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鈴木大介「最貧困女子」

2016年06月12日 | 読書
鈴木大介「最貧困女子」を読んだ。




格差社会と言われて久しい。
男性の最貧困クラス、つまりホームレスはよく話題になり、社会問題として取り上げられる。
しかし、若い女性の最貧困クラスが話題になることはほとんどない。
この本ではいろいろな方向から、いくつかのタイプに分けられる最貧困女子の実態を取り上げている。

たまに格差社会は、努力した人が報われるいい社会だという人がいる。
貧乏なのは努力をしてないから、と切り捨てる人たちだ。
それは完全に間違った考えであることがこの本を読めばわかる。

生まれた時点で片親で、しかもそれが精神疾患だったらどうしますか?
まともに子育てが出来ない親が一人で子を産んだとき、それをフォローする人はいますか?
生まれた子に責任ありますか?
決してこれらは特殊な例ではなく、皆さんが思ってる以上に多いと思う。

この本では、その中でもさらに最悪のケースを取り扱っている。
家庭環境の悪さゆえ家出した女は、やがて家族、地域、社会制度という三つの縁をなくし、セックスワークで日銭を稼ぐしかなくなる。
しかも、それで容姿が悪いとなると、どこの風俗店でも雇ってくれなくなり、より過酷な方向へ進まざるをえなくなる。

非常に痛々しい内容の本。
だけど、これも今の日本の現実だ。
興味のある方のみどうぞ。
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