熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

良かった良かった

2009-04-20 18:29:32 | 文章
4月20日の朝、8時30分に電話のベルが鳴りました。
どなたかな、と思いながら受話器を取ると、水無瀬神宮・宮司さんからの電話。ビッグニュースでした。

当方は思わず「オーッ、そうですか。それは良かった良かった」と、思わず大きな声で反応してしまいました。

実は、何年もズーット心配していたのです。
突然倒れられた先代の宮司には聞くことも出来無いまま数年が経過し、昨年亡くなられてますます所在が分からなくなり、半分はあきらめかけていた「もっとも重要なもの」があったのです。
それが出てきたという知らせです。
本当に「良かった良かった」です。

「もっとも重要なもの」って。そうです、「将棊馬日記」です。
一時所在が分からなくなっていた「将棊馬日記」が出てきたのです。

ご承知の方も多いと思いますが「将棊馬日記」は、400年前の水無瀬兼成さんの駒づくりの記録です。
正確に言うと、安土桃山時代の終わり天正8年から江戸時代初め慶長7年に至る13年間の兼成筆・水無瀬駒の製作数と、その一組一組ごとの譲り渡し先として、天皇・公卿・高名な武将などが繰り返し記述されているものです。

当時の水無瀬駒は、現在考える以上の超高級品であったことがこの資料で分かるのですが、それが一時、所在が分からなくなっていたのが出てきたという知らせでした。

水無瀬神宮に遺る「兼成筆・水無瀬駒」関連の品々は、このたび大阪府島本町の第1号文化財に顕彰認定されたのですが、肝心の「将棊馬日記」の所在が分からないままで、大変残念に思っていましたが、いずれ追っかけて認定されることになると思います。
良かった良かったです。

同じ知らせがお昼に島本町からもありました。近々、確認に出向きたいと思います。

ところで、島本町の担当者から、これら「一連の品々を保管する方法や入れ物を誂えたい。どのような物が良いか」との相談がありました。
予算化はこれからということでした。

返事は早い方が良いだろうと、「古水無瀬」の盛り上げを中断して、「基本の考え方と具体例」のアイデアを、4ページに書き下ろして、検討のたたき台としてFAXしました。
考え方としては、①、関連品のすべてをコンパクトに確実に収納保存する。
        ②、駒は、一枚一枚の所在が一覧して確認出来る構造。
        ③、展示時には、品物に触れることなく展示出来る構造と体裁。
        ④、防湿・防虫のための配慮をしておく。
        ⑤、将来の追加認定を見越して「兼俊筆」駒の収納余地も。   以上です。

展示するときは
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肥後本妙寺

2009-04-20 04:31:57 | 文章
4月20日(月)、晴れ。

明日から名人戦第2局が始まりますね。対局場は熊本城とか。
ここからは遠いですが、もっと遠い四日市の尾崎さんは、総勢5人で土曜日に車で出発。今ごろは九州のどのあたりでしょうか。

ところで、熊本城といえば、虎退治で有名な加藤清正。
地元では、荒れていた肥後を善政で豊かにして、熊本では昔から「せいしょうこうさま」と呼ばれて敬われているそうです。

清正は、秀吉と同じ尾張・中村の百姓のせがれ。秀吉とは親戚関係。
墓は少し小高い「本妙寺」にあります。

その本妙寺に、400年前の「中将棋駒と盤」が寺宝として遺されています。
今でも宝物館に展示されていると思います。
熊本城から車で10分もかかりません。熊本を訪れる時は是非とも見てください。
小生は地元新聞社に勤める方に教えていただいて、10年位前に見に行きました。
そのときの様子を「近代将棋・駒に生きる」で写真と文章を載せています。

駒は「水無瀬兼成」の筆跡です。
本来92枚のところ、10枚近く欠落していますが、将棋好きの方なら見る価値はあります。
確か、「折れ墨桔梗紋蒔絵」(桔梗は加藤家の紋)が施された「駒入れ」もあったはずです。

「盤」がまた珍しいものです。
12x12=92画の一つ一つ升目には、別の木で丸い埋め込みが細工されています。こんな盤は、それまでも今も、ほかに見たことがありません。

盤は「榧」製。埋め込んである木は、多分「桐」だと思います。
芯持ち材を直径2センチ5ミリくらいの円柱形にして、それを升目の中に埋め込んである訳ですが、何でこんなことを施してあるかが不明です。

強いて考えるとすれば、「駒を打ち付けたとき、ポンとかポコッと音がする」のでしょうか。しかし、何故、音が必要なのかは不明です。
お呪(まじ)ないか、司祭の何かに使われたのかどうかは分かりません。

話がずれてしまいました。


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駒の写真集

リンク先はこちら」 http://blog.goo.ne.jp/photo/11726