夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

曽野綾子さんの数多くの御著書、私は多々教示されて、人生の師として敬愛を深め・・。

2014-02-27 14:21:43 | 定年後の思い
私は中小業の民間会社に35年近く勤め2004年〈平成16年〉の秋に定年退職後、
平素の買物専任者、その後の散策をしたり季節のうつろいを享受している69歳の身である。

日常の大半は、随筆、ノンフィクション、小説、近代史、総合月刊雑誌などの読書が多く、
或いは居間にある映画棚から、20世紀の私の愛してやまない映画を自宅で鑑賞したり、
ときには音楽棚から、聴きたい曲を取りだして聴くこともある。

そして年金生活の今でも本屋で、単行本、新書本、文庫本のコーナーを見たりして数冊買い求めたり、
ときには雑誌コーナーで月刊誌、季刊誌、臨時特別号を眺めた後、魅了された時は購入している。
そして、結果として手ぶらとなった時は、古本屋に行ったりして、読みたい本を探し求めて、
早や50数年過ぎている・・。
          

こうした中で定年後の年金生活の中で、単行本、新書本、文庫本の書籍に於いては、
特に塩野七生、阿川弘之、佐野真一、藤原正彦、嵐山光三郎、曽野綾子、三浦朱門、
高峰秀子、松山善三、中西輝政の各氏の作品を中核に購読している・・。

雑誌の月刊総合雑誌としては、『文藝春秋』は長らく愛読し、
毎月秘かに逢える心の友のひとりとなっている。
そして『中央公論』、『新潮45』は特集に魅せられた時は購読している。

或いは季刊誌としては、『文藝春秋SPECIAL』を購読しているが、
今や季節をめぐる毎の秘かな恋人のように愛読している。

私が読書をする場所は、我が家の居間でソファーに座ったり読むことが多いが、
寝室の布団に横たわって読んだりする時もある。
                    

ここ10日前の頃、新聞の雑誌広告が掲載されている中で、
女性専門月刊誌のひとつの『婦人公論』の最新号が広告が載っていて、
この横に、《 完全保存版 曽野綾子さんに学ぶ 人生後半の潔い生き方 》
と明記されていたのが、小さく掲載されていた。

私は『婦人公論』の特別付録と瞬時に感じ、特に定年後の9年半に於いて、
曽野綾子さんの作品から多々教示されているが、やはり婦人の雑誌を買い求めるのは、
躊躇ったりしてきた。

昨日、駅前に買物に行った時、本屋に立ち寄った時、雑誌コーナーで、
『婦人公論』の3/15号増刊、としてこの《 完全保存版 曽野綾子さんに学ぶ 人生後半の潔い生き方 》が、
一冊の本となっていた。

そしてこれだったら高齢者の男性の私でも買い求めることができる、と安堵して、
購入して、ただいま読書中である・・。
             

私が初めて作家・曽野綾子さんの作品を読んだのは、
講談社から出版された『われらの文学』と名づけられた文学全集からであった。

この文学全集は、確か1965年(昭和40年)の頃から毎月一巻発刊され、全22巻であり、
大江健三郎、江藤 淳の両氏による責任編集の基で刊行され、
この当時の老成家した作家を除外した斬新で新鮮なな全集であった。

これ以前の私としては、中央公論社から確か『日本の文学』と命名された80巻ぐらいであった
と思われる文学全集を読んでいたが、
この『われらの文学』は、この当時に最も勢いのある大江健三郎、江藤 淳の両氏による責任編集に寄り、
選定された28名の作家の作品を私なりに精読していた。

そして、この全集の中で、第16巻として『曽野綾子、北 杜夫』が、
1966年(昭和41年)5月に発刊されて、
私は初めて曽野綾子さんの『たまゆら』、『遠来の客たち』を含む8作品を初めて精読した。

これ以来、ときおり読んできたが、私はサラリーマンの多忙時期に重なったりし、
ここ10年は見逃してきた作品、リアルタイムで新刊された作品を購読している。
            

そして文学的なことは今回は対象外としても、人生の思いに多々教示されられ、
人生の師として敬愛を深めている・・。


こうした中のひとつに、過ぎし日の2012年(平成24年)5月下旬に、
伊豆半島の東海岸の熱海から少し南下した網代(あじろ)温泉で、4泊5日の温泉滞在旅行をした。

私は齢ばかり重ねた67歳の時であったが、こうした滞在旅行の時は、
読書をするのが快適と思い、この時は三冊の本を持参した。

曽野綾子・著作の『生活の中の愛国心』(河出書房新社)の新書本、
そして曽野綾子・著作の『堕落と文学 ~作家の日常、私の仕事場~』(新潮社)の単行本、
再読したく書庫から抜き出した城山三郎、平岩外四・共著作の『人生に二度読む本』(講談社文庫)であった。

