彷徨の3年間の撮影、他の仕事をすべて断り、徳島大尉役に没入。ストイックなまでに役柄に没入、妥協を許さない。普段の生き様が映画に出るという信念。大作のあと5年は世間から姿を消す。私生活はベールに包まれる。

 「あなたへ」を映画で見た時、なくなった妻の遺言で散骨のために長崎にキャンピングカーででかける。嵐の中で船をだしてくれる漁師がいない。台風一過、大滝秀治演ずる老漁師が船をだしてくれ無事散骨が終わる。「あんな静かで美しい海は久しぶりだ」とぽつり、一言。高倉健は大滝秀治のこの一言の演技に感嘆の涙をもらす。この一言で海の仕事の厳しさ、生業の厳しさををしる。嵐で死亡したとみなされ、漁師の町を妻子を捨てて出奔した男(佐藤浩市)の罪を見逃し、みずから刑務所の仕事をやめ再出発をする決意をする。映画を見た時、最後のこの場面の深さはわからなかったがTVの特集でわかった。

(大宰府、観世音寺の紅葉)

プロフェッショナル、仕事の極意。プロとはなんですか。「なりわい(生業)」ですと健さんはこたえる。農業でも漁業でも大自然相手に寡黙に対峙するほかない。ちょっと手をぬくとしっぺがえしを食らう。

 高倉健さんは親族の冠婚葬祭にでたことがないという。仕事を3~4日休めば現場に多大な迷惑をかける。思えば私の現役時代の会社も顧客第一の名目のもと親の死に目に会えない覚悟で仕事をせよと洗脳されていてそんなことをいきがっていたきらいがあったね。家族をほったらかにして仕事に埋没しているサラリーマンは今も多いだろうね。それにしてはあまりに少ない報酬に甘んじている人が多いのではないかね

204本の映画の大半が前科者を演じてきたのに、文化勲章をいただけるなんて、見ている人はみているんですね、ありがたいことですと受賞時の健さんの感想。仕事いっぽんやりの夫を世の妻たちはどうみているのだろうか

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