夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

年の瀬、つたない老ボーイの私、この一年を振り返り、やがて独り微苦笑して・・。

2016-12-30 14:06:09 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の老ボーイの72歳の身であるが、
一昨日の28日の水曜日は、『官庁御用納め』と知り、働いて下さる多くの諸兄諸姉は、
年末年始休暇は29日の木曜日から新年の1月3日の火曜日までかしら、と思ったりした。

そして私は現役サラリーマン時代は、民間の中小業に勤めていた時は、
『官庁御用納め』に準拠し、『仕事納め』となったりすることが多かったが、
外資系の為か年の決算月もあり、疲れ果てながら大半は30日頃まで奮戦することが多かったりした。

昨今の民間サラリーマン諸兄諸姉の多くは、短期に成果が問われる時代で、
更に常時リストラの過酷な時代の為、せめて年末年始の時ぐらいは、
愛する妻と可愛いお子様とゆっくりとお過ごし下さい、と諸兄に無力な私でも祈願した。
                               
今朝、ぼんやりとテラスに下り立ち、まばゆい陽射しを受けたりし、
この一年は、どのような心情で過ごしてきたかしら、と振り返ったりした・・。
             

私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた一軒屋に住み、相変わらずお互いの趣味を互いに尊重して、
ささやかな年金生活を過ごしてきた。

こうした中で、私たち夫婦が長年念願してきた樹木葬が執うことが出来る埋葬地の墓地を、
5月中旬に視察した後、やがて契約した。

或いは独り住まい家内の母は、5月より、家内の母は市の福祉課が再審査を得て、
『要支援2』から『要介護1』と認定されたりした。

こうした状況下で、家内は整形外科でリハビリとか内科、眼科など付き添う為に、
家内の母宅で駐在することが多くなってきた。

やがて家内の妹が強力な援軍となり、家内と家内の妹が交互に、
家内の母宅に殆ど宿泊して、家内の母の食事、洗濯、掃除、或いは通院の付き添いなどしている。
         
このように、家内は家内の妹と逐次連絡しあって、家内は独り住まいの家内の母宅に行っている時は、
私は我が家で、独りぼっちの『おひとりさま』の生活を過ごしている・・。
             

こうした時の私は、平素より散策する時間が多くなったりしてきた・・。

過ぎし5月10日に通販として大手旅行会社のクラブツーリズムより、
定期月刊誌の『旅の友』5月号が郵便受入箱に入っていて、家内が見たりした後、私は翌日に読んだりした。

私たち夫婦の共通趣味は、国内旅行であり、温泉地とか観光名所地に滞在して、周辺を遊学することを好み、
私たち特有コースを立案した旅程を駅前にある旅行代理店に依頼して旅路を重ねたりしてきた。

或いはクラブツーリズムの長期フリープランを年金生活の中、10数回ぐらい活用し、
ときには自動車の免許書も定年後の更新時に、破棄したので、辺鄙な名所めぐりは、
クラブツーリズムの観光めぐりなどを利用して、私たち夫婦は遊学したりしてきた。

この時の『旅の友』5月号を私は読んだりしている中、海外テーマ特集のひとつとして『上手にリフレッシュ』を主題に、
【名作を生んだ散歩道の風景】と題された記事があった。

『音楽』、『絵画』、『詩』として三つ記事が掲載されていたが、この中のひとつの記事を読み終わった後、
つたない私でも、瞬時に琴線(きんせん)が静かに奏(かな)で始めた・・。
             

私が魅了されたのは『詩』として紹介された、『イギリス・湖水地方詩人が称えた湖畔の水仙』であった。
無断であるが、転記させて頂く。
            
《・・ベートーヴェンと肩を並べるほどの散歩好きで知られているが、
イギリスを代表するロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースだ。

