2005年11月5日、「知るを楽しむ、何でも好奇心」という「あれもこれも」のビバさんにぴったりのテレビ番組に刺激を受けて、終戦後占領軍に接収されていた東京のお屋敷や名建築を訪ねる旅に出かけました。
さて、小笠原伯爵邸ですが、旧小倉藩主小笠原家三十代当主小笠原長幹(ながよし)氏の邸宅として、1927(昭和2)年に建てられ、当時としては珍しいスパニッシュ様式の斬新な建物でした。昭和20年から28年まで占領軍に接収され、返還後一時東京都の児童相談所として使用されていました。その後40年近く使用されず存続が危ぶまれていましたが、2000(平成12)年、修復および歴史的建造物としてふさわしい活用をすることを条件にして、民間企業に貸し出され、スパニッシュレストレン、カフェとして営業しています。
カフェでは建物の一部しか見れないので、レストランのほうに予約をしてでかけました。ランチ

7,000円は、一生に一度のセレブ

になった気分です。お食事の後、頼むと館内の一部を案内してくれました。
建物の修復は昔の写真を参考にして、調度品にいたるまで忠実に復元したそうなので、建築当初に近い姿を満喫することができました。
先ずは、上の写真はこの邸宅の最大の見せ場と言われる喫煙室(シガールーム)を外部から見たところ。半円形の外壁に植物や鳥のタイルがちりばめられています。

レストランになっているベランダ部分から喫煙室を見たところ。

喫煙室の内部は、大理石モザイクタイルの床など、全てイスラム様式の内装になっていて、「喫煙室はイスラム様式」という慣例を踏襲しています。


シガールームと聞いて思い出すのは、映画「タイタニック」で一等船室の乗客達がお食事をした後、男性だけがシガールームに行く場面、主人公の二人はこれをお断りして、二人だけの世界に向かうんだけど、シガールームってのは上流階級の男性だけのための部屋だったんだとあたらめて認識いたしました。
建物の設計は曾根中條建築事務所。曽禰達蔵氏と中條精一郎氏(宮本百合子のお父さん)によって明治 41年(1908)に創設された建築事務所です。
所在地:新宿区河田町10-10 都営地下鉄大江戸線「若松河田」駅下車すぐ
電話:003-3359-5830 (レストランは要予約)
営業:11:30-15:00,18:00-23:00
定休日:年中無休