2010年12月20日、「サウナの梅湯」が臨時休業だったため、近所をぶらりと歩いてみました。
梅湯から一筋南に行くと、正面通りがあり、東に行くと鴨川に突き当り、正面橋があります。正面通りというのは、鴨川を渡った東側に豊臣秀吉を祀る豊国神社と方広寺大仏殿 があり、それに向かって正面だということからだそうです。

正面橋の西端から東を見たところ。

橋の西のたもとに、どうしたことか、路上に釣り鐘が一個置かれています。
横の看板を読んでみると、仏具店さんが立てたもののようなので、この鐘も仏教福祉の意味があるのでしょうか?

正面橋より西に一筋の角に、眼科・外科医療歴史博物館があります。
奥沢眼科と竹岡外科に保存されていた江戸時代からの医療器具など3000点が展示されていて、メールで予約して行くと無料で見ることができるようです。
そこから東にすぐのところに任天堂旧本社があります。京都市下京区鍵屋町342 。

1933(昭和8)年の竣工、増岡建築事務所の設計です。

表は事務所のビルで、奥まって工場風の建物が続いています。

右のプレートには「トランプ・たるか(かるたを右から左に書いてある?) 製造元 山内任天堂 京都正面大橋西」と書いてあり、

左のプレートには「PLAYING CARDS THE NINTENDO PLAYING CARD CO」と書いてあります。
1889(明治22)年の創業、花札からトランプの製造で成功 し、今ではゲームの一大企業になり、京都市南区上鳥羽に本社が移っています。この建物は1959年まで本社として使われ、その後営業所として活用されていたようです。

しかし、今回旧社屋の前に新しい建築計画の表示が立てられていて、2021年4月までに改修して、夏にホテルになることがわかりました。
ホテルは安藤忠雄建築研究所が設計監修、ノム建築設計室が設計、大林組が施工を担当し、既存建物の改修と西側に一部新築が行なわれる予定で、客室数は約20室、宿泊者用の施設としてレストラン、バー、ジム、スパなどを備えるそうです。
コロナ禍の時代になってもまだホテルの需要があるのか、危ぶまれるところですが、重厚感のある建物が外観上は一応残されるようなので、 とりあえずはよかったということでしょうか?