私は東京の調布市に住む年金生活の80歳の身であるが、私より5歳若い家内と共に、古ぼけた戸建てに住み、ささやかに過ごしている。こうした中で、もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、歩くことが何より健康体の源(みなもと)と思い、殆ど毎日のように自宅の周辺3キロ範囲にある遊歩道、公園、住宅街を歩いたりしている。
歩くコースの多くは、付近に流れている野川の両岸にある遊歩道を歩いたり、或いは小公園、小学時代に通学した旧市道を歩いたりしている。ときには最寄駅の商店街に立ち寄り、知人と談笑したり、都立の神代植物公園に遠征したりすると、中学時代の同級生に逢う時もある。こうした時、偶然だよねぇ・・、とお互いに再会を喜びながら、過ぎし中学時代のそれぞれの同級生のことを話したりすると、長話になったりする時もある。
いつものように最寄り駅のひとつの京王線の『つつじが丘』の駅前より、路線バスで調布市の『総合体育館前』で下車した後、体育館前の前の歩道を歩いたりした。まもなく『植物多様性センター』の正門から入ったりした。この後、『植物多様性センター』の中を、さまようように歩いたりした・・。このようなのどかな景観の中、いつものように、私は祖父、父親が病死する10歳まで、農家の児として育てられた為か、失われた情景を求めるように、のんびりと歩いたりした・・。やがて『植物多様性センター』を辞して、まもなく『神代植物公園』の正門より、入園したりした・・。そして今の時節は、恒例の多彩な菊を飾った『神代花車』が、入園して下さった御方を歓迎するように、配置されていた。この後は、ダリア園に向かう中、もしかしたら『皇帝ダイア』が、咲き始めたかしら・・と80歳の私でも、乙女のように期待をしたりした・・。毎年、この時節に、秋晴れの青い空に向かって、たわわな花を咲き、齢ばかり重ねた私を励ますように、溌剌とした数多くの花が咲いてくれて、一年何とか元気で過ごした私に、贈り物を頂いたように感じたりしている。今年初めて・・さわやかな秋晴れの中、私は皇帝ダイアを見て、多彩に彩(いろど)り花を見上げたりした・・。やがて私は、皇帝ダイアに今年も私を励ますように、咲いてくれたことに感謝を重ねたりした・・。
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