正式には、京都大学大学院理学研究科附属花山天文台、京都市山科区花山大峰町の山の上にあります。
申込み先着500名の受付で、京都府と京都市の教育委員会も後援しているので、親子づれで来ている方達もたくさんいました。小さい時から天文や天体の科学に興味を持ってもらおうというねらいでしょう。施設の公開、展示陳列と天体観望会、講演会、クイズラリーなどが行われていました。
13:00~20:30の間にいつ行ってもよくて、地下鉄蹴上駅から天文台まではシャトルバスの送迎(有料)があったので、とても参加しやすかったです。
花山天文台には本館、別館、新館、歴史館、太陽館の5つの建物があり、すべて公開されていました。
京大の天文台は元は時計台の近くにあったようですが、東大路通りに市電が走るようになった頃からは周りの明りで天体観測ができなくなったため、この山科花山の山頂に移転してきたのです。
本館は1929(昭和4)年築の建物。
建物のあちらこちらが曲線になっていていかにもレトロチックです。
あちらは1930年の建築、同じ京大の営繕部技官の設計によるからでしょう。
建物の東端。
入口横の丸窓。
地下に向かう階段も丸くカーブしています。
展望ドームに上がる階段。
9mドームに口径45cm屈折望遠鏡が据えつけられています。
でっかいです。
接眼レンズが望遠鏡の中央付近でとても高い位置にあるので、移動式階段に上がって覗かねばなりません。
歴史館。
元は昭和4年に開館した子午線館で、子午線を計測して、精密な時刻を出すなどの目的のために使われていましたが、近年はその活躍の場を失い、解体されるという話も出ていました。
しかし、この建物が大正から昭和の洋式木造建築として、日本の建築学史上貴重な建築物であるとの指摘もあり、花山天文台歴史館として修復保存されることになりました。
中央部分の屋根が左右に動いて、子午線を観測できるようになっています。
この天文台がこの地に作られた沿革や、歴代の観測機械などが展示されています。
別館。
5mのドーム内に口径18cmの望遠鏡が据えられています。
この望遠鏡は京大が所有する中で最も古い望遠鏡の一つです。1910年のハレー彗星接近の折りに、ザートリウス社(ドイツ)より京大が購入し、その後1986年にもハレー彗星の観測に使われました。
現在はリオフィルター、CCDカメラが取り付けられ、太陽望遠鏡として研究成果を挙げています。
この日はあいにく雲の多いお天気でしたが、ちょうど雲の晴れ間が出てきたので、この望遠鏡で月面のあばたを見させていただきました。ラッキーでした。
歴史館と別館の向こうに山科の街並みの夜景が広がっています。
ここ花山の地も環境悪化(光害や大気状態の悪化)により、1968年に新設された飛騨天文台に天体観測の中心の地位を譲りましたが、今では観測データの解析・研究や学生・院生の教育、高校生の実習などへの教育活動に寄与しているそうです。