熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
残部僅少、注文受付中。

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作品 文章 写真 販売品

空蝉

2009-04-09 20:08:40 | 文章
4月9日(木)、快晴。

10時に名古屋(名古屋ドーム・「アクティブシニアフェア」)へ向け出発。
それまでの2時間は、明後日の「駒づくり教室」に持ってゆく機材の準備をする。

「アクティブシニアフェア」は、PRパンフレットを見ると、将棋以外にもシニア向けの催しがいろいろあることは分かっていたのですが、とにかく行ってみようということで、初日の今日行くことにしました。
切符を四日市の尾崎さんからいただいたので、無駄にする野間申し訳ないという気持ちもあった訳です。

行程は2時間と少し。加茂を出て伊賀上野までは国道163号線。伊賀上野からは名阪国道と東名阪。四日市近くの御在所SAで、少し早い昼食を済ませて、ナゴヤドームには12時30分に到着しました。

ナゴヤドームは、市内のど真ん中にありました。
途中、千種区の都通(みやこどおり)は、小生が66年前に生まれた場所です。
終戦後まもなく、2歳半か3歳ころに京都に引っ越したので、ほとんど知らない場所なのですが、わずかに3つ4つの「断片的な映像」が記憶として残っています。

その1つは、「石づくりの大きな橋から、下に見える交錯した複数の線路とプラットホームらしき映像」。これはどうやら国鉄貨物の千種駅だったようです。
2つ目は、名古屋が米軍の大空襲を受けた昭和20年なのでしょう。
「我が家の前の広い通りに止まっているトラック(?)が道路ごと炎上している映像」と、「防空頭巾を被った女性が、路上に倒れている映像」。幼心に余程怖かったのでしょう。
3つ目は、「近所のお店のショウウインドウの上に飾ってある招き猫の映像」。
母親の背中におんぶされながら、「あれが欲しい」と強請ったらしく、そのときの映像です。

4つ目は映像ではありません。
「シュルシュル・シュルシュル」という音です。
「シュルシュル」は、米国のb29空爆機からばら撒かれて、それがクルクルと回転しながら明るい閃光とともに空から落ちてくる「焼夷弾」が発する音です。

「焼夷弾」は、人家を焼くための爆弾です。人家や工場が密集した都会を狙い撃ちにした爆弾です。
小生より年長であれば、覚えている人は多いと思います。

名古屋のそんな63~4年前の幼い記憶を、この辺りだったのだろうかと思いながら車を走らせました。

ナゴヤドームでは、佐藤康光九段が舞台で、目隠し将棋の真っ最中。
手前の将棋関係の展示ブースでは、鬼頭孝生さん・三輪京司さん・神田和徳さんたちがボランティヤです。
皆さんには、「4日間は、大変ですね・・・」と声をかけましたが、慣れない仕事だけに、本当に大変だと思います。

鬼頭さんから「色紙を」と声がかかりましたので、「王将」と3枚書かせていただきました。
1枚は鬼頭さんに、1枚は三輪さんに、もう一枚は熊倉紫野女流初段へ。
熊倉さんへの色紙には「王将の前後に「熊さんへ・熊さんより」と書かせていただきました。


写真は、近作の「空蝉」。
昨年、ブログで売り出した「木地」で製作する注文をいただいて、このほど出来上がった彫り駒です。


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駒の写真集

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