ビバさんのさんぽ道

みやこの建物、お庭、お花、あれもこれも見てみたいと欲張りビバさんがでかけます

リニューアルした京都市美術館

2021-03-05 23:37:48 | これでいいのか京都(京都市美術館)
「京都市美術館」は、2020年春に改修工事を終え、「京都市京セラ美術館」という名前に変えられてしまいました。リニューアルされてから初めて中まで入って見たのは、2020年6月12日でした。

改修の前の様子は、こちらと、これらのページで見ることができます。

建て替え前、京都市美術館は1928(昭和3)年に建てられた帝冠様式の堂々とした建物でしたが、

建て替え後、建物の前面が大きく掘り下げられ、出入口は地下から。また、地下にはカフェ、売店も作られました。建物はガラスの地下部分の上に不安定に乗っている姿に変えられてしまいました。




ガラスの上に石造りの躯体が乗っているのを見ると、地震の時に建物の一階(地階)がぺしゃんこになる図を思い出してしまいます。



1階正面の大階段は元のままにありますが、入った時に出会うのではなく、歩き廻った後に二階横手から入るのでは印象が違います。



大階段も、



階段上のステンドグラスも元のままでよかった。



建物両翼にあるらせん階段も残されていて、「よかった。」




建物中央部分の大ホールは各企画展への入口と、東側の庭園に繋がる通路(無料スペース)になっているけれど、その分展示スペースが減ったのではないかと思われます。




建物両翼はそれぞれの中庭も含めて、らせん階段を通って二階まで続きの有料展示スペースになっています。そして、観覧料は総じてお高くなったようです。



この床のタイルも元のままで、よかった。



東側の日本庭園はほぼ元のままですが、左手には現代美術の展示スペースができ、右側池のほとりに全面ガラス製の茶室が置かれているのには、減滅。




前庭に立っている富樫実氏作の作品「 空にかける階段’88-Ⅱ」も、あやうく切り刻まれそうになりましたが、多くの人の反対で、元の姿をとどめることができました。

京都市は改修の費用100億円のうち、50億円を企業への50年間命名権売却でまかない、公立美術館としては全国初の事例となりました。100億円もかける改修ではなく、京都市の財政でまかなえる範囲でできなかったのでしょうか。
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これでいいのか京都シリーズ(5)改修中の京都市美術館本館をウォッチング

2019-11-16 23:41:13 | これでいいのか京都(京都市美術館)
改修中の京都市美術館、2020年3月21日のリニューアルオープンに先立って、2019年11月16日に一部の見学会が行われました。見学できるのは抽選に当たった人だけで、葉書で申し込んだけれど、外れたので、その日に外観だけ見に行きました。


正面玄関前の地面は掘り下げられて、スロープで降りて、地下から美術館に入ることになっていました。
あの堂々たる京都市美術館の建物が宙に浮いてしまって、地に足がつかなくなっていました。



地下はガラス張りの回廊があるように見え、玄関と売店等ができるようです。




敷地の西南角にあった富樫実氏作の石の建造物「 空にかける階段’88-Ⅱ」。
改修に当たって、切り刻まれたり、横向けに展示する、別の場所に移すなどが企てられていましたが、作者や多くの人の反対で、やっと元の場所に元の姿のまま展示させることができました。    



「京都市美術館」の名前は一企業・京セラに売られ(50年間50億円のネーミングライツ売却で)「京都市京セラ美術館」となってしまいました。



美術館の前で「京都市美術館の名前を奪わないで」と訴えました。

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改修前の京都市美術館をウォッチングする もくじ

2017-04-17 03:52:32 | これでいいのか京都(京都市美術館)
2017年4月から改修のために休館になっている京都市美術館の内部見学会が4月16日にあったので、普段見られなかったところもじっくり見てきました。





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改修前の京都市美術館をウォッチング(5)貴賓室

2017-04-17 03:51:29 | これでいいのか京都(京都市美術館)
二階ホールの奥、西向き正面の部屋は、当初は貴賓室として作られていたようで、凝った作りになっています。

