ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

京の夏の旅2013(3)大雲院祇園閣

2013-07-25 00:15:57 | 建物(京大以外の京都府の)
大雲院は1587(天正15)年、正親町天皇の勅命により織田信長・信忠親子の菩提を弔うために創建されたお寺で、大雲院は信忠の法名です。
最初は烏丸二条(現・国際マンガミュージアムの地。元そこに龍池小学校があったのも龍池山大雲院からきている名前だとか。)にありましたが、豊臣秀吉により寺町四条南に移され、1972(昭和47)年に島屋京都店増床に伴い、高島屋が所蔵していた現在の地、東山区祇園町の円山公園南側に移転しました。


お寺の伽藍の中で特に目を引く塔のある建物は、祇園閣です。



これは1928(昭和3)年に建築された建物で、大倉財閥の創始者、大倉喜八郎が別邸とし建てた「真葛荘」の一部で、鉄筋コンクリート造三階建て、屋根は銅板葺きで、金閣、銀閣に次ぐ銅閣として作ったものです。祇園祭の鉾を模したもので、設計は伊東忠太、国の登録有形文化財です。
大雲院がここに移築してくるにあたって、昭和48年に祇園閣一階正面に阿弥陀如来像を安置し、昭和63年に内部壁面に敦煌壁画の模写が描かれました。

お寺らしからぬ塔があるなと思っていましたが、元々お寺の伽藍として建てられたものではなかったのだ。(今頃になって初めて知った)



西側の民家越しに塔を眺めたところ。

残念ながら祇園閣の中と閣の上からの眺めも撮影禁止でしたが、東山から比叡山、北山、京都市街と絶景を見渡すことができ、「絶景かな、絶景かな。」でした。




鉾の頂きには鶴が飾られています。



塔の前の阿形の獅子像。


吽形の獅子像。
祇園閣の中にも、天井の十二支の装飾や、階段部分の鬼(魑魅魍魎)の照明など、伊東忠太らしい独特のデザインがあちこちにあったのですが、撮影できなくて残念。




円山公園野外音楽堂と通りを隔てて西側にある総門。
東京の宮家から移築された門と言われています。



鐘楼は豊臣秀頼が北野天満宮に寄進したもの、中の梵鐘は八坂神社所蔵の室町時代のものでしたが、維新後の神仏分離でともに不要とされていたものを佐土原島津家が大雲院に寄進したものです。



鐘楼の横に「佐土原藩戦没招魂碑」がありました。
佐土原藩は宮崎県にあった薩摩藩の支藩で、戊辰戦争の時に江戸上野山の戦いや会津戦争で新政府軍として戦い亡くなった藩士達60名が弔われています。



この他に、書院(旧大倉家京都別邸)も国の登録有形文化財に指定されていますが、今回は非公開でした。

龍池会館の宝物展示場には、富岡鉄斎によるお茶道具や書画もたくさん展示されていました。
境内の墓地には富岡鉄斎や石川五右衛門のお墓もあるのだそうです。

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京の夏の旅2013(2)祇園甲部歌舞練場庭園

2013-07-24 23:25:15 | お庭
さて、いよいよ歌舞練場のお庭拝見です。


つなぎ団子の欄間のある広間から



お庭に降りると、


八坂倶楽部(左)と歌舞練場別館(中央)に挟まれて池泉回遊式の庭園がありました。








池の一部を網で覆っているのは、魚の保護のためかな?




奥の方には瀧が落ちていました。








格狭間に十二支が彫りこまれた灯籠もあり、




お茶室もありました。
この地は元は織田有楽斎の屋敷があった所と言われているので、有楽斎の茶室「如庵」と同じ名前がつけられているのだそうです。


水量も豊富で大きな木が森の雰囲気を醸していて、こんな街中にこんなに広いお庭があったとは思いもしませんでした。
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京の夏の旅2013(1)祇園甲部歌舞練場

2013-07-24 22:51:36 | 建物(京大以外の京都府の)
今年も京都の夏期文化財特別公開「京の夏の旅」が開催されています。

2013年7月13日(土)~9月30日(月)の間ですが、施設によって公開の日に変更があります。
10:00~16:00(受付終了)、料金は1ヶ所につき大人600円、小学生300円です。


先ず、最初は祇園甲部歌舞練場に行きました。

四条通りから風情のある花見小路の石畳の道をさがった所に歌舞練場の門があります。
観光バスでそのまま乗り入れられる大きな門です。


京の夏の旅の公開は庭園だけですが、建物も外観だけ見させていただきました。

門を入ってすぐ左にあるのが弥栄会館。
1936(昭和11)年建築
設計は大阪の松竹座・東京の日劇をも手がけた大林組の木村得三郎、登録有形文化財です。
鉄骨鉄筋コンクリート造り5階建てですが、周りの景観に合わせて、和風を取り入れた帝冠造りです。


ここは、毎日18時~と19時~に京舞をはじめ茶道、琴、華道、狂言など日本の伝統芸能を約1時間で観賞できるギオン・コーナーとなっています。
お手軽に舞妓さんの踊りを楽しむことができるのですね。


