2014年にオープンした「あやべグンゼスクエア」は、「グンゼ博物苑」と、綾部の特産品を集めた「あやべ特産館」、地元のボランティアで維持管理されている「綾部バラ園」からなっています。製糸業に関係の深い桑の品種も多く植えられています。
「グンゼ博物苑」は創立100周年を記念して、大正時代に使用していた繭蔵を改造して1996年に開苑しました。グンゼのあゆみを3つの展示蔵 (創業蔵・現代蔵・未来蔵)で紹介しています。

<創業蔵>
絹織物の原材料となる生糸をつくる「製糸業」から始まったグンゼ。1896(明治29)年に波多野鶴吉(はたのつるきち)が郡是製絲株式会社を設立しました。「郡是」という社名は、元官僚の前田正名が唱えた「今日の急務は、国是、県是、郡是、村是を定むるにあり」に共感した波多野が、何鹿(いかるが)郡の是(方針、進むべき道)として、地場産業であった蚕糸業による地元綾部の振興を志し、命名したのでした。
創業蔵の1階では蚕糸業で使用していた機械や道具などを展示。2階では、グンゼの創業当時のあゆみを近代史とともに振り返り、波多野鶴吉の目指した会社づくりを紹介しています。

右から左へ、桑で蚕を育て、繭から生糸を紡ぎ、絹織物が出来上がります。

蚕を育てていた農家の模型です。

手で紡いでいた時代から変わって、機械で紡ぐ時代になりました。

タイコ八丁撚糸機。

グンゼの字が書かれた繭を入れた袋。
創業後20年で工場数16、大正末期には工場数25に事業規模が拡大しました。

グンゼは生産だけでなく、キリスト教精神によって、従業員の教育や厚生にも力を注ぎ、寄宿舎、グンゼ病院(1990年から綾部市立病院に)、誠修学院、教育部、郡是女学校(裁縫、算術、修身に関する授業を行った)などを備えていました。
<現代蔵>
昭和初期にレーヨンが台頭したことで、生糸価格は年々下落しました。
戦後のグンゼは、蚕糸業の縮小に伴い、主力事業をメリヤス肌着やナイロン製靴下などの繊維加工部門に転換、多様化した事業活動を行うようになりました。
1階では、日常生活の中で発見することができるグンゼの製品やサービスを、各事業ごとに紹介。
2階では、インナーやパンストをはじめとするアパレル事業のこれまでのあゆみを紹介しています。
<未来蔵>
グンゼと言えば、肌着・下着と先ず考えますが、今では「明日をもっと、ここちよく」をテーマに、エンジニアリング・プラスチックス、メディカル事業、電子部品事業などへと事業を展開してきており、この蔵では最新の製品や技術を紹介しています。

<綾部バラ園>
2010年10月に開園し、「アンネのバラ」もあります。

あやべ特産館の中にある「緑茶カフェ」で抹茶ソフトクリームを食べました。熱い日だったので、冷たいものでほっこりしました。
綾部市は舞鶴市などと合わせて、玉露や抹茶の重要な産地だと初めて知りました。
綾部駅まで歩いて帰り、14時7分綾部発、15時12分園部着。15時16分園部発、15時53分京都着の普通列車で帰ってきました。