天井は折り上げ格天井で金の金具で飾られています。






床は組木細工。



ドアにも凝った彫り物があります。






スチームの覆いは細かな金具細工。



貴賓室の近くに特別の手洗い所がありました。



京都市美術館の風格ある外観、独特の意匠、占領の歴史を伝える遺構、等々、改修された後もどうか残されていてほしいものです。


改修前の京都市美術館ウォッチングはこれで終わりです。






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改修前の京都市美術館をウォッチング(4)地下室と中庭等

2017-04-17 03:49:54 | これでいいのか京都(京都市美術館)
いよいよ、通常は絶対に見られない部分へ。
地下室を見学させてもらいました。


地下に続く階段。



地下には使わなくなった展示ケース等、様々なものが置かれていました。



戦後美術館が占領軍に接収されていた時期に、靴磨きの部屋として使われていた部屋のドアには、「SHOE SHINE SERVICE」と書かれていました。



こちらのドアには「IF DOOR IS CLOSED,STAY OUT」と書かれています。




地下から館内に入った時期もあり、下足を預かるカウンターがありました。



一階の三列の陳列室の間には中庭がありますが、空調等の機械でほとんど塞がれていました。



中庭に面したアール状の壁。



一階東面入口の内側には、昔の展示ケースが隠されていました。
木枠にガラスのがっしりしたものでした。


占領時の事物、美術館の来し方を表わす遺品等、必ず残してほしい歴史遺産です。

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改修前の京都市美術館をウォッチング(3)展示室とらせん階段

2017-04-17 03:48:36 | これでいいのか京都(京都市美術館)
休館になり、展示品がなくなってがらんとした展示室を見てまわりました。








外光が上方から入りこんで展示品に直接当たらないようになっています。






一階南側の通路。右側に出るといつも閉まっている南面入口があります。



通路の左側には二階に向かう螺旋状の階段があります。
「日本に京都があってよかった」のキャンペーン写真が撮られた場所です。
同じような階段が北側通路にもあります。






階段の下はトイレになっています。



階段の上には二階ホールがバルコニー状に突き出ています。



バルコニーの内側には、



半円状の大理石のベンチが作りつけられています。



その近くの床のタイル。




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改修前の京都市美術館をウォッチング(2)玄関ホールと階段

2017-04-17 03:47:27 | これでいいのか京都(京都市美術館)
京都市美術館ウォッチングの続きです。

玄関を入ると重厚な大理石の柱が並んでいます。



玄関ホールの前に、風除け室のように扉で区切られた区画があります。



ホール正面に大きな階段があります。



途中から左右に分かれる階段。













階段室吹き抜け上の天井が見事です。



二階ホール。



そのタイル。



横の方にエレベーターもあるのを初めて知りました。



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改修前の京都市美術館をウォッチング(1)外観

2017-04-17 03:46:02 | これでいいのか京都(京都市美術館)
京都市美術館本館は2017年4月10日から約3年間、再整備工事のため、休館することになりました。

4月16日に、閉館になった美術館の内部を市民に公開し、写真撮影やスケッチもできる「京都市美術館で思い出づくり!」というイベントが実施されたので、美術館ウォッチングに出かけてきました。
京都市美術館には、これまでも度々訪れています。(2006年2007年2016年4月11日


先ずは、美術館の外観から。

前面(西面)の表玄関。和風の屋根を取り入れた帝冠様式と言われる造りです。
敷地の西南部分は既に塀で囲われて、文化財発掘調査が行われていました。



1933(昭和8)年に開館。設計は前田健二郎。当初は「大禮記念京都美術館」という名称でしたが、敗戦後駐留軍により接収、1952(昭和27)年に接収解除され、「京都市美術館」に改称されました。



正面玄関の重厚な入口。



南面。


南面屋根近くの装飾。



南面バルコニー角の置物。



東面には和風庭園が広がり、



その奥に低層の新館収蔵庫が隠れています。



収蔵庫の屋上には外部階段から自由に上ることができます。



東面。



東面入口。通常は閉まっています。



東面の屋根も和風屋根です。



北面。


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再整備される京都市美術館もウォッチング

2016-04-12 00:12:20 | これでいいのか京都(京都市美術館)
2016年4月11日京都市美術館もウォッチングしました。
この建物も老朽化を理由にまもなく改築されることになっています。
しかし、ただの耐震改築ではなく、再整備と称して大幅な変更が加えられようとしています。


先ず、この建物前面の土地を広く深く掘り下げて、地下1階から建物に入る構造に変えようとしています。



地下入口付近には売店等が作られる予定?
しかし素人考えですが、建物の前面をそんなに掘り下げては、かえって地震の揺れに対する耐震性がなくなるのではないかと心配になります。



敷地の南西側の疎水に面した部分からこの辺りにかけてレストランが作られて、地下入口に向けて通路が付けられるとか。そうすると、疎水側のこの桜の花も見られなくなるかもしれません。



美術館の南面。



美術館の東面。



敷地の東南にある別館。ここも改修されるそうです。



動物園に続く東側には美しい日本庭園がありますが、ここも削られて現代アートの展示館が建てられるそうです。



古い看板がありました。「大禮記念 京都美術館」となっていたのが「大禮記念」の部分が削られています。1928(昭和3)年に京都で行われた昭和天皇即位の礼を記念して計画が始まったため、当初は「大禮記念京都美術館」という名称だったのです。
設計は前田健二郎、1933(昭和8)年に開館しました。建物は前面中央に和風の飾り屋根を乗せた典型的な帝冠様式の鉄筋コンクリート造り2階建てで、堂々とした美術館です。

