ゆずの森加工場と金林寺を見てから、安田川沿いに村の道をぶらぶら散歩しながら宿に帰ってきて、11:30馬路発の高知東部交通のバスで馬路村を後にしました。
馬路村から高知市に帰る途中に少し寄り道をしてみました。
「安田中学校前」でバスを降り、すぐ近くの土佐くろしお鉄道の安田駅で奈半利行きの電車に乗換えました。12:48発、東へ一つ目の田野駅で12:52に降りました。
田野駅は道の駅「田野駅屋」を兼ねていて、お土産物や農産物の売り場と食事ができるお店があって、賑わっていました。
ここでお昼ご飯を食べて田野の町歩きにでかけました。
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昔ながらの家が街道沿いに並んでいます。
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これらの家の造りは、前に訪ねたことのある奈半利の町にたくさんあった漆喰壁造りの家に似通っています。
田野町と奈半利町は奈半利川をはさんですぐ近く、雨風のきつい気候の土地で、漆喰壁と水切り瓦の家の造りがこの地方の特徴になっています。
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酒屋さんの土蔵も漆喰壁に水切り瓦です。
濱之鶴酒造です。
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その近くにある「岡御殿」に行きました。
1844(天保15)年に建てられた豪商・岡家の屋敷で、土佐藩主が参勤交代や東部巡視の時に本陣として使った所です。
岡家は藩主山内一豊に従って大阪泉州から来た米屋でしたが、材木業、質屋業、回船業などで富を築き、田野五人衆の筆頭商人となり、名字帯刀、御目見え等の特権を許されていました。
展示資料館「岡御殿」
開館:9時~16時30分
休館日:火曜日、12月28日~1月2日
料金:大人500円、中高生300円
別に1000円でお殿様、お姫様の衣装着用体験をすることができます。
田野駅より徒歩7分
敷地内には御殿、茶の間、土蔵、御成門などの建物が保存復元され、藩政末期の雰囲気を伝えており、三つの展示室に岡御殿の歴史、建築的特徴、岡家に伝わる品々が展示されています。
建物は格式のある書院造りで、高知県の有形文化財に指定されています。
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玄関に昔の籠が置かれていました。戸や肘掛がついており、裕福な町人が使っていたものです。
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三間続きのお座敷。手前から、控の間、次の間、上段の間。
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次の間には大床があります。
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上段の間は一段高くなった殿様が休憩した部屋で、本床と脇床があります。
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その部屋の付書院。
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廊下側から見た付書院。廊下は畳廊下の外側に板廊下がめぐらされています。
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その上部の組木細工と釘隠し。
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上段の間から廊下側を見ると、部屋の隅の柱が4本重なって見え、殿様が庭を見るのに妨げにならないようになっています。
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欄間の組子細工もいろいろの種類があります。
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釘隠し。
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庇下には扇垂木が美しく配置されています。
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庭の木・姥目樫(ウバメガシ)が刈り込まれて五本で一体の龍のように仕立てられ、東の庭の風水、青龍を現わしています。
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お殿様のためのトイレ(砂雪隠)。
他に湯殿(浴槽はなく、殿様が水や湯をかぶり、身体を拭くための浴室)もありました。
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裏庭と土蔵。
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少し離れた所には旧岡家住宅(通称:西の岡邸)があり、岡家の分家で、脇本陣として随勤の重臣などの宿泊に当てられていた家でした。
こちらは無人で、自由に見学することができました。
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西の岡邸の玄関。
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お座敷。
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こちらの施設は一時期倒壊の危機に瀕していたところ、地域からの声を受け建物の修復を行いましたが、庭が手つかずの状態だったので、タレントのユージさんも手伝ってここまできれいに修復されたそうです。
田野町には、この他に総理大臣浜口雄幸旧邸、海岸沿いの天日製塩施設、ちりめんじゃこ製造地、野根山二十三士処刑跡(土佐勤王党の武市半平太救出と藩政改革を訴えて、安芸郡の23人が決起し、野根山街道から阿波に抜けようとしたが、捕まって奈半利川河原で処刑された)などがありますが、時間がなくて、また今度にしました。
田野発15:03、高知着16:22の土佐くろしお鉄道の電車で帰ってきました。
馬路村への旅はこれでおしまいです。