旅路の先のひととき、これらの本を読んだりして、多々教示された。

そして宿泊先の網代温泉の『湯の宿 平鶴(ひらつる)』で朝食前のひととき、
私はロビーの近くで、当館で置いてある『毎日新聞』、『産経新聞』、『静岡新聞』の朝刊を読むのが、
習性のようになったりしていた。

たまたまこの日の25日の朝も、『産経新聞』の朝刊を手にしたら、
一面の左上に、作家・曽野綾子さんの『小さな親切 大きなお世話』と題された寄稿文が掲載されていた。
見出しには《 会えなかった恩人たち 》と明記され、
敬愛している作家のひとりなので、私は精読した・・。

曽野綾子さんは海外邦人宣教者活動援助後援会のNGO組織の代表を長らくされていることは、
数多くのご著作から私は学んできたが、
今回40年間続けられた代表を辞任され、これに伴い、《ささやかな感謝会》をされた、と記していた。
          

この後に綴られた寄稿文は、圧倒的に感銘を受けた・・。
そして私は持参している手帳に書き留めたりし、無断であるが、転記させて頂く。

《・・(略)
この最後の機会に、私の中には初期から数十年来の支援者で、
ついぞ顔を会わせたことのない何人かのお顔を今度こそ見られるだろう、
という淡い期待があった。

世間は生活に余裕のある幸福な人が、苦しい人を助けると信じている。
しかし私の体験では、長年の支援者の多くは、悲しみを知っている人たちであった。
私はその一部を打ち明けてもらう光栄に与(あずか)り、
人生とは悲しみこそが基本の感情であり、
そこから出発する人には、芳香が漂うのを知った。

このような人たちの一部は、しかし今度も会にもやはり出席してくれず、ただ温かい言葉を送ってきた。

人生は生涯、ついに会わないままに終わる方がいいのだという人間関係があるのだ、
と私は思った。

私はここ数年、いつ死ぬか分からないのだから、
以前から心にかかっていた人たちと、無理でない機会で、
会っておくようにしょうと心に決めていたのだが、
それは浅はかな人生の計算だということもわかった。

深い感謝は、時には恋のような思いでもあったが、
恋もやはり会わないでおいた方がいい場合が多い。

人生ですべてをやり遂げ、会うべき人にも会って死のうだということは、
思い上がりもいいところで、人は誰もが多くの思いを残して死んでいいのだ。
むしろそれが普通なのである。
私は強情だったが、運命には従順でありたいと願っていた。

愛というものは、二人がお互いに見つめあうことではない。
同じ目標を見つめあうことだ、と昔教わったが、
ついに現世で視線を合わせることもなかった支援者たちと私は、
図(はか)らずも同じものを見つめる位置に立って、人生を生きたに違いがない。
・・》
注)新聞に掲載された原文、あえて改行を多くした。

私は拝読した後、功利を問わない無償の奉仕活動をされる人たちに、
ひたすら敬服するひとりである。
その上、さりげなくこうした活動に共鳴して、支援金を提供して、
更に顔を会わることない人の心に、圧倒的に感銘させられた・・。

こうした思いの中で、私が瞬時に共鳴させられたことは、
《・・人生は生涯、ついに会わないままに終わる方がいいのだという人間関係があるのだ、と私は思った。》
と一節である。

このようなことを始め、私は曽野綾子さんの作品から、深く多々学び、
これからも人生の師として、敬愛しているひとりである。
             

曽野綾子さんの綴られたエッセイを読むと、短縮した言葉であえて表現すれば、
もとより明確な人生観を根底にあり、たぐいまれな言動を重ねて、
超高齢化社会の高齢者世代に、残された人生の指針を具体的に発露され、
そして読者は生きがいの要素の再確認と安堵感をもたらす、と愛読者のひとりの私は深く感じている。

たとえば『老いの才覚』(徳間書店)がベストセラーになった後、
『人生の第四楽章としての死』に於いて、《 最期の備え この時代をより良く生きるために 》
と徳間書店の広告に掲載され、
そして《 人生は明るく前向きに 締めくくることができる 》と大きく横書きされ、
8か条のような箇条書きが明記されていた・・。

著作権の関係もあり、ひとつだけ転記させて頂く。
《 最後に残るのは、財産でもなく名声でもなく愛だけだ 》
と明記されていた。

このような箇条書きのひとつを読むと、つたない人生を歩んできた私でも、
降参します、と思いながら購読したりした。
             
そして数多くの曽野綾子さんの御著書を精読すれば、市販のビタミン剤より少なくとも百万倍は、
心身ともに効果がある、と感じている。

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