2007/02/09
「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ()」
「吹いたので秋の草木が折れたとてその山風を嵐と云うのか(あまり冴えない歌である)」
「味わえばこの歌苦がし吐き出せる語呂合わせともさほど変わらじ()」
「余りにもお粗末故に子規をして切り捨てられしものの見事に()」
「この歌は康秀の子の朝康が作りし歌と一説に云う()」
「雪降れば木毎に花ぞ咲きにけるいづれを梅とわきて折らまし(紀友則、梅:木毎と同じだが劣る)」
2014/08/25
「吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ(#022 文屋康秀)」
「【訳】山からの風が吹くとすぐに秋の草木が萎れてしまうので、なるほど、だから山から吹く下ろす荒々しい風を嵐というのだろう()」
<嵐> 「花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり (#096 入道前太政大臣)」
096-◎ 「憂かりける人を初瀬の山おろしよ 激しかれとは祈らぬものを(#074 源俊頼朝臣)」
| 「山桜咲きそめしより久方の雲居に見ゆる滝の白糸 (#074' 源俊頼朝臣)」
<山おろし>074
<山桜> 俊頼
「林とか森は木々からなるごとく むべ山風をあらしといふらむ(付句遊戯-#022)」
「康秀は官位はそれほど上がらずも六歌仙へと大成したり(860~870年に事蹟があり)」
「息子には朝康がいて腕前はどっちが上か比べるもよし()」
「この歌に嵐と荒らしの二通り意味を掛けことば使われて()」
「康秀は小野小町と仲良しで三河赴任に彼女を誘う()」
「わびぬれば身をうき草の根を絶えてさそふ水あらば去なむとぞ思ふ(小町の返歌)」
「返歌では『ついていきます』と言えれども事実はどうか今じゃわからず()」
【参考】
「人の為は偽りと書くと聞く むべ山風をあらしといふらむ(安野光雅)」