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謎である。
ふとしたことから、今までに見学した神社仏閣の中で気に留めた「蛇塚」について調べてみようと思った。京都の太秦にある前方後円墳のような有名なものについては解説が多くあるのだが、自分が取材したものについては分らない。
長野県蓼科の横谷渓谷を見下ろすことができる場所に、木彫りの観音様が祭られている所がある。横谷観音である。その横には眼下に横谷峡を、目を上げると茅野市郊外から南アルプス連峰も眺められる場所がある。そこには大ぶりの石があり、蛇が彫ってある小さな石塔が建ててある。
横谷観音横の石塔
その石塔を拡大した写真を見てほしい。蛇にしては首から上がお地蔵様のようでもある。不謹慎な表現になるが、かつて人面犬というキャラクターがあった。犬なのに、顔が人間というやつだ。実にアンバランスな感じがする。
日本中を探せば沢山の事例があるのだろうが、ゆきたんくはまだ2件しか出会ったことがない。もう一つは千葉県柏市の布施弁天の境内にある蛇塚である。こちらは「蛇塚」という表示がある。その塚山には蛇の体が這っており、その頭に当たる部分に石塔が建ててある。
千葉県柏市布施弁天の蛇塚
形状こそ違いがあれ、塚を構成する要素については類似している。他の物件を知らないので検証するには無理があるかもしれないが、誠に興味深い一致ではある。
また千葉県松戸市の根本には「小僧弁天」があり、その名前の由来には、「修行が厳しくて川に身投げをした小僧さんの生まれ変わりの白蛇が、子供たちの幸せを守っている。」ことがある。ここにも弁天様(水の神様)と蛇の関係が挙げられる。
部分部分では共通性について触れることができたが、「これだ」という結論を導くことはできない。群馬県の伊香保にある水沢観音の弁天様については、蛇ではなく、蛙がある。蛇と蛙では、敵対関係である。
伊香保水澤観音弁才天の蛙
このように見ていくときりがないが、それをしないと謎は解けないかもしれない。この項を書いていて、ますます謎になってしまった。誰か教えて下さいな。