Music Mania

No Music No Life

小池真理子の短編集

2015年11月28日 | 読書
読書好きの人といってもいろいろなタイプがいて、お気に入りの数冊を何度も何度も熟読してる人もいれば、
ものすごくたくさんの量を読む人もいる。
僕の友人ですごくたくさんの本を読む人が二人いるのだけど、二人共図書館のヘヴィユーザーで
年間100数十冊から200冊ほど読む。
そんな友人の一人NAOさんのお勧めで読んだのが、小池真理子「怪しい隣人」。
短編集なんだけど、ときどきゾッとしながら楽しく読めた。

ここには6つの短編が収められており、どれも決してハッピーエンドとはいかない内容になっている。
主人公は普通の人が普通に感情移入できるような人物で、ちょっと後ろめたいこともあったりするけど、
一般的には良い人で通ってる人物だ。
そんな人を利用して悪いことを考える人がいる。

6つの短編から一つ選ぶなら「家鳴り」という作品だ。

田舎の古い家に住む嫁と病気がちの姑。
ときどきビシっと木のきしむ音が聞こえる家。
昔から世話になっている工務店に修理を依頼しても、ちっともやってこない。
苛立ち、あせり、不安、主人公の気持ちが読者にヒシヒシと伝わってくる。
そして後味の悪すぎる結末。
狂気、そう、これはまさに狂気だ。

僕が小池真理子を読んだのはこれが初めてだけど、行間から漂う昭和の匂いが、なんとなく松本清張を思わせる。
とにかく短編のまとめ方がうまい。
ストーリーの展開と結末が、唐突でもなく、自然と収まるべきページ数に収まってる感じだ。

今読んでるのはやはり小池真理子の短編集「妻の女友達」。
同じタイプの短編集だけど、その次は長編も読んでみたい。

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