夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

確か数10年前には、『花の金曜日』という風潮があった、と私は思い馳せながら・・。

2013-11-29 16:33:30 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市の片隅に住む年金生活の69歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

年金生活の平素の中、家内は少なくても料理、洗濯、掃除などをしてくれているので、
せめて日常の買物ぐらいと思い、私は自主的に買物の専任者となり、
独りでほぼ毎日スーパー、専門店に行ったりしている。

こうした中で、ときおり家内の要望で、私たち夫婦は駅前に買物をしたり、
年に4回ぐらいは都心の新宿のあるデパートに買い物をする時は、
高齢者の私でもボディーガード兼お供、荷物持ちで共に出かけたりしてきた。

本日の朝9時半過ぎから、私たち夫婦は最寄りの銀行に行き、
貸金庫に我が家としては重要な書類を出し入れした。

こうした時、私は貸金庫の出し入れの指定書類を記載していた時、
昨今は曜日の感覚が薄らいでいるので、机上にある時計を見ながら、
平成25年11月29日・・金曜日かと思いながら記入したりした・・。

その後、駅前のスーパー、ドラッグストアー、ホームセンターなど、
家内と共に買物した後、金曜日か・・と思いながら、
私がサラリーマンで奮闘していた時代を思い浮かべたりした・・。
          

私は中小業の民間会社を35年ばかり勤め2004〈平成16〉年の秋に定年退職した身であるが、
私の現役時代は数多くのサラリーマンの諸兄諸姉と同様に、
月曜日の早朝から業務に精進し、睡眠時間を削り、お互いに奮闘し、
金曜日の夜になると、やっと安息が得られる、といった心情か多かった。
          
私は東京オリンピックが開催された1964〈昭和39〉年の秋に大学を中退し、
映画青年、文学青年の真似事をし、やがて挫折した後、
1970〈昭和45)年の春、ある民間企業に何とか中途入社し、遅ればせながら社会人となった。
この頃の勤務形態は、隔週の土曜日が午前中勤務となっていた。

その後、何時ごろか完全5日制となって、金曜日の勤務が終わると、何かしらほっとした・・。

どなたが名付けたのかは知らないけれど、
連休前の金曜日を花の金曜日と称して、『花金』と省略し、
社内で花金だから・・と歓送迎会や懇親会を開催されたり、仲良しグループで呑みに通ったりしていた。
          
私が社内で業務が立て込んで夜の9時過ぎに自席にいると、
『忙しいのだったら・・明日の土曜日に会社に来て、じっくりと仕事をすればよいじゃない・・
ともかく・・いつものメンバーで待っているょ・・』
と気のおけない友人が電話を掛けたりしてきたので、
私は仕事を切り上げて、その場所に駆けつけたりした・・。

どなたも同じと思われるが人事異動のたびに、
歓送迎会が部課間で盛んに行われ、私も異動のたびに、開催してくれた。

50歳を迎えた頃から、人付き合いと体力も疲れ果てて、歓送迎会が実施される以外はある程度のつきあいとし、
私は自宅の最寄り駅の付近の居酒屋で、
毎週の金曜日の10時過ぎに、定期便のように独りでボケッと呑んだりした。

私は弐合徳利のその時に思いついた地酒を2本呑みながら、
板長の進めの単品を3品を食べたりした。
そして絣(かすり)を召した女将や仲居さん達にからかわれながら、
1時間半ばかり心の憩(いこ)いとしていた。

その後、55歳になるとリストラ旋風の中、私は出向となってしまい、
勤務先が遠方の上、始業も早くなり、心身疲れきったので、居酒屋に寄れる余裕もなくなった。
こうした時は帰宅後、風呂に入った後、深夜の11時過ぎに日中の出来事を家内とお互いに話し合いながら、
弐合徳利の純米酒を呑んだりした。

どの時代でもサラリーマンの多くの方たちは、多忙な業務な勤務実態で成果を問われていたが、
私は花金の夜のひとときは、秘かな息抜きで過ごしてきた。
          
退職後の今としては、遠い昔の出来事だった、と改めて感じている。

私が勤めた数10年前の頃には、居酒屋などで私は料理を頂きながら、お酒を呑み、
最近の出来事を公私含めて他愛なく、話し合ったりしてきた。
そして職場上の交流として、憩(いこ)いのひととき、と長年思ったりしてきたので、
働いて下さる現役の諸兄諸姉は、少し寂しくないかしら、と思ったりしている。
          

しかし、ここ平成の時代が明けた頃から、世界の経済の状況も大幅に変貌し、
こうした中で、少なくとも私たちの現役時代は半期決算の時代を過ごしてきたが、
私の定年退職した7年前の頃から、四半期決算などで短期に業績が問われる厳しい時代となり、
大手企業の正社員でも安定した長期の勤務実態が望めなっているのが、現実でもある。

そして民間会社は部署間はもとより、同課内でも常時リストラの過酷な時代となり、
ノミニケーションが薄らいでいる、と新聞、雑誌などで読んだりしたことがある。
                    
このような実態を私は学んだりすると、働いて下さる現役の諸兄は、時代の烈風の中、
せめて金曜日の夜から、休日の時ぐらいは、
愛しき妻、そしてお子様・・何よりも信愛できる家族で、ゆったりとお過ごし下さい、
と私は無力ながら念願したりしている。

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