以前、美術館の中まで見た時の記事はこちらこちらです。

しかし、なんと、京都市は本年12月から始まる改修の費用100億円のうち、50億円を企業への50年間命名権(ネーミングライツ)売却で賄う方針で、9月30日までに応募する企業を募集しています。そうすると、「京都市○○○美術館」という名前になり、○○○の部分には企業名やキャラクターの名前が入ることになります。「ロームシアター京都(京都会館)」「島津アリーナ(京都府立体育館)」「わかさスタジアム京都(西京極総合運動公園野球場)」などに続き、「またか!」という感じですが、公立美術館としては全国初となります。
しかも、京都市長はこの他にも引き続き、命名権売却を考えていくと言っているので、そのうち京都はチャラケた名前だらけの町になってしまうかもしれません。

京都市美術館の改修は、本当に100億円も必要なのか、地面を掘り返したり、レストランなど作らず、京都市の財政で賄える範囲の改修でできないのか、京都市議会での検討を徹底的に行うことが必要です。

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京都市美術館にて

2007-03-22 02:33:41 | これでいいのか京都(京都市美術館)
少し前のことになりますが、2月25日まで京都市美術館で開催されていた「京都市美術館コレクション展 第4期 春を待つ」を見に行きました。



展覧会ではお目当ての上村松園の「人生の花」を見て大満足。

ついでに建物をじっくり観察させていただきました。


1933(昭和8)年築、コンペで当選した前田健二郎の案を京都市建築課が実施設計を行ったもの。
日本趣味を基調とする帝冠様式と言われる造りです。


玄関ホールの吹き抜けから二階に上がる階段が左右に分かれて登っています。


二階にあがったところのホールの天井。ステンドグラスがきれいでした。


二階ロビー窓からの眺め。


二階の展示室の窓は高い所にあるので、向かいの国立近代美術館を眺めることはできません。


一階左右の展示室の途中にある休憩コーナーも大理石で壮麗です。


その休憩コーナーのあたりから二階に向かって続く階段は通行止めになっていますが、なんか見覚えのある景色・・
っと思えば、あの「日本に京都があってよかった」京都市政広報ポスターで片岡仁左衛門氏が座っていた階段です!

同じような階段が左右両方の展示室の中央あたりにあります。


上の方はこんな風になっていました。



東側の外観。




裏庭は日本庭園になっていて東山の山並みが借景になっています。
あまり人もやってこないこのあたりでは近所の子供達がビービー弾の撃ち合いっこをして遊んでいました。
後から造られた収蔵庫もこの横に半地下形式であって、東山の景色を妨げないようになっています。

今回こんなにじっくり建物内部を見せていただけたのは、館内大部分を使って京都精華大学の卒業制作展が行われていたので、自由に見て廻れたからでした。

京都市美術館では大きな企画展の他に、日展等の公募展、大学の卒業展など市民の美術発表の機会も提供しているので、この時期は芸術系大学の卒業展が目白押しに開催されているようです。

「日本に京都があってよかった、京都に京都市美術館があってよかった」です。

ちなみに、京都市は京都市美術館が相当お好きなようで、またまた国立近代美術館から見た所をポスターに使っていますね。前にビバさんも写したことのある場所です。
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京都市美術館

2006-07-08 17:05:41 | これでいいのか京都(京都市美術館)
京都国立近代美術館に「藤田嗣治展」を見に行った時に、初めて4階に上り、ロビーからの眺めに驚きました。
目の前に平安神宮の大鳥居が聳えていて、その向うに京都市美術館が。


京都市美術館は1933(昭和8)年建築で、中央に千鳥破風がある帝冠様式といわれるもの。(ちょっと鳥居が邪魔か)
建設に当たっては、伊東忠太、武田伍一らの委員会が設けられ、建設場所の選定を行うとともに,設計案を公募し、東京の前田健二郎案が1等に入賞、これを部分的に修正して建てられました。

片岡仁左衛門の「日本に京都があってよかった」ポスターはこの建物の南側らせん階段で撮影されたものです。

平安神宮大鳥居は最近塗り替えられたので、金の部分もピカピカです。高さは24.4m、1929(昭和4)に建てられました。

いつも下から見上げるだけだったけれど、上から見下ろしてみると、また変わった見方ができます。

そしてここからは、東山連峰が金戒光明寺から都ホテルの辺りまで、一望のもとに見渡せる絶景スポットです。
7月2日、どんよりした曇り空だったのが、惜しいです。
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