夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

今年、私が一番愛読した著作家・・♪  《初出2006.12.6.》

2008-05-06 14:13:32 | 読書、小説・随筆
私は小説、随筆、歴史書、現代史などの読書が、映画、音楽より優先して、
毎日、活字文化に触れている・・。

昨日、インターネットでニュースを検索していたら、

【《年間ベストセラー》一位は「国家の品格」総合部門で】

と見出し記事があったので、読んだりした。

毎日新聞の記事であるが、無断転用をさせて頂きます。


書籍取次大手のトーハンは5日、2006年の年間ベストセラーを発表した。
単行本、新書などを合わせた総合部門は、

1位『国家の品格』(藤原正彦・著)
2位『はりー・ポッターと謎のプリンス』(J.K.ローリング・著)
3位『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(リリー・フランキー・著)

など。


以上、毎日新聞の記事を転記しました。


私は『ハリー・ポッター・・』は、
幼児と小学生の読む物語だろう、と思っている。

『東京タワー・・』は、無知であるが、
オカン、オトンなどと薄汚い言葉には、
非常に私には抵抗があり、程度の低い本と思っている。

以上の2作は読んでいないが、『国家の品格』には精読した上で、
この著作者の藤原正彦・氏の本の数々を今年一番愛読した。


私は旅行で温泉滞在などをする場合は、数冊の本を携えて行く。

今年の一月の下旬、家内と新潟の瀬波温泉に2泊三日の旅の時、
上越新幹線の発車のひとつである東京駅に立っていた。

時間に余裕があったので、私は本屋に寄った。
これといった本のあてはなく、探し求めたが、
結果として、新聞広告で知っていた『国家の品格』を買い求めた。
著作者の藤原正彦・氏には、これまでは読売新聞、文藝春秋で読んだだろう程度で、
私にとって強く印象の残らない人、と思えていた。

瀬波温泉で日本海の夕陽を観た後、読みはじめた。

資本主義の勝利は幻想であり、論理より情緒が基本であり・・といった内容には、
私の心に深く共鳴した。
そして、英語より国語と漢字が肝要であり、
何より魅せられたのは論理の限界を知る、と綴られたことである。

数学者の身で、アメリカのコロラド大学で助教授の教鞭をなされたお方が・・
どのように心の形成をなされたのか、深く興味を持ち、
旅行から戻ると、このお方の本を次々と買い求めた。


私はこの欄で、今年は藤原正彦・氏に関しては度々綴ってきたので、
ある程度は省略する。

旅から帰ると、散歩がてら、駅前の本屋に寄った。

私は著作家の小説、随筆などに魅せられると、
一時期は物狂いのように、若い時からなっている。

小説家の井上 靖、立原正秋、山口 瞳、向田邦子、
紀行作家の宮脇俊三、シナリオ・ライターの倉本 聡などが浮かんできた。

今回の場合の人の場合も同様となった。

『世にも美しい日本語入門』安野光雅・共著(ちくまプリマ新書)

『この国のけじめ』(文藝春秋)

そして、新潮文庫からでは、
『若き数学者のアメリカ』
『数学者の言葉では』
『遥かなるケンブリッジ』
『父の威厳 数学者の意地』
『古風堂々数学者』
そして『祖国とは国語』
読んだりした。

私は算数、数学に苦手であるので、因数分解、微分、積分などの授業には、
逃げ回っていたグループのひとりであった。
こうした想いがあるので、
『心は孤独な数学者』の解説に寄る、
ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの3人の天才数学者はどんな人間だったのだろうか?
 その足跡を熱く追う評伝紀行。
と紹介されているが、苦手の分野なので、理解できないと思い、
『天才の栄光と挫折』、そして小川洋子との共著『世にも美しい数学入門』は避けている。

『若き数学者のアメリカ』と『遥かなるケンブリッジ』の2冊は、
アメリカ、イギリスの優れた文明批評でもある。

『数学者の休憩時間』、『父の威厳 数学者の意地』は、
家族への思い、心の機敏を描いて、
海外の大学で教鞭を取られ、大学教授のお方でも、
と思わず笑いに誘われ、共感したりした。

『数学者の言葉では』、『古風堂々数学者』の2冊は、
特にご自分の自己形成、日常生活の思いが綴られ、
私は著作者と同世代のひとりとして、真摯に受けとめている。

月刊誌の『文藝春秋』の10月号に於いて、
《日本の顔》という連載特集記事があるが、
藤原正彦・氏を取り扱っていた。
書斎で資料読みに没頭する姿、
御茶ノ水大学で教授として、女子大の生徒に教鞭されている情景、
ご家族での夕食の光景・・
3人のご子息様は、読んだ中で度々綴られているので、
ロンドン時代でいじめにあった次男のお方は・・と余計なことを感じたりしている。

そして夏のひととき、蓼科の山荘の近くで無農薬野菜をなさり、
奥様とジャガイモの収穫の情景が写し出されている・・。

ご自分の努力で今日の状況を形成され、
ご両親、奥様、ご子息への思い、そして教育、社会、日本を取り巻く状況に深く教示させられ、
私の理解出来ない直接の数学分野を除けば、
敬意しながらも共感している。

私の心情として、遅ればせながら藤原正彦・氏のエッセイに触れたのは、
今年の最大の収穫である。







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