ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

深泥池

2020-07-13 23:18:35 | 松ヶ崎村風土記
6月15日と7月12日に、京都市北区上賀茂狭間町にある深泥池(「みどろがいけ」、昔は「みぞろがいけ」と呼ばれたこともあります)観察会に行きました。


京都盆地の北端、松ヶ崎と上賀茂の中間あたり、山の麓から湧き出る地下水が、鴨川扇状地の堆積物によってせき止められ、およそ1万年前までに、湿地と池となりました。中程には水生植物が浮き島を作っています。氷河期から続いている池で、その時代の植物が今も生存している貴重な池です。

池には多様な植物が生育しています。ミツガシワやホロムイソウのような寒冷地に分布する植物や、ジュンサイのような各地に自生する植物、タヌキモやモウセンゴケのような食虫植物、オオミズゴケ、ハリミズゴケ、ヌマガヤ、イヌノハナゴケといった高層湿原(ミズゴケ湿原)の構成種が共存しています。約60種ものトンボが生息しており、これは、日本に分布するトンボが約200種いるなかでその4分の1以上が分布していることになります。また、フナ、ヨシノボリ、スジエビ、クサガメ、ニホンイシガメなどの池に生息する動物や、ヒドリガモやルリビタキを始めとして、晩冬期を中心に170種の野鳥の飛来が確認されています。1930(昭和5)年には、日本で初めてミズグモが発見されるなど、希少動物にとっての数少ない生息地でもあります。
1927(昭和2)年6月14日に、植物群落が「深泥池水生植物群」として国の天然記念物に指定され、その後、1988(昭和63)年に「深泥池生物群集」として生物群集全体に対象が広げられました。また、2002(平成14)年に発刊された京都府レッドデータブックには「要継続保護」として掲載されています。



6月の観察会では、ジュンサイの実物と花の写真を見せてもらいました。花は紫色、水面に浮かんでいる楕円形の葉の下の水中に新芽があり、これがヌルヌルの粘液で覆われていて、食用にされるところです。深泥池のジュンサイは、北大路魯山人が「京の洛北深泥池の産が飛び切りである」と評したものでした。北大路魯山人はこの池の西側、上賀茂神社の社家の家に産まれました。


池の南西端から水が流れ出る場所があります。雨がたくさん降って池の水量が増えると堤防を越えて水が流れ出るようになっています。
池に流れ込む川はなく、池の水は湧き水と雨による水だけで、弱酸性が保たれていますが、東側の「妙」の山の頂上にある松ヶ崎浄水場の貯水池の水道管が老朽化して、水道水が池に流れ込み、アルカリ性が強くなってきました。ジュンサイはアルカリ性の水には弱く、ほとんど見られなくなった時期もありましたが、水道水の流入を止めたことによって、再び初夏から秋にかけて水面に見られるようになってきました。


7月の観察会では、ヒメコウホネについて聞きましたが、花の咲いている場所は岸からは遠かったので、写真でしか見ることができませんでした。代わりに、近くに咲いていたのはタヌキモの花でした。金魚藻のような水中の葉から水面上に伸ばした茎に小さな黄色い花を咲かせていました。水中の茎には丸い粒状の塊(捕虫嚢)がたくさんあり、水圧を変化させることによって水中の動物プランクトンなどを水と共に吸いこみ、栄養にする食虫植物です。


ジュンサイの葉と、所々に突き出しているタヌキモの花。

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石弥勒がお引越し

2019-10-03 01:34:41 | 松ヶ崎村風土記
松ヶ崎北山通りの民家の庭先にあった石弥勒(2004年)。 平安時代、延暦寺の末寺の一つ歓喜寺の頃に作られたという古い石仏です。

最近気づいてみると、いつのまにか松ヶ崎大国天の本堂の前にお引越ししていました。






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松ヶ崎村の彼岸花

2019-10-03 01:04:45 | 松ヶ崎村風土記
松ヶ崎の水路脇に咲く彼岸花、10月2日にはもう終わりかけていました。









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鴨川~松ヶ崎疎水~高野川 桜が満開

2017-04-09 22:26:57 | 松ヶ崎村風土記
3月末から4月になっても例年にない寒さが続き、今年は桜の開花が随分遅れていましたが、4月第一週を過ぎて京都でもやっと満開になってきました。
しかし、週末は雨の日が続き、なかなかお花見に行けず、9日になって雨の止み間にやっと近場の桜を見てまわることができました。