イングランド北西部にある湖水地方は、氷河時代に形成された湖沼郡が点在し、
その景色はイギリスで最も美しいともいわれている。

湖水地方の近くに生まれ育ったワーズワースは、生涯にわたってこの地を散策し続けたことから、
『湖畔詩人』とも呼ばれている。

谷また丘の空高く
ひとり漂う雲のごと
さまようわれのふと見しは
群れ集いたる黄水仙
湖水のほとり木々の下
風にひらめき踊るなり

これはワーズワースの代表作『水仙』の一節。

緩やかな谷と丘が連なる湖水地方の、アルズウォーター湖付近を妹のドロシーと散策していた時、
黄金色に輝く水仙の花の群れと出会った瞬間の感動を綴った名詩だ。

彼は山や湖畔の小道、小さな町の田舎道を、何十キロでも平気で歩いたという。
                          

そぞろ歩きをしながら周囲の自然と心を通わせて、詩を作っては、
あとで書き留めるために必死で暗誦していた。

『序曲』(1805年)の中で、 「・・毎日毎日私は、さまよい歩いた。
安んじてもの思いにふけることができる道を」

と散歩へ愛を語ったほどで、雨の日には傘を持ち、濡れにくい道を足早に行ったり来たりしていたという。

悠久の時を超えて美しい風景と出会える湖水地方の山々や湖沿いの小道は、
彼が情緒豊かな詩を生み出すアイデアの宝庫だったのだろう・・》
                         

私は無念ながらイギリスの湖水地方には訪れたことはないが、確か20年前の頃、
NHKのBSに於いて、湖水地方について連続番組を視聴し、少しだけ情景は学んだりした。

そして肝要のイギリスを代表するワーズワースには、何かと海外文学に苦手な私は、
詩にも素養がなく、恥ずかしながら無知なひとりである。

たったひとつ記憶しているは、私が高校2年生の下校時、映画館に立ち寄って観た作品からであった。

エリア・カザン監督の『草原の輝き』(1961年)で、ナタリー・ウッドが扮する高校女学生が、
教室で詩を朗読するシーンであった。

草原の輝き
花の栄光
再びそれは還(かえ)らずとも
なげくなかれ
その奥に秘めたる
力を見出すべし

私はストリーに涙ぐみ、そしてこの詩には瞬時に魅せられ、そして二回目を見て、
字幕スーパーを薄暗い座席でノ-トに書き留めて、
詩を創られた御方が、ワーズワースと知り、私は17歳の時であった。
            
私は後年になると、ワーズワースも波乱に満ちた人生航路を歩んだと学んだが、
もとより詩に託した才能で、後世にも多くの方に敬愛されている人である。

そして私は《・・ワーズワースは、生まれ育った地で、生涯にわたってこの地を散策し続けた・・》に、
つたない私でも、瞬時に琴線(きんせん)が静かに奏(かな)で始めたのであった・・。
             

私は世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅の地域に生を受けて、
やがて都心の高校に通学して、都心の底知れぬ魅力に圧倒的に魅了され、通勤を含めて45年ばかり彷徨(さまよ)ったが、
定年後に年金生活を始めて、私の住む3キロ範囲を歩き廻るのが、何よりも心身安らぎを得ている。
            

そしてここ8年、デパートに買物、懇親会、冠婚葬祭などで都心に出れば、
人出の多さに疲れ果て、やがて我が家の最寄駅のひとつ『成城学園前』駅に降り立つと、
何故かしら安堵している。

このような心情を秘めた私は、たとえ時代、住む国と地域、才能も天と地の差があるが、
ワーズワースさんのお気持ち・・少しは理解できますょ、と私は微苦笑を重ねたりしてきた。

そして私は、自宅から3キロ範囲にある遊歩道、小公園、住宅街を歩いたりし、
ときには45分ばかり歩くと深大寺があり、隣接した処に都立・神代植物園があり、平年以上に尋ねたりしてきた。
             

それぞれに彩(いろど)り花、花木には、改めて見惚れたりしてきた。

こうした中で、あまたの雑木が冬木立から、芽吹き、そして新緑、深緑と多彩に変貌し、
やがてあまたの落葉樹の葉は、朱色、紅色、黄色などに多彩に染め始める錦繍(きんしゅう)の情景となり、
私は幼年期は農家の児として育てられたので、小躍りしながら歩きまわったりした。


私は亡き母の遺伝を純粋に受け継いだ為か、恥ずかしながら男の癖に、おしゃべりが好きで、
何かと家内と談笑したり、ご近所の奥様、ご主人など明るく微笑みながら談笑したりしているが、
ときおり私は、独りぼっちの『おひとりさま』の生活を過ごしていると、何故かしら長話になったりする時もある。

或いは遊歩道、公園などで、見知らぬ男性、女性でも私は話しかけたり、
ときには女性グループから話しかけられたりして、談笑を重ねたりしてきた。
               

このように私は、たまたま年男の今年を過ごしたりしてきたが、進歩なく過ごしてきたかしら、
と独り微苦笑したりしている。

やがて次の年男は84歳となるので、何かとプラス思考の私でも、健康寿命で迎えることは、
無理だろうなぁ、と溜息をしたりした。

そしていつの日にか、この世とお別れするまで、何とか認知症、或いは脳梗塞などの難病に遭遇しないように、
もとより自助努力も大切であるが、こればかりは神様か仏様の采配と思い、秘かに祈願したりしている。

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コメント (4)
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