「御畳瀬(みませ)見せましょ 浦戸を開けて
月の名所は桂浜 よさこい よさこい

」
と、よさこい節に歌われた浦戸湾。
高知県の中央辺りにあり、太平洋(土佐湾)から高知市内部にぐっと入り込んでいる湾で、その入り口の西側にあるのが桂浜です。鏡川を始めとして市内を流れるたくさんの川が浦戸湾に流れ込んでいます。
湾の内部は入り組んだ海岸線と大小たくさんの島が浮かぶ風光明媚な所で、大阪-高知航路の大型フェリーや漁船、釣り船が湾内を行き交う自然豊かな入江でした。
昔は水もきれいで、市民の憩いの場所になっていたその様子は宮尾登美子さんの小説や随筆のあちこちでも触れられています。
私も小さい頃に父に連れられて釣り船に乗り、ニロギを釣った思い出があります。小さい子供でも釣れる程入れ食い状態で魚がいたということでしょう。
しかし、いつのまにか水は汚れ、湾のあちこちが埋め立てられてすっかり様子が変わってきています。
今回の旅では、まだ昔の面影が残っていそうな湾の西側、横浜、瀬戸あたりにある島に行ってみました。雨の少ない真夏の高知で、午前中のうちに木陰を探しながらゆっくりと歩いて行ってみました。
上の写真は島から見た灘方面、この辺りも埋め立てられそうになったそうですが、住民の反対運動で中止になりました。
左が玉島、右が衣ヶ島。

二つの島からなっている衣ヶ島の手前の島までは赤い橋がかかっていて渡って行けます。島には神社もあります。
衣ヶ島の周りでは干潮の時にアサリやカキの潮干狩りができるそうで、この日も貝採りの人や釣りに来た人がのんびりと潮の引いていくのを待っていました。
暖流の流れに関連のある植物がたくさん生えているようです。
ハマユウの花が咲いていました。

鏡川も浦戸湾も、昔に比べたら汚れてしまって何とも残念なふるさとになってしまいました。そこに住んでいなくて何の働きかけもしていないので、大きなことは言えないのですが、なんとか元のようなきれいな川、きれいな海に戻ってもらいたいものです。