府立植物園の側の鴨川堤防に続く紅しだれ桜並木では、8・9日の二日間例年のように「鴨川茶店」が開催されていました。




ほとんどのしだれ桜はまだこれくらいの咲き具合でした。




少しだけ咲き進んでいたのはこのようにきれいな花でした。




鴨川堤防のソメイヨシノは満開になっていました。




北大路通り府立大学前のバス停辺りから南西に向かって鴨川を越えると紫明通りに続く斜めの道は、実は松ヶ崎疎水通りが暗渠になって下を流れている通りです。その道の中央分離帯には桜並木が続いています。奥に見えるのは比叡山です。




北大路通りを北に越えると、疎水が暗渠に入り込む口があります。




そこから東に向かって疎水ベリに桜並木が続いていて、今が見頃の松ヶ崎疎水通りです。




閑静な住宅街の中に緑の疎水の両側に満開の桜並木が続いていて、人通りも多くなく、ゆったりと花見を味わうことができます。




あまり人に教えたくないお花見の穴場です。








松ヶ崎浄水場の前で今度は疎水が高野川を越えて流れ込んでくる口が開いています。




高野川の堤防も桜が延々と続いて見事です。








川端通り。




しかし、税金の無駄使いをする無粋な橋工事も強行されていました。




高野川を渡っても疎水は続き、一乗寺、北白川、哲学の道、南禅寺界隈へと続きます。こちらから流れて行くのではなく、琵琶湖から流れてきて、今日見て来た流れを逆に流れ下っていくのです。
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松ヶ崎疎水のスイセン

2017-03-09 17:23:11 | 松ヶ崎村風土記
松ヶ崎疎水の土手にスイセンがたくさん咲いています。風に乗っていい香りがしてきました。
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比叡山に雪が

2017-02-09 02:11:53 | 松ヶ崎村風土記
     

2月8日の昼間、比叡山にうっすらと雪がかかっていました。京都盆地の北側、北山の方は冬の間雪を被っている日が多いのですが、比叡山まで白くなる日はそんなに多くありません。
明日以降もまだまだ降りそうです。寒い!毎日が続いています。
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高野川の桜

2016-04-02 23:34:04 | 松ヶ崎村風土記
今日は高野川の桜が見頃なので、高野橋から南下、鴨川との合流点・三角州まで散歩しました。






写真には写っていませんが、大勢の人がお花見に出ておられて、あちらこちらでお弁当を広げる人、写真を撮る人、散歩を楽しむ人など、それぞれに春を満喫しておられました。




桜は8分咲きというところでした。
この翌日からは雨の日が続くらしいので、果たして満開の花見が楽しめる日が来るのか、ちょっとあやうい今年の春です。
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菜の花畑

2016-03-14 00:20:01 | 松ヶ崎村風土記


3月1日には雪化粧していた畑ももう菜の花が咲き始めていました。
この季節松ヶ崎では「菜の花漬」を作るための菜の花を作っている畑があります。この畑では夏にはお米が作られます。
花が咲く日には朝早く蕾を摘むので、畑が満開で一面に黄色くなることはありません。

畑の周りは鹿よけの電気柵で囲われています。
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2016年3月1日の雪

2016-03-04 02:01:21 | 松ヶ崎村風土記
3月1日朝起きて見ると今年2回目の積雪、昨夜から降り始めた雪が約3cm程積もっていました。


松ヶ崎の田んぼに積もる雪。
山裾に広がる墓地は、詩仙堂を造営した石川丈山が最初松ヶ崎に住もうとした地に墓地があったので修学院のほうに変更したという、その墓地かもしれません。




比叡山は雲の中に隠れていました。
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菜の花漬

2016-02-05 23:17:15 | 松ヶ崎村風土記

村の名産品


菜の花漬は花漬とも言い、べっ甲色で少し酸っぱく、独特の醗酵したにおいがします。塩漬けですが、その中に糠袋を入れたり、鷹の爪を入れて漬ける家もあり、それぞれの家の味があるそうです。
言い伝えでは、菜の花は昔は菜種油をとるために植えられていて、多くとれるように「一番花」を摘み取っていたのを、明治の初め頃、辻之町の甚兵衛のおばあさんが、その摘花をもったいないと塩漬けにしたのが始まりだといわれています。


菜の花畑
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松ヶ崎村の四季

2016-02-05 23:17:10 | 松ヶ崎村風土記
(順次書き加えていきます)

松ヶ崎村の四季
  春
    松ヶ崎疏水の桜(2006年4月9日)
    高野川の桜(2006年4月9日)
    田植えの後(2003年6月10日)

