京都府立植物園と府立大学、旧総合資料館の一帯、京都府が言う「北山エリア」が開発変更されるという計画があることを知り、2020年11月14日に一人でウォッチングに行ってきました。
植物園正門に到るケヤキ並木は紅葉して色鮮やかでした。
大きな幹に育ったケヤキの並木。
並木の横にある府立大学のグラウンド越しに比叡山方向の山並みが見えます。
右手に見える白い建物が現在の府立大学体育館です。あまり高くないので、風景に溶け込んでいます。
植物園正門横の駐車場。府立大学体育館が1万人規模のアリーナになると、この駐車場を潰して、人や車の出入口になり、ケヤキ並木へと行列が続くことが予想されます。
植物園に入り、バラ園と西洋花壇に進みました。
正面に比叡山が見え、京都で唯一、人工建築物なしで比叡山が見える絶景です。
西洋花壇の東奥、遊歩道の辺りには植物園と府立大学を隔てる木々が茂っています。
その森の中は鬱蒼としていて、小鳥の声が始終聞こえています。
アリーナができると、この辺りの木も切られて、人が自由に出入りできるようになるかもしれません。森の静寂と小鳥の生態系が失われることが危惧されます。
植物園の北泉門を出て、府立大学の敷地に入りました。
これが現在の体育館の建物です。老朽化していて、授業はできないそうですが、一部のクラブ活動では使われています。
なかなか美しいフォルムの建物、このまま改修して使えないものでしょうか。
他の府立大学の建物もみんな老朽化し、耐震改修もされないまま放置されているのに、その改修は後回しで、体育館だけを1万人の観客が入れるアリーナにして、学生だけでなく、民間の商業利用ができるようにするというのです。府立大学の学生がかわいそうです。
大学会館も古そうでした。
府立大学から北側に出ると、総合資料館の代わりにできた「京都・歴彩館」があります。図書館なのに、ほとんどガラス張りの軽そうな建物です。
その向かいにある稲盛記念館は府立大学・府立医大・京都工芸繊維大学の3大学共用の教養教育のための教室として使われています。
「たまごカフェ」という食堂もあって、一般人も入れるようになっています。
コンサートホールの向こうに比叡山が見えます。
ここには府立大学の農場があって、農園風景の緑が広がっていたのに、精華町に移転させられてしまいました。
歴彩館と稲盛記念館の間から北へ、コンサートホールの裏側に広い通路ができて、南北プロムナードと称しています。アリーナへの1万人の通路にしようとしているようです。奥の方の左手には宿泊・飲食のための高い建物が建てられる予定です。
旧総合資料館の建物。閉館になってから何年もそのままになっていますが、京都を代表する建築家、富家宏泰 設計の代表的な建物、横に広がる伸びやかで風格のある建物です。壊さず、改修して利活用できないものでしょうか。
北山エリアの現状を見て回り、これが壊される前の姿を画像に残しておこうと思いました。しかし、この自然環境、文化環境、住環境、静かな生態系、景観が壊されていくのを黙って見ているわけにはいかないと、改めて思いました。