図書館から借りた『博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話』を読了。
本書は『Oxford English Dictionary(OED)』の誕生秘話となっていますが、編纂者のマレー博士と協力者のマイナー博士の物語と言った方がいいかもしれません。本書を読む前は単純にOEDの編纂過程だと思っていただけに、ちょっと違ったかなといった感じです。
読み物としてはとても楽しめたのですが、誤解してはいけないと思うことがあります。それはマイナー博士が罹ってしまった精神的な病気に関して。彼は重度の患者として何十年も病院に入院しました。殺人も犯しています。ただ、精神的な病気を持つ人全員がそうではありません。たしかに病気が治るまで何年もかかる人もいますが皆が殺人などを犯していないし、きちんと働いている人がいることも事実。私も病院に行っていますが、他の患者さんも傍からすると健常者と何ら変わりはありません。だからタイトルに「狂人」と書かれているのには差別と言いますか、違和感を覚えました。
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博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:1999-04 借りたのはハードカバー版ですが、文庫版も出ているようです。 |