  夏
  
  秋
    刈り入れ風景(2002年10月6日)
    松ヶ崎橋より見た高野川(2007年12月2日)
    松ヶ崎村の秋(2009年9月)
    松ヶ崎村の秋(2005年10月)
    秋色の松ヶ崎村(2014年10月)
    松ヶ崎村の晩秋(2005年12月)
    秋深まる松ヶ崎疏水(2007年12月)
  

  冬
    (2016年3月1日)
    (2016年3月1日)


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松ヶ崎村界隈

2016-02-05 23:17:01 | 松ヶ崎村風土記
(順次書き加えていきます)

京都、洛北、”妙””法”の山の麓、ほぼ北大路通りから北側、東は高野川、西は下鴨本通りまでの一帯が左京区松ヶ崎地区です。
北山通りができてから、住宅地も増え、この辺りの様子も随分変わってきましたが、 山の緑に近く、小川が流れ、田畑もまだまだ残っている自然の美しいところです。
昔は”愛宕(おたぎ)郡松ヶ崎村”と言いました。松ヶ崎の地名の由来は、北の山々のさきにあり、山から出た崎の松の繁っている所というのでつけられたそうです。 一番古い記録では、平安時代始めの「日本後紀」で嵯峨天皇が810年に松ヶ崎川で禊をしたとあります。
平安時代に松ヶ崎を詠んだ和歌をあげておきましょう。


松ヶ崎いつもみとりの色なるを
  いととも春の霞たちつつ(好忠)
たなびかぬ時こそなけれあきもなき
  松ヶ崎よりみゆる白雲(紀貫之)

千年ふる松ヶ崎にはむれゐつつ
  たづさへ遊ぶ心あるらし(清原元輔)



参考文献:松ヶ崎小学校育友会編「子どものための松ヶ崎風土記」


この界隈

 
  松ヶ崎西山”妙”の山 

  松ヶ崎東山”法”の山

  松ヶ崎小学校

  涌泉寺

  松ヶ崎大黒天(妙円寺)


  高野川からの取水口「井出ヶ鼻井堰」


  
そこから取り入れられた小川が村のあちこちに流れていっています。


  東松ヶ崎の生活用水井戸跡

  桜井水

  新宮神社

  聖光教会と幼稚園

  石弥勒

  アピカルイン京都

  >京都簡易保険事務センター

  京都工芸繊維大学  
    京都工芸繊維大学工芸本館
    京都工芸繊維大学のヴォーリズ建築

  松ヶ崎浄水場  

  松ヶ崎児童館・学童保育所

  
  洛北松ヶ崎村旧街道あたり(2016年2月1日)

  辻堂
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高野川から松ヶ崎疎水の桜満開

2015-04-02 22:04:28 | 松ヶ崎村風土記
4月2日、出町三角州から北山通りまで、高野川に沿って続く桜並木が今満開で見事です。





















松ヶ崎疎水の桜も満開です。










松ヶ崎浄水場の横にある辻堂(ついど)の椿は、





大輪の日光(じっこう)です。
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松ヶ崎疎水 2015年早春

2015-03-09 23:08:32 | 松ヶ崎村風土記
松ヶ崎疎水べりにも春が少しづつ、少しづつ、訪れてきています。



紅梅。






足下には水仙がたくさん咲いています。
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大雪の被害甚大

2015-01-06 22:59:48 | 松ヶ崎村風土記
1月1日から2日にかけての大雪、京都市内で21㎝の積雪は過去3番目のことというけれど、覚えている限りでは初めての出来事です。


4日の松ヶ崎疎水は雪もだいぶ溶けてきてこんな様子。



しかし、我が家では屋根から固まった雪の塊が次々落ちてきて大変なことに。
雪は塊になると恐ろしい威力を発揮して、庭の木を押し倒し、南天の枝を折り、庭中真っ白に50㎝ほども積もってしまいました。しまいには、雪と一緒に屋根瓦も落ちる始末。トホホのホです。


深く積もった雪の下から植物を救出しているところです。ツバキ、ハラン、シダ等々。固い氷やシャーベットのようになった雪の中から園芸シャベルで掘り起こすのは、シャベルで葉が切れたり、一部出てきてもその先が雪の下だと引っ張ってもびくともしないので、まともな形で掘り起こすのは至難の業でした。




せめてものお慰み、大きな雪ウサギを作りました。


まだ当分の間、庭の雪かきをしなければいけないようです。
コメント (2)
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