その右にあるのが、祇園甲部歌舞練場本館。さらに右側が同別館。(どちらも国登録有形文化財)

歌舞練場本館(左)は1913(大正2)年築、木造二階建てで毎年4月に1ヶ月間「都をどり」が上演される場所です。
「都をどり」は明治5年に東京遷都した京都の再興をはかって京都博覧会が開かれた時に附博覧(余興)として開催されたのが始まりで、それまでお座敷芸だった舞を集団で踊り大勢で鑑賞する舞台芸能にしたものでした。
「都をどり」の会場は最初建仁寺塔頭清住院を借りていましたが、この本館ができてからはこちらで行われています。戦争中は何と、大型風船爆弾製造工場として軍用に供され、戦後は進駐軍のダンスホールに使われていたこともあるそうです。

歌舞練場別館(右)の二階は「都をどり」の時にはお茶席として使われているそうです。

実は、まだ一度も「都をどり」を見たことがないので、中は見たことがないのです。


さらに右側にあるのが、八坂倶楽部の建物。これも国登録有形文化財です。
1916(大正5)年に大正天皇即位の饗宴場として建てられた木造二階建ての建物で、一階は「都をどり」のお茶席待合場として使われています。
今回はこちらの建物から入ってお庭の見学をさせていただきました。



一階大広間の欄間は祇園のシンボル「つなぎ団子」がデザインされています。




「都をどり」の衣装や十二単などが展示されていました。

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2013年祇園祭 還幸祭

2013-07-24 21:23:02 | ぶらり都めぐり
祇園祭は7月31日まで、まだまだ続いています。




今日たまたま祇園の方に出かけた花見小路で思い出しました。
そうだ!今日は還幸祭の日だった。



八坂神社前四条通りの喫茶「カトレア」さんでも御神酒賛助のお札が貼ってありました。


で、四条通りを西に向かって歩き、四条寺町の御旅所前に行きました。


お旅所では3基のお神輿のうち1基はすでにお発ちになった後で、残りの2基が鎮座していました。




四条通りはハッピ姿のお兄さん達で埋まっていました。




しばらく待っていると、2基ともお旅所から担ぎ出されてきました。





お神輿が四条通りに出てからも、長い担ぎ棒の上に縄で固定されたりするのに大分長い時間がかかり、





いよいよお神輿が動き始めました。
その場で5回さし回し。掛け声は「まわせー、まわせー」と言っていたようでした。




1回大きく上に差し上げられて、




東御座は西に向かって「ほいっとー、ほいっとー」と練り歩いていきました。
(午後6時頃)

この後、3基のお神輿はそれぞれのコースを練り歩いて、最後は八坂神社に還御されます。八坂神社に着くのは夜の9時から12時頃になるそうです。


これまで祇園祭宵山や山鉾巡行は何度も見ているし、お神輿が御旅所に鎮座しているのも見てきましたが、お神輿のお練りを見るのは今回初めてでした。
お神輿を担ぐお兄さん達の迫力は勇壮なもので、普段「○○どすわなあ」とかしゃべっている京男と同じ人達とは、どうも理解に苦しむ一面です。



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2013年下鴨神社みたらし祭

2013-07-22 16:06:43 | ぶらり都めぐり
毎年参拝している下鴨神社のみたらし祭、今年は最終日に行ってまいりました。




















ペットボトルを持っていって御神水をもらってきたので、おいしいコーヒーでもいれましょう。


2010年のみたらし祭

2008年のみたらし祭

2007年のみたらし祭
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2013年祇園祭 山鉾巡行

2013-07-17 18:29:27 | ぶらり都めぐり
今年の祇園祭山鉾巡行は楽チン見物を決め込んで、御池通り北側のビル3階から。
冷房の効いた部屋で座りながらという特等席でした。



しかし、御池通りの欅の木が茂っていて、見える瞬間は短く、最大にズームアップしてもお見苦しくて(汗)。

先頭の長刀鉾が御池通り室町までやって来たのは11時半頃になってからでした。





今年のくじ一番の郭巨山。
中国二十四孝の一人、郭巨が金の斧を掘り当てて母親に孝行を尽くしたという故事を表しています。




保昌山。
和泉式部のために紫宸殿に忍び込み、紅梅を盗み取ろうとする平井保昌の姿を表しています。




函谷鉾。




しぇるさんお手製のチマキをいただいた綾傘鉾。





からくりカマキリが屋根の上で動いている蟷螂山。





鶏鉾。





月鉾。




岩戸山。
いざなぎの命の御神体が屋根の上に載っています。




船鉾。




八幡山。
左甚五郎作と言われる二羽の鳩が鳥居の上で向かいあい、夫婦円満のしるしと言われています。



鯉山。
左甚五郎作と言われる鯉が鳥居の下ではねています。





南観音山。





北観音山。
この辺りまで来ると、新町通りを下って元の町内に帰っていくために、山や鉾の順番がだいぶ変わってきています。




来年復活する予定の大船鉾は、今年は唐櫃にご神体の面を入れて巡行しています。




大船鉾のお囃子も一緒に巡行していました。



今年の巡行はやや曇りがちで、雨も降らなかったので、やれやれのお天気でした。

来年からは前の祭(長刀鉾~船鉾)が7月17日、後の祭(橋弁慶山~大船鉾)が24日に巡行することになるので、全ての山鉾が巡行するのを一日で見られるのは今年で最後になるようです。

