今回の「まちかどの近代建築写真展」が開催された場所は、JR甲府駅北口広場に建っている藤村(ふじむら)記念館、これも素敵な近代建築でした。

元は1875(明治8)年に現在の甲府市亀沢(旧睦沢村)に睦沢学校として建てられた校舎です。
昭和32年までは学校の校舎、昭和36年まで睦沢公民館として利用され、老朽化により取り壊し寸前のところ、保存委員会の手で昭和41年武田神社境内に移築復元され、「藤村記念館」という命名され、甲府市に寄贈されました。
その翌年には国の重要文化財の指定を受け、昭和44年から郷土の民俗・歴史・教育・考古資料を展示する資料館として開館してきました。
平成20年甲府駅周辺区画整理事業に伴って、建物を解体、ここに移築復元されてきたものです。

建物の構造は明治初期の擬洋風建築の特徴をよく現しています。
第5代山梨県令藤村紫朗が公的な建物を擬洋風で建てることを奨励したため、甲府市中心部のこの近くには県庁、銀行、裁判所、公会堂、糸繰り工場など、藤村式建築と呼ばれる同様の建物がたくさん並んでいたのです。

正面玄関部分と、

その上のバルコニー。



他の藤村式建物の写真もありました。
建物はNPO法人甲府駅北口まちづくり委員会が管理していて、月曜日休館、午前9時から午後5時まで開館していて見学することができます。