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2013年祇園祭 屏風祭

2013-07-16 17:46:05 | ぶらり都めぐり
宵山の山鉾町はものすごい人混みでとても歩けたものではないので、昼間に通りすがりに旧家の表の間に屏風等の美術品が飾られている「屏風祭」をちらっと見せていただきました。



先ずは、霰天神山で昨年いただいたチマキをお返ししました。
お蔭様でこの一年火災にも落雷にもあわずに過ごすことができました。


その後新町通りを上がって、

藤井絞さんには北観音山の模型と狩野派の屏風が、そして床には赤穂緞通が。




無名舎吉田さんところには何やら現代アートが飾られていて、坪庭を隔てた奥のお座敷ではお客様のご接待が行われていました。



伴市の屏風は光琳風。




垂涎の赤穂緞通がぎっしり敷き詰められています。



八幡山の町内では、今年各家の前に掛ける幔幕を新調して配られたそうで、格調高い祭の雰囲気が感じられました。




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2013年祇園祭 宵々々々山

2013-07-13 23:07:25 | ぶらり都めぐり
7月13日、これまで暑い暑い毎日が続いていたのに、この日に限ってお昼頃から突然大雨になってしまいました。
通り雨かと思ったら、雷がなり、いつまでも止む気配がなく、夕方の宵々々々山散策も雨に濡れながらとなってしまいました。
でも、おかげで大分涼しく見てまわることができました。

鉾や山はもう建ちあがっている所もあり、まだ骨組だけという所もありました。


白楽天山。



白楽天山の会所。




月鉾。誰かの傘がかぶってしまいました。




月鉾のチマキ売り授与のお嬢さん達。



四条通りから新町通りを下がって、


大船鉾の会所。




禁門の変で焼け残ったご神体(神宮皇后)と御幣等が飾られています。
昨年から唐櫃での巡行参加が実現し、いよいよ来年から復元された鉾での巡行が復活します。




大船鉾の手ぬぐいを買って帰りました。





お隣の船鉾では雨の中びしょ濡れになりながら鉾飾りが行われていました。




岩戸山。





綾小路通りに入って、杉本家住宅が会所になる伯牙山。
杉本家の屏風公開は14日からでした。





綾傘鉾。



綾傘鉾の会所は大原神社で、お参りすると巫女さんが頭上で鈴をならしてお祓いをしてくれて、そのうえご神酒までいただけました。
何しろ縁結びの御利益があるということなので、これはお参りしなくては。。。と。



チマキもいただいて帰りました。
団扇はおまけで。

ここのチマキは先日ブロブお友達のしぇるさんが作成を手伝われたものなので、もしかしたら、これがしぇるさんの手になるありがたーいチマキかもしれません。






四条室町下ルまで戻って、鶏鉾。



コンチキチンとお囃子が演奏されていました。


今日はまだ人出が少なく歩きやすかったのですが、明日からはどんどん人出も増えていき、祭りが盛り上がっていくことでしょう。
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西陣のパンケーキ屋さん

2013-07-05 19:52:52 | ぶらり都めぐり
旧西陣電話局の建物を見たあと、西に歩いて堀川通りを越え、大宮通りを北に向かうと、大宮今出川より南の一帯は昔「千両が辻」と呼ばれた程、商いで栄えた地域です。




大宮通りに面してあるパンケーキハウス「カフェ・ラインベック」。


町家を利用したお店でニューヨークスタイルのパンケーキをいただくことができます。



パンケーキはふわふわでとっても柔らかでした。

姉妹店である「Cafe&Pantry 松之助」のケーキやキッシュもあります。




京都府京都市上京区大宮通中立売上ル石薬師町692
営業時間 8:00~18:00(L.O.17:30)
月曜・火曜(祝日の場合営業)は休業なので、ご注意を。
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旧西陣電話局

2013-07-05 19:21:50 | 建物(京大以外の京都府の)
堀川中立売から東に一筋入った中立売通り油小路にある旧西陣電話局。
1922(大正10)年建築、設計は岩本緑です。



正面柱の上にある裸婦の彫像とその周りの半円形の中にぎっしりと彫られている踊る女性のレリーフが何ともユニークです。
大正の時代にこんな建物が現われた時は相当ショッキングだったのではないでしょうか。



一番上側にはライオンの頭部が突き出ています。



油小路側の側面天井部分も



踊る女性像のレリーフで覆われています。



ちょっとだけ建物の中に入ってみると、えらく近代的に改装されていました。
奥の方には個室がたくさん並んでいて、貸し部屋のように使われているようでした。

とにかく、29歳で没した岩本緑の作品としては唯一現存しているものであり、ユニークな建築デザインのこの建物は、いつまでも残してもらいたいものです。
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